Yahoo! JAPAN米国現地法人ActapioへのOCP提供を拡大

AI・ビッグデータ基盤として、GPU搭載サーバを含めて約3,000台を導入

PDF(207KB)

2020年10月30日 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
ITOCHU Techno-Solutions America, Inc.

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(代表取締役社長:柘植 一郎、本社:東京都千代田区、略称:CTC)とITOCHU Techno-Solutions America, Inc.(President & CEO:藤岡 良樹、本社:米国カリフォルニア州、以下:CTCアメリカ)は、ヤフー株式会社(以下:Yahoo! JAPAN)の米国現地法人Actapio, Inc.※1のデータセンターで稼働する大規模なAI・ビッグデータ基盤を、エネルギー消費効率と運用性の高いOpen Compute Project(以下:OCP)※2仕様で構築しました。

Yahoo! JAPANでは、2015年以降、Actapioが運用する米国ワシントン州のデータセンターにおいて、当地の安価な電気代を活かし運用費の削減を図るとともに、同社のAI・ビッグデータ基盤にOCPを採用し、運用効率の向上を実現してきました。2019年には米国で2つ目のデータセンターを設立し、引き続きOCP仕様に基づいた製品でシステムを構築しています。今回の拡張では、AI(機械学習)向けのNVIDIA社V100 GPU搭載サーバを含め、約3,000台(100ラック強)のサーバをCTCアメリカから導入しました。

2020年初頭から本格化した新型コロナウィルス感染症の影響で北米・アジア各国にわたる製造・流通のサプライチェーンが混乱する中、3月から開始した本プロジェクトでは、Actapio、CTCアメリカ、OEM/ODM(Original Equipment Manufacturer/Original Design Manufacturer)※3、パーツメーカーが協力してリスク対応体制を構築しました。OCPの特徴を活かし採用パーツの標準化で競争力ある調達を実現したことに加えて、ボードやファン、CPU、メモリなど、サーバ内蔵パーツに至る約10万点のサプライチェーンを可視化・管理しました。国や地域ごとに変化する情勢とそれによる生産・物流への影響を把握し、潜在リスクへの対応を実施して9月に導入を完了しました。

CTCアメリカでは、2013年以降続くFacebookとのOCPへの取り組み、各種プロジェクトでの対応を通じ、導入プロセスの継続的改善を行っています。今回のプロジェクトでも、蓄積した標準化と自動化のノウハウを活用し、構築パートナーの分散化によるリスクヘッジと併せて、品質確保の両立を実現しました。

Actapioは、更なる運用技術の高度化と事業成長へ向けて、Cloud Native※4を含めた周辺オープンコミュニティとの取り組みも積極的に推進しています。今後も、CTCグループは総合力を活かし、Yahoo! JAPAN、Actapioのパートナーとして様々な課題に共に取り組み、サービスにおける品質向上と付加価値の創造に貢献していきます。

今回の発表にあたり、以下のコメントを頂いています。

新型コロナウィルス感染症でサプライチェーンが混沌とする3月にOCPサーバ導入のプロセスが開始されました。サーバ、および、パーツの生産工場は世界中に分散しているためスケジュール遅延は容易に想像できましたが、CTCアメリカを中心にプロジェクト参画メーカによる積極的な情報開示が実施されたことにより、後続プロセスの組み替えを迅速に行うことが可能となり、1日も遅れることなく導入を完了することができました。OCPでは日頃からパーツメーカーなどとオープンな関係でプロジェクトを進めています。OCPでなければここまで透明性のある導入プロセスを実施することができなかったと考えています。

Actapio, Inc. CEO & President 松谷憲文

ActapioによるOCPへの取り組み

Actapioは、Facebookらが主導するOCPコミュニティにおいて、常に最先端で且つ大規模なOCP導入を実現し、運用ノウハウを蓄積しています。Open Compute Summit等での講演を通じ、OCPがもたらす価値と導入効果を発表するなど、そのリーダーシップを発揮してきました。また、19インチラックでのOCP利用を可能にするラックマウントキット開発への貢献など、コミュニティの発展にも協力しています。

CTC/CTCアメリカのOCPへの取り組み

CTCとCTCアメリカは、Facebookをはじめとした「ハイパースケール」と呼ばれる大規模なITインフラを運用する事業者のOCPへの取り組みを参考に、OCP導入前の技術検討、検証支援を通じ、企業のOCP導入を継続して支援してきました。また、OCP仕様のサーバ、ストレージなどを製造しているODM各社や関連ベンダーと協力して、競争力のある機器調達を実現すると共に、ラックレベルの構築および保守サポートまでをトータルで提供しています。Actapioを含めたお客様やパートナーと共に、継続してオープンソースエコシステムに対する取り組みを強化し、更なる事業展開拡大を図ります。

  • ※1 Actapio, Inc. :2017年9月にYJ America, IncはActapio, Inc.へ社名変更しています。
  • ※2 OCP:Facebookを含めた大規模ITのユーザー企業が主体となり、ユーザー視点での要件を組み込んで、データセンターに最適なハードウェアを設計するプロジェクト。Facebookが自社データセンター・サーバインフラ高効率化のために設計したものをオープン化したことが起源。CTCは、2013年に運営団体「Open Compute Project Foundation」と国内で初めて認定Solution Provider契約を締結しました。
  • ※3 OEM(Original Equipment Manufacturer):発注元の設計や仕様に基づき製品を製造する企業。 ODM(Original Design Manufacturer):発注元企業のブランド名で設計から製造までを手がける企業。
  • ※4 Cloud Native:コンテナオーケストレーションを実現するKubernetesのオープンソース化と共に、本格的に普及が始まったアプリケーション開発と運用高度化に関わるアプローチの総称。Cloud Native Computing Foundation(CNCF)が推進しており、全世界で数百社が参画。主にコンテナ、マイクロサービス、オーケストレーションに関わるオープンソースプロジェクトの普及を含めた各種取り組みが進んでいる。

報道機関からのお問い合わせ先

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
広報部

E-mail:press@ctc-g.co.jp

Webフォームからのお問い合わせ新しいウィンドウで開く

現在掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。

  • このページについてツイッターでツイート(新しいウィンドウで開く)
  • このページをフェイスブックでシェア(新しいウィンドウで開く)