Eye's on IT

ニュースに学ぶIT処方箋

 
2007年11月6日
人力で検索は進化する
 

検索エンジンの網羅する範囲が広がれば広がるほど、なかなか欲しい情報にたどり着かない、という苦情を聞くようになった。

米J.D. Power and Associatesが10月17日にリリースした「2007年家庭におけるオンライン・サービス顧客満足度調査」によると、検索エンジンの満足度は、グーグルを引き離してDogpileが2年連続トップだった。Dogpileはメタサーチ・エンジンと呼ばれるサービスで、グーグル、ヤフー、マイクロソフトなど異なる検索エンジンの結果をワンストップで提供している。従来、検索は「ロボット型」が主流であり、キーワードでヒットするサイトをリンクされる数に従って並べると、必ずしもそのサイトの信頼性や正確性を反映していないことがある。そのため、信頼性を人手でランク付けした「ディレクトリ型」検索の良さを見直す動きも出てきている。

また人力で補おうとする動きは、Webサイトに限らず、検索のもとになるデータベースにも波及している。日本の場合、医療機関のデータベースは、全国15万件の医療機関をカバーするウェルネスが「Yahoo!ヘルスケア」など30サイトに提供しているが、直接病院に問い合わせ、病院の基礎情報だけでなく医師の人数や専門医の有無に至るまで調査している。また、書籍データベースでは図書館流通センターTRCがシェアを拡大中で、データの精度を高めるために人手でデータチェックを定期的に行っている。さらに地図情報ならゼンリンと、これらのデータベースは人力でのリサーチと入力を欠かさず、精度と詳細さを維持しているという。

今、Web上の情報が爆発的に増え続けている一方で、人力によるサイトの意味づけを加味した検索方法と、人力による検索データベースの充実化の動きが顕著になってきた。これは、検索利用者が期待する結果の「品質」に変化が生じてきたからではないのだろうか?今では求める情報は「網羅」から、より正確で詳細な「深度」に、検索する側の意識が変化してきていると言えよう。

<IT処方箋>

情報の洪水と言われながら、なお詳細で深い情報を求め続けるネット社会。欲しい情報をデータベース化しなければITが利用できないなら、人力をもっと活用することも必要だ。人力で検索は進化する。一見、時代に逆行する人海戦術、まだまだIT社会にも通用するのは、皮肉なことだろうか。データの深度を高めて、ITに活用していく視点が求められている。

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