Best Engine vol.5
21/24

身、何度も経験しているのですが、野球経験者の場合、例えば、「左に引っ張る感覚で打ってみてください」と言うと、その途端にスライスが直ったりするわけです。あるいは、「『ライト打ち』がゴルフではいちばんよくないんですよ」と言うと、すぐに悪い動きの本質を理解して、自分でそれを修正できるようになる人も多いです。 フェース面のコントロールということでいうと、卓球やテニスの経験も、とても役に立つと思います。ゴルフはシャフトが長いので、「面」の感覚がつかみづらいのは確かですが、打ちたい方向に面を向けるという原理は、卓球やテニスと共通のものです。また、最近はサッカー経験者が増えていると思いますが、サッカーのイメージだって、ゴルフに生かせないことはないと思います。プレースキックで、ボールにカーブをかけたりするイメージは、まさにインテンショナルフックやスライスと同じですし、インフロントキック(トウを真っすぐに当てて蹴るキック)で、ボールを低く蹴ったり、高く蹴ったりするイメージも、ゴルフで高さをコントロールする感じに似ていますから。 総じて言うと、ゴルフ以外のスポーツ経験がたくさんある人のほうが、スイングの動きを理解して、それを体で表現する力は高いです。 ゴルフだけしかスポーツをしたことがなくて、なかなか上達しなくて悩んでいるという人は、例えば、バッティングセンターに行って、動いているボールを打ってみるのもいいかもしれません。飛んでくるボールに、「反応して」動かなければいけないので、構えて、テークバックして、打つ、というリズムが身につくというのが、この方法のいいところです。ゴルフでミスが多い人は、ほぼ例外なくスイングのリズムが悪いですし、調子が良かったのに、急にミスが連発するという場合、大抵は、リズムが乱れて、早くなったり遅くなったりということが原因だったりします。 ラウンド中のリズムを一定に保つカギは、「歩くスピード」を一定にすることです。アマチュアの方のプレーを見ていると、ミスした直後に急に歩くのが速くなる人が多いようです。あるいは、ミスに落ち込んで、逆にものすごく歩くのが遅くなる人もいます。ミスの連鎖を引き起こさないという点でいうと、どちらもよくありません。歩くスピードを保つというのは、自分の意志でリズムを作っていくということでもあります。普段の生活でも、一定の速度で歩くということを意識していると、プレー中もリズムが崩れにくくなるはずです。 最後に、自宅でもできる、毎日やれば必ず上達する練習法をお教えします。それは、ゴムホースのような柔らかいものを、ゆらーん、ゆらーんと、リズム良く振ることです。バスタオルの先を縛って振るのでもいいでしょう。上体の脱力や、下半身からの始動といった、スイングの基礎中の基礎の部分が自然に身につきますので、ぜひ試してみてください。ふじた・ひかり/1994年生まれ。3歳から父の教えでゴルフを始め、2013年にプロテストに合格。その後、LPGA新人戦 加賀電子カップでプロ初優勝、2015年にはレギュラー試合で念願の初優勝を果たしている。 こんにちは、藤田光里です。まだまだ寒い毎日ですがゴルフ楽しんでますか?今回は冬のラウンドでのアドバイスです。 スタート前に身体を温める簡単な方法はジャンプです。着込むよりも身体の内側から温めることにも役立ちます。また、カートに乗らず「きびきび」歩いてラウンドしましょう。なるべく止まらず特に下半身を動かすことが大事です。 ドライバーはシャフトが硬くなるので柔らかめで軽めの方が楽にスイングでき、力み防止にもなります。アイアンショットは身体が温まるまで番手を上げて無理せずクォータースイング。アプローチは転がしをおすすめします。ハザード越え等でウェッジを使う際はローバウンスにしておくと芝が薄いライでザックリのミスを防ぐことができます。パッティングは午前中グリーンが凍っていたり、濡れていたりで重たくても、午後晴れるとあっという間に乾燥して速いグリーンになります。距離感に注意してください。 冬のラウンドは状況を把握してやさしいプレーをすることがスコアアップにつながります。21CTCが応援する女子プロゴルファー藤田光里プロからメッセージバッティングセンターでボールを打つ、歩測を一定にしてリズムをつかむ

元のページ  ../index.html#21

このブックを見る