JapaneseEnglish

次世代エンジニアと働き方の改革

参加メンバー

次世代エンジニア育成と働き方の改革に向けて

ITサービス総合力の強化に向けて、市場価値の高い人材の育成を目指すCTCグループ。
ワークライフバランスやダイバーシティといった社会的課題への対応が求められる中で、今後、専門的かつ幅広い技術やスキルを備えた次世代のエンジニアをどのように育成していくべきなのか――
外部有識者としてシンクタンク・ソフィアバンク代表の藤沢久美氏をお迎えし、人事総務室長並びに当社を代表するエンジニア3名と語り合っていただきました。

必要なのはスペシャリストでありゼネラリストでもあるエンジニア

寺田:CTCグループにとって、どんな広告宣伝よりも当社の技術力をアピールできるのが、優秀なエンジニアの存在です。2014年4月から、当社が「技監」や「シニアエグゼクティブエンジニア」といった上級エンジニアを対象とした新しい階級を創設した背景には、エキスパート志向の人材を適正に処遇していくことはもちろん、高度な技術スキルを備えたエンジニアの存在を、より分かりやすい形でお客様にアピールする意図もあります。また、若手・中堅のエンジニアにとって、彼らの存在は将来のキャリアプランを描く上で大きな目標の1つになるはずです。

藤沢:本日は、その「技監」「シニアエグゼクティブエンジニア」の中から3名にご参加いただいたわけですね。IT業界では、最近、幅広い技術スキルを身につけたフルスタックエンジニアが注目されていますが、皆さんは今後の人材育成における課題をどのようにとらえていらっしゃいますか?

中井:フルスタックエンジニアが注目されている背景の1つには、ITエンジニアの仕事が余りにも細分化されてしまったことへの反動があると思います。私の感覚では、1990年代頃までは1人のエンジニアが基盤構築からアプリケーション開発までトータルに関わることも珍しくありませんでした。
ところが、2000年以降、システムが大規模化・複雑化するのに伴い、インフラ、ネットワーク、ミドルウェア、アプリケーションと、急速に技術の細分化、専門化が進んでいきました。

西崎:そして今、クラウドコンピューティングや仮想化技術といった複数の専門分野にまたがる新しい技術の登場によって、エンジニアに求められる資質が再び変化しつつあります。一人ひとりのエンジニアが、スペシャリストとして技術を深く掘り下げると同時に、幅広い分野のエンジニアと緊密に相互連携しながら、新しい技術やサービスをインテグレーションする能力が求められるようになっています。

中井:技術の細分化によって、最近では“自分の専門はここまで”と線を引きたがるエンジニアが多いのですが、今後は専門分野にこもっていては仕事にならなくなると思います。
自らの専門性を軸としながら、周辺の技術分野やビジネスエリアにまで能力を拡大していく姿勢が大切になります。

寺田:人事総務室でも、これからのエンジニアは、スペシャリストかゼネラリストかの二者択一ではなく、スペシャリストであり同時にゼネラリストとしての資質も要求されると考えています。

石川: エンジニアとして大切なのは、たとえ特定の技術領域の限られたパートを担当していても、その開発がシステム全体の中でどのような機能や役割を果たすのか、更には社会に対してどんな意味を持つのかを常に意識しながら仕事をすることです。社会に新しい価値をもたらすソリューションを創出していくためには、現在の技術の先にどんな可能性があるかを考える姿勢が大切になります。CTCグループとして、そんな想像力、イマジネーションを持ったエンジニアを育てていく必要があると感じています。

西崎:結局、エンジニアも最後に問われるのは人間力です。
技術職だろうが営業職だろうが、全体における自分の仕事の役割をしっかり認識すると共に、相手に対するホスピタリティを持って取り組むことが不可欠です。いくら高度な専門能力を持っていても、プロジェクトメンバーやお客様との関わりの中でその能力を活かせなくては何の意味もありませんからね。

一人ひとりがエンジニアとして成長できる環境をつくる

藤沢:そういったエンジニアを育成するために、どのような取り組みを進めていますか?

寺田:技術力強化委員会を組織してエンジニアの育成方針を検討しています。具体的には、毎年、各部署で社員との面談を実施してキャリア設計やスキルアップに関する話し合いを行い、それをもとに個々のエンジニアの年間教育計画を策定しています。

中井:例えば、ネットワークエンジニアであれば、今年は「ネットワークの技術を更に掘り下げて新たな資格を取得する」とか、あるいは「サーバやデータベースなどの技術を学んで専門領域を広げていく」といった目標を設定します。

寺田:「先端技術LAB」を開設し、クラウドやモバイルをはじめとする最新技術に関して情報交換したり、実際に触ったりして学ぶことのできる環境を設けました。
また、選抜研修として、現場の課題を洗い出しコーチング指導する実践型のOJT研修や、日常と異なる環境下で仮想案件のシステム構築プロジェクトを疑似体験する育成プログラムなども実施しています。

藤沢:ITエンジニアというと、非常に忙しい仕事という印象がありますが、研修や自己啓発の時間は十分に確保できるのでしょうか?

西崎 学

西崎 学
製品・保守事業
推進本部長
シニアエグゼクティブ
エンジニア

西崎:各自アカウントを抱えて仕事をしていますから、どうしてもお客様の事情を優先させる必要があり、時間を捻出するのは簡単ではないと思います。しかし、本人に“やらされている”感覚があっては効果が期待できないので、スキルアップに対する一人ひとりの自主性、モチベーションを高めていくと同時に、制度的にサポートしていく必要があると考えています。

寺田:社内研修や外部セミナーへの参加はもちろんですが、日常的な自己啓発の時間をどこまで業務として認めていくかなどが大きな課題になると思います。今後、各部門の管理者とも話し合いながら、エンジニアがスキルアップのための時間を十分につくれるような制度づくりや組織風土を実現していきたいと考えています。

CTCの人材育成の基本的な考え方

CTCの人材育成の基本的な考え方

石川:やはり、時間的にも精神的にもある程度余裕といったものがないと、エンジニアとして成長するのは難しいのかなと思います。目の前の仕事をこなすだけで精一杯の状態では、新しいことにチャレンジしようという姿勢にはなれませんから。

藤沢:そんな心の余裕が、エンジニアに求められる想像力、イマジネーションを生み出すことにもなるのですね。

朝型勤務の推奨を通じて“働き方”への意識改革を推進

藤沢 久美 氏

藤沢 久美 氏
シンクタンク・ソフィアバンク 代表
法政大学ビジネススクール 客員教授

藤沢:仕事における余裕を生み出す取り組みの1つと理解してもよろしいのでしょうか、朝型勤務を推奨しているそうですね。

寺田:働き方に対する社員の意識改革を促すための試みとして、2013年12月から朝型勤務を推奨しています。9時前の早出勤務に対してインセンティブを支給する一方で夜は各オフィスとも20時でいったん消灯とし、20時以降に残業する場合は業務内容などを記載して申請してもらう仕組みにしました。

藤沢:IT業界といえば、深夜残業があたりまえとされてきましたから、非常に画期的な試みですね。導入後、どのような効果が表れていますか?

中井:実際、深夜残業はかなり減っていますね。社員へのアンケートでも「業務にメリハリがつくようになった」「短時間に集中して仕事ができるようになった」と好評です。

西崎:また、残業申請の内容を確認することで、部門全体の業務状況をこれまで以上に詳しく把握できるようになりました。

藤沢:それによって特定のプロジェクトメンバーに過度の負荷がかかっていることが分かれば、組織的にサポートしていくこともできますね。

寺田 育彦

寺田 育彦
執行役員
人事総務室長

寺田:実際に朝型勤務している人数はまだ多くはないのですが、最大の効果は、この制度の導入がきっかけになって、社員一人ひとりが仕事の時間の使い方を改めて考えるようなったことです。

中井:管理職も、自分の部下がどんな時間の使い方をしているかを、これまでよりも強く意識するようになったと思います。

寺田:こうした働き方の改革によってエンジニアの生産性向上を図り、時間的・精神的な余裕を生み出すのはもちろん、仕事の質や顧客満足の向上につなげていきたいと考えています。

グローバル競争の時代に向けてダイバーシティを加速

藤沢:少子化問題が深刻化する中で女性の活躍推進が大きな社会課題となっていますが、御社では、女性の能力活用やキャリア開発にどのように取り組んでいますか?

寺田:女性の能力活用が叫ばれる中、統計を見るとIT業界においては逆に女性管理職の数が減っているのが実情です。
CTCグループでも、これまで女性の活用に関して目立った成果を上げることができませんでしたが、ここにきて複数回産休・子育てを経験した女性の中から管理職になる人が現れています。まだ人数は少ないものの、こうした女性がメンターとなって若手・中堅の女性社員の相談に乗ることで、彼女たちが将来のキャリアを描けるようにしていきたい。もちろん私たち人事総務室も、女性が活躍しやすい職場環境や支援制度の整備などを通じてサポートしていくつもりです。

藤沢:女性の活躍をはじめとするダイバーシティの推進が求められている背景には、少子化以外にも、例えば、ビジネスの現場が日本人の男性ばかりになるとイノベーションが起こりにくくなるといった問題があると思うのですが、いかがでしょうか?

石川 智之

石川 智之
原子力・エンジニアリング部長
技監

石川:私もそれを実感しています。先頃、仕事でヨーロッパに行ってきたのですが、現地の企業では、男女を問わず色々な国籍の多様な人材が入り混じって働いています。
陸続きで歴史的に人の交流が盛んだった経緯もあるのでしょうが、それがあたりまえなのですね。

寺田:CTCグループでもシンガポールやマレーシアでは、社員の約半分は女性で、セールスマネージャーの半分以上は女性が務めています。今後、グループ間での人材交流を活発化していくことで、日本の組織・風土も自ずと変わっていくはずです。

石川:そうですね。これからは性別や国籍に関係なく、能力のある人材を世界から集めていかないとグローバルな競争に勝てなくなると思います。

次世代を担う子どもたちにコンピュータとの正しい向き合い方を伝える活動を

藤沢:本日、色々とお話を伺って、IT業界におけるエンジニアの仕事や求められる資質などが、大きく変わりつつあることがよく分かりました。次世代を担う子どもたちに対して、今、政府の成長戦略においても小学校でのプログラミング教育の導入などが検討されています。

寺田 育彦

中井 哲
情報通信事業グループ
担当役員補佐
シニアエグゼクティブ
エンジニア

中井:私たちが初めてコンピュータに触れた時代は、自分でプログラムを書いてマシンを動かすことからスタートしました。一方、現在のPCやタブレットは買ってきてすぐに色々なアプリやサービスを楽しめます。

石川:現在の若者・子どもたちにとってPCは既に出来上がった完成品なのです。だからどうしても接し方が受け身の姿勢になって、コンピュータが出した結果を疑うことなく、正しい情報として受け入れてしまう。自分でプログラムをつくって動かした経験があれば、完璧なプログラムはあり得ないし、コンピュータもエラーを起こすということを肌で理解できるので、コンピュータが出した解が本当に正しいかどうかを考える姿勢が身につくはずです。

藤沢:プログラミングのスキルそのものより、情報技術に対する基本的な接し方、考え方を子どもの頃からしっかり身につけていくことが、リテラシー向上につながるわけですね。業界のリーディングカンパニーとして、そうした子どもたちへの教育をサポートしていって欲しいと思います。

参加メンバー詳細

CTC

寺田 育彦

寺田 育彦

執行役員
人事総務室長

エンジニアリング・ソリューション営業部長を皮切りに、製造系システムの営業・本部長を経て、2004年執行役員に就任。人事部門は未経験ながら「現場感覚で新しい人事・教育制度をつくって欲しい」という経営トップの意向を受けて、2013年4月から人事総務室長を務めている。

石川 智之

石川 智之

原子力・エンジニアリング部長
技監

入社以来、主に放射線の挙動解析業務を担当。現在は、原子力分野における耐震構造、シビアアクシデント、地震・津波の影響などの安全評価をはじめ、防災関連のコンサルティング、エンジニアリングサービスなどを提供。原子力分野における解析技術の第一人者として、原子力関係の学会・委員会でも活動中。CTCに在籍する2名の技監の1人。

中井 哲

中井 哲

情報通信事業グループ 担当役員補佐
シニアエグゼクティブエンジニア

サーバシステム推進部などを経て、2000年に情報通信システム事業グループに異動し、2001年部長に就任。大手キャリアのインフラ構築、サービス系システム開発の責任者として、特に中規模~大規模システム構築のプロジェクトマネジメント、トラブル対応において多くの実績を持つ。2014年4月よりシニアエグゼクティブエンジニアに就任。

西崎 学

西崎 学

製品・保守事業推進本部長
シニアエグゼクティブエンジニア

主要コアベンダーのビジネス戦略やIT技術トレンドに精通し、特にサーバ、ストレージ、ネットワークといったITインフラ系製品・技術を中心としたマーケティング、技術支援において多くの経験と実績を持つ。
2014年4月よりシニアエグゼクティブエンジニアに就任。

外部有識者

藤沢 久美 氏

藤沢 久美 氏

シンクタンク・ソフィアバンク 代表
法政大学ビジネススクール 客員教授

経済や経営についての幅広い見識を持ち、現在はマスメディアとネットメディアの連携による新しい社会的事業の育成活動に取り組んでいる。情報通信審議会委員、内閣府新IT戦略会議専門評価委員など多くの公職を務める。

  • 記事内のデータや組織名、役職などは、2014年7月時点のものです。
トップに戻る