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事例・レポート

事例

ビッグデータ基盤を構築して金融犯罪を防止

株式会社三菱東京UFJ銀行 様

会社名
株式会社三菱東京UFJ銀行
所在地
東京都千代田区丸の内二丁目7番1号
設立
1919年(大正8年)8月15日
資本金
17,119億円(平成25年3月末、単体)
URL
http://www.bk.mufg.jp/

「CTCにはソリューション選定やインフラ構築を支援いただきました」

振り込め詐欺やマネーローンダリングなど、金融犯罪の防止に努めることは、金融機関の義務であり必須の業務である。この分野において、先進的な取り組みで知られているのが三菱東京UFJ銀行だ。同行はマネーローンダリング対策システムを構築し、国内外の諸規制に確実に対応してきたが、取引量が増加してきたことから、システムの処理時間が膨らみ、日常業務に影響を与えるようになってきた。そこで着目したのがビッグデータ基盤であった。担当部門では、ビッグデータ基盤を中立的な立場で評価をするため、CTCに協力を依頼。データウェアハウス(DWH)アプライアンスを導入し、データ処理時間を半減するなどの効果を上げている。

株式会社 三菱東京UFJ銀行 システム部 グローバルバンキンググループ チームリーダー 嶋﨑 徹夫 氏

株式会社 三菱東京UFJ銀行 システム部 グローバルバンキンググループ チームリーダー
嶋﨑 徹夫 氏

株式会社 三菱東京UFJ銀行 システム部 グローバルバンキンググループ  調査役 関 瑞穂 氏

株式会社 三菱東京UFJ銀行 システム部 グローバルバンキンググループ 調査役
関 瑞穂 氏

三菱UFJインフォメーションテクノロジー株式会社 グローバルバンキング部 グローバル情報課 池田 健輔 氏

三菱UFJインフォメーションテクノロジー株式会社 グローバルバンキング部 グローバル情報課
池田 健輔 氏

導入背景

三菱東京UFJ銀行の金融犯罪防止への取り組み

日本を代表するメガバンク、三菱東京UFJ銀行。三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下の都市銀行であり、国内支店は約800支店、海外は70数拠点に及ぶ。「世界に選ばれる、信頼のグローバル金融グループ」を目指して、世界各国において幅広い銀行サービスを提供している。

金融機関の務めとして、早くから金融犯罪の防止にも取り組んできた。「マネーローンダリング防止のため、万全の体制で取引をモニタリングし、必要な取引は当局に報告するなど、金融犯罪の防止に全力を挙げて取り組んでいます」と、三菱東京UFJ銀行 システム部 グローバルバンキンググループ チームリーダー 嶋﨑 徹夫 氏は強調する。

マネーローンダリングとは「資金洗浄」のことで、テロ資金や麻薬などの犯罪行為で得た不正資金の出所を隠蔽させる行為のことである。悪質な組織犯罪撲滅のため、世界的な摘発と防止の強化が進められている。

対策システムの処理時間が課題に

同行ではマネーローンダリング対策システムを構築し取引を精査してきたが、その日次バッチ処理時間が課題となってきた。取引口座数は膨大であり、法改正により当局から求められる精査項目も増えている。更にAML(Anti Money Laundering)のリスク判定を行う処理も追加した。「オンライン終了後、日次バッチ処理の完了には明け方までかかり、この処理時間の長さが課題として指摘されるようになってきました」と、システム部 グローバルバンキンググループ 調査役 関 瑞穂 氏は説明する。処理が正常終了すればいいが、障害が発生して再処理をすることになると、AML分析業務などの通常業務にも影響を与えてしまう。

同行では処理をする取引やAML情報を、差分だけにするなどの対策をとってきたが、それも限界が見えてきた。「処理を複雑にするとリカバリなど運用上のリスクが発生します。シンプルなまま高速化させるため、注目したのがビッグデータの処理基盤でした」(関氏)。

具体的にはビッグデータ対応の分散データベースあるいはDWHアプライアンスを導入して、処理時間の短縮を検討することにした。「現状使用しているRDBは一定のトランザクションを超えると、いきなり処理速度が低下し、最悪の場合は停止してしまうこともしばしばありました。処理量と処理時間が比例していないのです。しかしビッグデータ基盤であれば、この相関関係をある程度予想できるのではないかと期待しました」と、三菱UFJインフォメーションテクノロジー グローバルバンキング部 グローバル情報課 池田 健輔 氏も語る。

課題と期待効果

課題と期待効果

課題と期待効果

システム概要

ソリューションの評価をCTCが協力

国内で入手可能な分散データベースやDWHアプライアンスをリスト化していったが、ここで新たな課題が浮かび上がった。「我々は業務やアプリケーションサイドのスタッフです。更にビッグデータは初めての取り組みでした。取引のあるパートナーも限られており、慎重に進めることにしました。これもあって中立的な立場でソリューション評価をお願いできるところを探しました」と嶋﨑氏は振り返る。そんなときに他部門から紹介されたのがCTCであった。「独立系SIerでマルチベンダー対応のため、候補となった製品全てに実績がありました。そこで、ソリューション選定のアドバイスや導入のコンサルをお願いすることにしました」(嶋﨑氏)。CTCはビッグデータの活用に関心を持つお客さま企業を対象とした検証施設「Big Data Processing Lab」も開設している。

DWHアプライアンスを採用

CTCは銀行のスタッフとして数社のパートナーから提案書を受け取り、その企業特有の表現を統一したり、性能やコストを客観的に評価するなど、銀行側と協力して選定を進めていった。

この選定と検証に半年ほどかけ、最終的に決定したのがDWHアプライアンスであった。

「幅広い指標で評価しましたが、選択の決め手になったのは処理速度と価格です。更にシンプルな構成で、チューニングレスであることも気に入っています。メンテナンスが楽なのです。メンテナンスのしやすさは運用コスト削減にもつながります」と、選定の理由を池田氏は語る。CTCはソリューション選定のみならず、その後のインフラ構築にも参加した。

導入効果

データ処理の時間を半減

ビッグデータ基盤は2013年3月から稼働を開始した。「導入ステップ1ではマネーローンダリング対策システムの一部処理をDWHアプライアンスで行っていますが、処理時間を半減することができました」と、導入の効果を関氏は語る。DWHアプライアンスはデータのロード時間が早いため、仮にトラブルが発生したとしても充分なリカバリ時間を確保できるようになった。また、稼働後新システムのトラブルはなく、予想以上の信頼性であると語る。

池田氏も「AMLリスク評価の評価軸を変更する際のテストでは、大量のデータ処理が必要となります。この処理に従来2時間半程度かかっていましたが、これが1時間もかからずに終了できるようになりました。処理が大量であればあるほど大きな効果が得られるようです」と語る。当初の目的であった日次処理はもちろん、評価軸変更の際のテスト時間も短縮でき、運用が楽になったと好評だ。「従来であればこれらテストは夜間に実施していましたが、通常の勤務時間内に、しかも複数回できるようになりました」と池田氏は微笑む。

従来のSQLコードをほぼそのまま使える点も評価されている。「SQLコードの書き換えに時間をとられずに済みました。CTCからDWHアプライアンス用のSQLコード書き換え用のTips集をいただきました」(池田氏)

今後の展望

金融犯罪の早期発見や未然防止を目指す

CTCは今回のインフラ構築以降も、引き続き新たなプロジェクトに参加し、同行を支援している。

同行では毎分数万件もの取引が発生しているが、その精査には現状タイムラグがある。「このタイムラグをなくし、よりリアルタイムに近づけるのがゴールです。そしてマネーローンダリングの早期発見や犯罪被害抑止に寄与したいと思います」と、嶋﨑氏は抱負を語る。

用語解説

DWHアプライアンス
データウェアハウスの機能をハードウェア込みでオールインワンにパッケージングしたソリューション。

掲載日:2014年1月17日

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