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事例・レポート

事例

大容量設計データの有効活用を実現。EMCアイシロンで新たなフォトマスク製造用ストレージ基盤を確立。

大日本印刷株式会社 様

会社名
大日本印刷株式会社
所在地
東京都新宿区市谷加賀町1-1-1
設立
1894年
URL
http://www.dnp.co.jp/

大日本印刷ファインオプトロニクス事業部では、半導体などの製造に欠かせないフォトマスクの開発・生産を行っている。近年では設計データの大容量化が進んでおり、フォトマスク製造用ストレージ基盤の容量不足が大きな課題となっていた。そこで同社では、CTCが提供するEMC社製スケールアウトNAS「EMCアイシロン」を導入。性能・容量・拡張性の大幅な改善に成功すると同時に、遠隔地へのデータバックアップも実現している。

大日本印刷株式会社 ファインオプトロニクス事業部 第1製造本部 NSシステム部 高倉 奨氏

大日本印刷株式会社
ファインオプトロニクス事業部
第1製造本部 NSシステム部
高倉 奨氏

大日本印刷株式会社 ファインオプトロニクス事業部 第1製造本部 NSシステム部 小泉 淳氏

大日本印刷株式会社
ファインオプトロニクス事業部
第1製造本部 NSシステム部
小泉 淳氏

課題と効果

課題と効果

導入背景

フォトマスク製造用ストレージの容量不足が大きな課題に

私たちの生活に欠かせない存在となっている液晶ディスプレイや各種エレクトロニクス製品。その製造に欠かせないのが、「フォトマスク」と呼ばれる部材である。プロセッサやメモリなどの半導体製品は、微細な回路パターンをガラス基板などに露光/転写することで作成されるが、フォトマスクはシリコン基板上に焼きこまれた回路パターンの「原版」である。このフォトマスク製造において世界的なシェアを有するのが、大日本印刷 ファインオプトロニクス事業部である。

同社ファインオプトロニクス事業部 第1製造本部 NSシステム部 高倉 奨氏は「当社のお客様企業の中には、日本を代表する大手電機/電子機器メーカーも少なくありません。納期や品質に対する要求も年々厳しくなっていますので、情報インフラを担当する我々としても、システムの性能・信頼性向上に力を注いでいます」と説明する。

その同事業部において今回実施されたのが、フォトマスク製造用ストレージ基盤の再構築である。高倉氏はその背景を「当事業部の業務においては、お客様からお預かりしたオリジナルのCADデータや、描画装置用に変換・加工したデータなど、大量のデータを使用します。これらの保存・管理用に専用のストレージ基盤を用意していますが、半導体製造加工技術は超微細化が進み、業務データの大容量化も急速に進展。これまで利用していたストレージでは、次第にこうした状況に対応できなくなりつつあったのです」と振り返る。

ちなみに、半導体の設計ルールが半分になると、データ容量は4倍以上に増えるとのこと。中には、1製品あたりのデータ容量が500GB~1TBに達するものもあるため、直近では毎月約15TBものペースで容量が増加していたという。「ちょうど旧ストレージの保守期限切れも近づいていましたので、これを機に、今後のビジネスを支える新たなストレージ製品の導入に踏み切ることにしました」と高倉氏は続ける。

システム概要

EMCアイシロンを採用し、PB級データへの対応を実現

新たなフォトマスク製造用ストレージの選定にあたっては、こうしたデータ容量増加への対応以外にも、様々な要件が掲げられた。

「まず1点目は、高信頼性・高可用性の確保です。当ストレージは工場内の業務だけでなく、お客様や海外関連会社、他の生産拠点などとデータをやりとりするハブの役割も果たしています。万一ここが止まってしまうと、生産業務にも支障が生じてしまうため、24時間体制で稼動を続けられる信頼性・可用性が不可欠でした」と高倉氏は説明する。

これと同時に、大量の大容量データを快適に活用できるパフォーマンスも重要なポイントとなった。同社ファインオプトロニクス事業部 第1 製造本部 小泉 淳氏は「日々の業務では、様々な処理が同時並行で走ることになります。旧ストレージではどこかで重たい処理が流れて滞留している時に、他の処理がその影響を受けて手待ちとなるケースがありましたので、こうした問題も解消できるようにしたいと考えました」と語る。

さらに、もう1つの重要な要件が、万一の大規模自然災害などに備えるための遠隔データバックアップだ。高倉氏は「東日本大震災以降、お客様からも重要業務データの保護を強く求められるようになっています。こうしたニーズにもしっかりとお応えできるよう、筐体間レプリケーション機能を備えたストレージを選びたいと考えました」と語る。

これらの要件を全て満たせる製品として採用されたのが、CTCが提供するEMC社のスケールアウトNAS「EMCアイシロン」だ。「候補として挙がった製品のうち、当社の要件を最も高いレベルで満たしていたのがアイシロンでした。たとえば、他社ソリューションの中には、遠隔レプリケーション機能がうまく動かないようなものもありました。しかしアイシロンの非同期レプリケーションソフト「SyncIQ」は、検証の結果、常に安定的な動作を実現できることを確認しました。また、性能や容量、コストなどの面でも、全く不満はありませんでしたね」と高倉氏は語る。

また、今回のITパートナーにCTCを選んだ理由を、高倉氏は「CTCとは長年にわたり取引を行っていますが、常に我々の業務を理解した上で適切な提案を行ってくれます。さらに、様々な先進技術に精通したエンジニアが数多く揃っており、我々ユーザーとメーカーとの間をしっかりと取り持ってくれる点も高く評価しています。今回もCTCに任せれば、安心してシステムを構築できるだろうと考えました」と語る。

具体的な製品としては、7ノード構成の「EMC Isilon NL410」を導入。加速するデータ容量増大に対応するために、約1PBの実効容量が確保されている。また、これと同一構成のNL410を遠隔地のデータセンターにも設置することで、重要業務データの確実な保全を図っている。

システム構成図

システム構成図

導入効果・今後の展望

処理能力を約7倍に向上運用管理負担も軽減

NL410による新フォトマスク製造用ストレージ基盤は、2016年3月より本番稼動を開始。これにより、同事業部の業務には様々なメリットが生まれている。

「まず1点目は、パフォーマンスの向上です。我々の業務では、ストレージのI/O性能に依存する部分が非常に大きいのですが、今回の新環境では7ノードで分散処理を行えますので、理論的には約7倍に処理能力が向上しています。大容量の設計データを読み込むスピードも高速化されたため、オペレータの業務効率向上にも役立っていますね」と高倉氏は語る。

その一方で、ラック占有スペースは2ラックから約2/3ラックへと減少しているため、電力コストやデータセンターコストの削減にも成功。高倉氏は「IT投資の最適化も我々の重要なテーマの1つですが、CTCは当社の予算を考慮した上で最適なソリューションを探してくれるので助かりますね」とにこやかに語る。

信頼性・可用性についても期待通りの能力を発揮しており、導入以来大きなトラブルは皆無。障害対応の工数なども減ったため、システム管理者の業務負担も以前より軽減している。懸案であった遠隔地データセンターへのレプリケーションについても、毎日確実に実行されているとのことだ。

ちなみに遠隔レプリケーションについては、対象となるデータ容量がかなり大きいことから、災害対策用NL410への初期コピーをあらかじめメインサイト側で済ませた上で、遠隔地データセンターへ持ち込む方法を採用している。「この時にはCTCとEMCにも多大な支援を提供してもらいましたので、大いに感謝しています」と高倉氏は語る。

また、アイシロンの各種管理ツールも、運用管理業務の効率化に貢献。「たとえば、容量の使い過ぎを防ぐために、各部署へのデータ割当量を「SmartQuotas」で管理しています。足りなければ増やすといった操作も簡単に行えますので、非常に便利に使えていますね。また、重要なプログラムなどについては、「SnapshotIQ」で保護するようにしています」と高倉氏は語る。

新たなフォトマスク製造用ストレージ基盤を無事確立した同事業部だが、今後は他の業務ストレージの統合先としても、NL410を適用していく考えだ。「そのための容量は十分確保してありますが、万一不足が生じた場合も容易に増設が可能なので全く不安はありません」と力強く語る高倉氏。CTCとEMCの超高速ストレージによるCAEソリューションなどについても、業務への活用を検討していきたいとのことだ。

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