Eye's on IT

ITトリビア

 
2007年11月13日
ウイルスの古今東西
 

フィッシングやウィニーによる被害に比べると、最近コンピュータウイルスの話題をあまり耳にしなくなった。死滅したのかと思いきや、決してそんなことはない。経済の発展とともにITの普及が目覚しい中国では、最近になって「トロイの木馬」型の新種が発見された。システムを破壊する従来型と異なり、アカウントなどの個人情報まで盗み出してしまうという。

そもそも世界初のウイルスは、1986年にパキスタンのプログラマーが作成したものだった。堂々と自分が経営する会社名「Brain(ブレイン)」をウイルスに命名し、ワクチンを入手するための連絡先も明記してあったという。ウイルスを作った意図は、自社が作成したソフトを不正コピーされることに腹を立て、不正利用を警告するためのもので、データ破壊などの悪質行為が目的ではなかった。

「ブレイン」以来、さまざまなウイルスが登場し、現在では数万種類が蔓延している。その膨大な数のウイルスの名前については、作成した犯人ではなく、実は発見したウイルス対策の専門家が名付け親となっている。たとえば、2001年9月にインターネット上で猛威を振るった「ニムダ(Nimda)」というウイルスは、スペルを反対から読むと「admin」となる。これは「administrator(管理人)」という意味で、このウイルスの蔓延によってシステム管理者たちが激怒するだろうとフィンランドのFセキュア社の研究者が命名したものだった。

最近は、パソコンではなく携帯電話に感染するウイルスも現れている。ロシアのセキュリティ企業が2004年6月、携帯電話のBluetooth機能経由で近隣の端末を探して感染を広げる世界初のウイルス「Cabir」を発見したと発表した。以来、現在までCabirウイルスの亜種が複数登場している。

一方、コンピュータウイルスと生物である病原体ウイルスとの区別が付かず、コンピュータから人間に病原体が感染すると勘違いされることがある。2007年4月にはパキスタンとアフガニスタンで、携帯電話から致死性ウイルスが感染するという噂が広まってパニックとなり、政府が沈静化のために声明を発表する事態となった。

コンピュータウイルスしかり、病原体ウイルスしかり、憎まれっ子はいつまでたっても世にはばかるものなのだろうか。

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