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事例・レポート

事例

高度なセキュリティと利便性の向上を同時に実現した情報インフラを構築

自社導入事例

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 情報システム部 部長 小林雅弘

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 情報システム部 部長
小林雅弘

伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、顧客へより良いサービスを提供し、より効率化を推進することを目的とした経営改革プロジェクトの一環として、分散していた8つの主要オフィスを霞が関ビルに統合した。その際、情報インフラの見直しも合わせて実施することとなった。このとき構築されたのが、従来のワークスタイルを大きく変革する情報インフラeWork@CTC(イーワーク・アット・シーティーシー)である。eWork@CTCは、IT企業に不可欠なセキュアな環境と利便性を最大限に発揮できる環境を同時に実現している。

導入背景

オフィス統合にともなう新しい情報インフラの構築

CTCでは、個人情報保護法の完全施行や、e文書法施行など法制度の整備に伴い、情報セキュリティを抜本的に見直したオフィス環境が求められていた。しかし、従来のPC環境を継続したままで行われたPCの持ち出し禁止や個別のPCに対するセキュリティ対策は、コスト増と業務効率の悪化を招く結果となっていたという。

顧客企業により良いサービスを提供し、業務の効率化・生産性向上を目的とした経営改革プロジェクトを推し進めていたCTCは、その一環として東京地区に分散していたオフィスを統合することを決定。これに合わせて、情報インフラも見直すこととなった。情報システム部は、経営トップの意向を受け、新しい情報インフラの骨子を設計。だが、「当初は単にソリューションを集めただけで、そこには魂、システムを新しく入れることでオフィスがどのように変わるか、という肝心の部分がなかった」と、情報システム部部長の小林雅弘氏は語る。

そこでプロジェクトチームは、先進的なワークスタイルを実践している米国企業を視察した。そして、この経験を参考に、新しい情報インフラのポリシーとして掲げられたのが、「セキュリティ強化」と「利便性向上」という、相反する二つのテーマを両立させることだった。「セキュリティはルールで規定できるが、利便性はルールとして規定できるものではなく、ワークスタイルの変革を通して実現できる。この点をテーマにプロジェクトを進めることを決めました」と小林氏。また同時に、ショーケースとして運用しながら、ユーザーに積極的に活用されるシステムを目指すことも決定した。

こうして、新しい情報インフラeWork@CTCの構築プロジェクトが始動する。

導入経緯

ショーケースとしての役割をふまえ、最先端の技術を集結

eWork@CTCのコンセプトには三つのポイントがある。第一が、セキュリティの強化である。第二が、顧客企業へのサービス向上のために、ワンストップでサービスを提供できる統合環境を整備すること。第三が、社内の非効率を排除した、徹底した効率性の追求である。

eWork@CTCで実装する技術は、世界でも最先端、かつ最も優れた利用モデルを参考に、日本企業に最適なインプリメントを行うことが決められた。一年後、稼働したときに陳腐化していてはショーケースとしての意味がないからである。また併せて、拠点統合を機に、IT関連の全リソースを包括的に管理し、ITガバナンスを機能させ、セキュリティポリシーの適用を可能にすることも定められた。

eWork@CTCを支えるソリューションは、統合ポータル、グループウェア、統合ID管理、シングルサインオン、ネットワーク認証、シンクライアント、統合ファイルサーバ、IT資産管理などで構成されている。

課題と効果

課題と効果

課題と効果

システム概要

利用者認証を一元管理した、使いやすく堅固なシステム

eWork@CTCの概要図

eWork@CTCの概要図

eWork@CTCを支えるソリューションは、段階的に導入された。なかでも新しい情報インフラのセキュリティと利便性を両立させる基盤となるのが、統合ID管理による、シングルサインオンである。利用者認証を一元管理することにより、正確な情報にスピーディーにアクセスできるシステムを構築。情報漏洩に対するセキュリティ強化と、パスワード一括管理によりユーザビリティー向上を実現している。また、ネットワーク認証は、"人"を認証する個人認証と"IT機器"を認証する個体認証を統合。イントラネットへのアクセスは個人のパスワードだけでなく、ハードウェアレベルで認証を受けたPCでないと不可能となっている。

CTCのオフィス風景

CTCのオフィス風景

さらに先進的な試みとして、社員の固定席を廃止し、部門内フリーアドレスと言えるグループアドレス制を採用している。このため、サン・マイクロシステムズ社のシンクライアントSun Rayを導入。社員は、出社時あるいは帰社時、空いている席に座り、Sun RayにJavaカードを挿入するだけで、どこでも自分自身の作業環境を再現できるようになっている。データはすべてセンターのサーバ側で管理されるため、万一端末が盗難に遭っても情報漏洩の心配はなく、機密性の高い情報管理と利便性の向上が同時に実現されている。

電話については、シスコシステムズ社のIP電話とネオジャパン社のグループウェアを連携させたCTC独自のIP電話システムを導入。自分が選んだ席のIP電話に、ID・パスワードを設定すれば、そこに自分あての電話がかかってくる。また、統合グループウェアは、部門の壁を越えたコラボレーションを実現。携帯電話との連携により、外出先からでも、ほとんどのグループウェアの機能が利用できる。

今後の取り組み

定量的な導入効果を測り、継続的に運用・改善を実施

利便性と高度なセキュリティの融合を実現させたeWork@CTCは、快適で機能的なオフィスを対象に毎年行われている「第18回日経ニューオフィス賞」において「日経ニューオフィス情報賞」を受賞。多くの企業から、CTCのオフィス環境を見学したいとの希望も多く、CTCでは「オフィスツアー」というプレゼンテーションを毎週二日程度実施している。 今後の展開について、小林氏は「現在は、最適な業務環境が整った段階ですが、定量的な導入効果をPDCAサイクルに乗せ、継続的に運用・改善していくのは、これからの取り組みとなります。この先、日本版SOX法も待っているし、まだまだやることはある。ただ、現在完成しているものだけでも、大きなインパクトがあります。これをお客様に実際にご覧いただくことで、eWork@CTCが非常に有用なものであることが分かっていただけると思います」と語る。 CTCでは、自社オフィス環境の構築で培った経験と成果を基に、これからも顧客企業に、最適なオフィス環境の実現を支援するソリューションを提供していく方針を立てている。

お問い合わせ

新しいワークスタイル「eWork@CTC」

情報インフラと“アンシン”と“ベンリ”を、最先端の技術を集めて両立しました。

用語解説

e文書法
商法や税法などで保存が義務づけられている文書の電子化を認める法律。2004年11月制定、2005年4月施行。

日本版SOX法
企業の財務報告に係わる内部統制強化を目的に、2008年に導入される見通しの法制度。アメリカのSOX(Sarbanes-Oxley)法を参考にしている。会計が中心となるため、ERPや会計システムの見直しが必要となる。

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