イベント・レポート

CTC Forum 2017 講演

デジタルイノベーション戦略により真のグローバル企業実現を目指す
~ITインフラの共通化/共有化で強固な情報基盤を構築~

更新

IT戦略を支える「所有から利用」「個別最適から全体最適」「縦軸から横串」「受け身から主体的」という4つのキーワード

  • 情報通信/放送
  • 製造
  • 流通/運輸
  • 金融/保険
  • 公共/公益
開催日
主催
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
講演
TOTO株式会社
TOTO株式会社 情報企画本部 情報企画部 商品開発IT支援グループ 若林 貴伸氏

TOTO株式会社 情報企画本部 情報企画部 商品開発IT支援グループ 若林 貴伸氏

2009年、TOTOグループは創立100周年を迎える本年2017年に向けて“真のグローバル企業”の実現を目指す長期経営計画「TOTO Vプラン2017」を策定し、さまざまな事業革新活動に取り組んできました。その中で情報システム部門は、TOTOグループ全体のITの仕組みを最適化するために、これまで事業部ごとに構築していたITインフラの共通化/共有化を実現し、強固な情報基盤を構築するというIT戦略を推進してきました。

TOTOグループのIT戦略は「所有から利用」「個別最適から全体最適」「縦軸から横串」「受け身から主体的」という4つのキーワードに基づいた取り組みから展開しています。

まず「所有から利用」を実現するために、グループ全体にある物理サーバのクラウド化に着手しました。販売/物流などの基幹システムと生産管理システム、ファイル共有、メールや電話といったコミュニケーション系など、制御・設備系を除く約8割のサーバをクラウド利用に切り替えました。

「個別最適から全体最適」の実現に向けては、各事業部門単位で個別に導入しコストが肥大化していたCADや図庫を共通化するとともに、商品企画から設計、試作などの商品開発プロジェクト全体を一貫して支援するシステムの開発に取り組みました。強みのある機能を社内で熟成しながら、汎用的な機能はパッケージを活用するなど、ライセンスや利用ベンダーの整理/統合とコスト管理を進めた結果、システムの安定化、コスト削減、将来へ向けた基盤の共通化を達成。開発リードタイムの短縮と品質向上といった効果が期待でき、改革への柔軟な対応も可能となっています。

「縦軸から横串」では、情報システム部門も含めた保守体制を大きく変更。これまでの運用保守はアプリケーション単位で実施していたため、サービスレベルや業務負荷、作業手順書の精度/粒度にバラつきが発生するという課題がありました。そこで保守体制も横串を刺すことにし、システム構築の段階から保守チームも参画して運用設計を行うという一括保守の体制に変えました。

さらにITガバナンスを有効にするには、情報システム部門が「受け身から主体的」に行動する必要があります。そこで各事業部門のリソースを管理し、情報システム部門が横串部門として、各事業部門間を調整して業務をパッケージに合わせるのか、あるいは業務をスクラッチに盛り込むのかという判断を行うことにしました。

こうしたIT戦略を推進してきたTOTOグループでは現在、市場投入のスピードアップによってグローバルの競争力を向上させるために、デジタルイノベーション活動を進めています。日本のデマンドチェーン革新をグローバルにも展開し、デザインから開発/調達/生産に至るまで3Dデジタルデータを活用した「ものづくりのデジタル化」を実現しようという取り組みです。

日本で商品のコアとなる新しい技術を開発し、海外拠点では地域ごとの規格/デザインに対応します。海外拠点との情報共有や協調を実現しながら商品開発を行うことで、開発効率や設計製造品質の向上を見込んでいます。

今後は商品開発の3Dモデルを商品情報に変換し、さらに商品を設置する空間提案まで、多様なツールを連携して利用できる基盤づくりを進めていく計画です。

他講演レポート

2017年10月13日開催「CTC Forum 2017」の他講演レポートは、下記のリンクからご覧ください。

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