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CTCスーパーエンジニア対談企画『NEXT One』テクノロジーリーダーが集う、明日への提言

第2回「仮想化技術によるプラットフォームの最適化」

~企業システムの現状の課題への提言~

仮想化成功の為のポイント

今津 : 

では、実際に仮想化を成功させるには、どのような要件に配慮する必要があるのでしょうか?

 
市川 : 

まずは自社の仮想化の目的を明確にすることが最も重要です。
仮想化によって、管理者の最適配置などが可能になるメリットはありますが、運用管理や運用コストが必ずしも低減するとは限りません。
最も留意しなければならないのは、仮想化によりどのような効果を期待するのかといった、目的設定、事前のアセスメントです。情報システム投資におけるきちんとした目標を立てることが成功のカギなのです。そのためのリソースが自社になければ、我々CTCのようなSIerをぜひうまく利用してほしいと思います。
これまでの仮想化の取り組みの例では、6台分のサーバを1台に集約し、その結果運用管理の改善が実現できたお客様がいらっしゃいました。この場合も、きちんとした目的、ゴールの明確化などを行った上で効果をあげました。
“仮想化への取り組みは予算が取りやすい”などの相談を受けることもありますが、目的が曖昧ではせっかくの効果も期待できないことを認識しなければなりません。

 
志波 : 

お客様にとっては、システムを決定するにあたり品質(SLA:Service Level Agreement)、コストパフォーマンスや競争力のあるサービス内容が一番の関心事であることは変わりません。また、規模、サービスによっては必ずしも仮想化が有効でない場合もあります。お客様の中には、サービスドメインごとに同一のプラットフォームで統一化し、運用保守や、管理面での負荷を下げ、OPEXを低減する検討を進められている企業もあります。
また、アプリケーションレベルでの仮想化の取り組みはすでに多く行われていますが、サーバプラットフォームの仮想化は必要ない場合もあります。特にコストリダクションを重視した情報システム投資をお考えの場合は仮想化技術のFS(Feasibility Study)を十分に行い、実証実験結果から十二分なアセスメントの実施をお薦めします。CAPEX(設備投資)は低減されてもOPEXが上昇し結果的にコストリダクションが実現できなければ本末転倒ですから、システムの規模、仕様によって判断すべきだと考えます。

 
杵島 : 

仮想化の最大のメリットは、やはり柔軟性と拡張性です。必要に応じてシステムを増設することが容易です。ビジネス環境の変化に伴った拡張にはとても有効だと思います。
そのためには、戦略的IT投資の観点から、ビジョンと明確なゴールを持って仮想化に取り組めば、従来よりもシステムの導入期間を大幅に短縮化することが可能ですし、人的リソースも最小限にすることができる可能性があります。
しかし、仮想化における、もっとも大きな誤解が2点あります。ひとつ目は、仮想化によってサーバが集約され “サーバがなくなる”という勘違い、もうひとつは“運用が楽になる”という思い込みです。
ひとつ目については、たしかに仮想化により物理的なサーバは“少なく”または“目に見えなく”なります。ユーザーから見た複雑性が減少し、物理的にはメリットが得られます。しかしこれは諸刃の剣で、極端に言えば仮想化されているサーバは、オペレーションのミスで消えてしまうというような危険性もあるわけです。
また、運用面では、過去、単純にネットワーク、ストレージなどを増やしてきたシステムは、一見複雑で管理が煩雑に感じられますが、物理的に目で見ればわかるという点はメリットです。逆に、仮想化を実現した結果、実際には目で見ることが困難ですので、従来の運用・監視・管理の方法ではうまくいきません。また、仮想化によってシステム内部の複雑性が増してしまうこともあります。これによってパフォーマンスが低下したり、障害の発生率が高まるリスクが生じます。仮想化を採用する場合はこれらのメリットとデメリットのトレードオフを決める必要があります。こうした懸案への対策を講じておくことで、仮想化のメリットを享受できるというわけです。

 
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