事例

全日本空輸株式会社 様

更新

「ANA SKY WEB」をクラウド化し、カスタマー・エクスペリエンス(顧客体験価値)向上の柱に

所有から利用への方向転換をCTCの技術と手厚いサポートが支えてくれた

全日本空輸株式会社(以下ANA)は、自前で構築していたインターネット予約サイト「ANA SKY WEB(以下ASW)」(URL: http://www.ana.co.jp/)を、クラウド化した。クラウド化といっても様々なモデルがあるが、ANAが選択したのは、CTCがプライベートクラウドとして構築したシステムを、利用量に応じた従量課金モデルとして利用するというもの。この大きな方向転換には、単なる予約サイトにとどまらない大きな狙いがあった。

課題と効果

課題
  • 発売ピーク時のボトルネックの解消
  • 安定したシステム基盤の確立
  • 今後の更なるWebビジネスの拡大
  • ITコストの構造改革
  • 進化するモバイル環境を活用した顧客サービスの拡大

サービス型のプライベートクラウドを構築

効果
  • 性能課題の解消
  • 高品質・高可用性の確保
  • 今後のビジネス変化に対する拡張性・柔軟性の確保
  • 利用状況によるIT費用の変動化の実現
  • カスタマー・エクスペリエンス(顧客体験価値)向上

導入事例インタビューデータ

会社名
全日本空輸株式会社
所在地
〒105-7133 東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター
発足
2012年4月2日
資本金
250億円(2014年4月1日現在)
従業員
12,416名(2014年3月31日現在)
URL
https://www.ana.co.jp/新しいウィンドウで開く
  • 全日本空輸株式会社 業務プロセス改革室 ITサービス推進部 国内旅客チーム 主席部員 上川 陽一氏

    全日本空輸株式会社

    業務プロセス改革室
    ITサービス推進部
    国内旅客チーム
    主席部員

    上川 陽一 氏

  • ANAシステムズ株式会社 WEBシステム部 第二チーム マネージャー 鈴木 敦之氏

    ANAシステムズ株式会社

    WEBシステム部
    第二チーム
    マネージャー

    鈴木 敦之 氏

導入背景

ANA最大の販売チャネル「ANA SKY Web」

ASWは、1日の訪問者数約60万人、年間販売額約4,500億円にのぼり、単体企業のECサイトとしては日本最大クラスのサイトである。最大クラスならではの悩みは、混雑。年末年始や、『旅割』のような一斉発売を行う時期は、訪問者数が集中し通常の10倍に。処理限界を超えた場合は、お客様に再試行をお願いするケースもあったという。また、格安航空会社の台頭に伴い激化するグローバルレベルでの闘いに打ち勝つため、コスト改革、サービス改革による競争力強化も重要テーマ。カスタマー・エクスペリエンス(顧客体験価値)向上を競争力強化の源泉と位置づける同社は、ASWを空港受付カウンターやコールセンターと同様に、重要な顧客接点と考えていた。

システム概要

ASWは、インターネット上で、国内外の航空券予約・購入、空席・運賃の照会、予約変更、解約、払い戻しなどの搭乗手続きを行うサービスである。CTCはこれまでに培ったマルチベンダー環境でのシステム構築の経験をフルに発揮し、HPのクラウドアプライアンスやOracleの超高速データ処理用ミドルウェア、VMwareの仮想化ソフトウェアなど複数のベンダー製品を組み合わせ、十分なパフォーマンスと24時間365日稼働する可用性を有したシステムをプライベートクラウド環境に構築した。システムの特徴は5つである。

  1. サービス型のプライベートクラウドで、柔軟なシステムリソースの変更に連動した従量料金による課金
  2. 「HP BladeSystem Matrix(現HP CloudSystem Matrix)」でサービス提供サーバの効率的な運用管理を実現
  3. 「VMware Vsphere」で仮想化によるリソースの有効活用と堅牢なシステムの基盤を実現
  4. 「Oracle Coherence」で超高速データ処理を実現
  5. 「Autonomy InterWoven TeamSite(現HP TeamSite)」でWebコンテンツの急増と頻繁な変更に対応

導入効果

「『旅割』など運賃が割引きとなる航空券を一斉販売する時期は、ピーク時のトランザクションが1,000件/秒以上。それでも通常時と同じパフォーマンスが維持できるようになりました。これまでに比べて空席照会のレスポンスが早いとお客様からの評価もいただいています。」とANAシステムズ株式会社のWEBシステム部 第二チーム マネージャーの鈴木 敦之氏は語る。性能向上に合わせ、今まで1日ごとの表示であった空席状況を複数の日付をカレンダー表示にしてリアルタイムで一望できるようにしたこともお客様から好評を集めている。「7月からはメールサービスを連動させました。欠航や遅延などの情報をお客様にタイムリーにお伝えして、迅速に次のアクションができるようお役立ていただいています。」と新たに加えたサービスについて語るのは、全日本空輸株式会社 業務プロセス改革室 ITサービス推進部 国内旅客チーム 主席部員の上川 陽一氏。同氏はまた「クラウドに移行したことで、個別に動いていたシステムを集約でき、それぞれのセキュリティ環境を同一レベルに保つのが容易になりました。」と安全面での効果も評価された。

今後の展望

メールサービスに続けてマイレージサービスなど他のシステムもクラウドに集約していくことが今後の大事なミッションである。予約という単なる点のつながりではなく、予約し、飛行機に乗って、降りて、そして次に乗る日まで、お客様と面でつながれる魅力にあふれたサイトへ。カスタマー・エクスペリエンス向上に向けASWの果たす役割はますます大きくなっていく。「導入に携わった方が今でも窓口でいてくれるから、当初からのナレッジが維持でき、スピーディに問題解決ができる。定期的に勉強会を開いて最新技術動向を共有し、今後のサービスにどう役立てるかを共に議論もできる。」と鈴木氏。「クラウド力のあるCTCに頼んだことで先進的かつ安定したクラウドを構築できた。今後ASWをどんどん大きくしていきたいが、課題も多い。この課題を共有・共感して、これからも一緒に新しいことを実現していきたい」と上川氏。CTCとの強いパートナーシップに大きな期待を寄せられている。

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