Best Engine vol.5
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20取材協力/チームセリザワ ゴルフアカデミー アマチュアゴルファーの中には、一生懸命練習しているのに、スコア面ではずっと足踏みを続けているという人がたくさんいます。それどころか、もう何年もゴルフを続けているのに、初心者が打つような大スライスや、大ダフリが、いまだに出てしまうという人もいるでしょう。そのように上達スピードが遅い人は、どうしたら上手くなれるのでしょうか。 よく「ひらめき」とか、「開眼」ということが、ある日突然起こって、それから一気に上手くなったというような体験談を耳にすることがあります。しかし私自身の経験でいうと、そんな風に、ある時から急に何かが上手くできるようになったということは、一度もありません。例えば、アマチュアゴルファーが練習中に、ものすごく感触のいい打球が出て、「あ、これだ!」と思うことは、よくあると思います。もし、次の練習の時、あるいは、その後のラウンドで、同じ感触の打球を繰り返し再現できるとしたら、それは、本物の「ひらめき」だったのかもしれません。ところが、現実には、次の練習どころか、その日の練習が終わる頃にはもう、その感触が「消えて」しまうということがほとんどではないでしょうか。再現できない「ひらめき」というのは、厳しい言い方をすれば、単なる「偶然」にすぎません。偶然、何かが1度できたからといって、それで次からも上手くいくという保証はどこにもないのです。 練習というのは、正しいやり方の積み重ねでなければ、絶対に上手くはな1959年生まれ 58歳 日本プロマッチプレー優勝(1996年)をはじめツアー通算5勝、シニア入りしてから1勝をマーク。現在、主宰として藤田寛之プロ、宮本勝昌プロらと共に「チームセリザワ」を結成。大箱根CCにゴルフアカデミーを開校。わかりやすいレッスンで多くのファンを持つ。りません。自己流で非効率的なやり方であっても、膨大な量の練習を重ねれば、その動きを反復できるようにはなりますが、それだと合理的なやり方で、たくさん練習した人にはどうやってもかなわないわけです。頑張って練習しているのに、なかなか上達しないという人は、どういうスイングをすれば、効率的に真っすぐ、遠くに飛ばせるかということを、あまり考えずに練習しているのではないでしょうか。 あるいは、「こういう風に振りたい」という理想形が、頭の中にはあるけれども、実際に体を動かしてみると、それとは全然違う動きになってしまうということも多いかもしれません。そういう人の場合、ゴルフ以外のスポーツ経験があれば、そのスポーツのイメージを使うことで、即座に正しいスイングの動きができるようになることがあります。トーナメントのプロアマ戦等で、私自ゴルフダイジェスト編集心に勝つための実戦ゴルフ学芹澤 信雄再現できない「ひらめき」「開眼」は単なる偶然でしかないどんなスポーツにもゴルフスイングのヒントはあるいくら練習してもゴルフがなかなか上達せずに「才能がないのでは」と思っている人も多いのではないでしょうか。ゴルフ上達には、練習はもちろん大切ですが、これまでのスポーツ経験を生かしたり、日常生活の中でスイングのフィーリングやリズムを身につけたりすることができるのです。クラブを振る練習だけではない、上達のヒントについてお話ししましょう。スポーツ経験や日常生活に上達のヒントがある

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