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事例・レポート

事例

全庁の仮想環境を可視化し、問題の早期把握を実現

東京都江戸川区 様

自治体名 東京都江戸川区
所在地(区役所) 東京都江戸川区中央一丁目4番1号
URL https://www.city.edogawa.tokyo.jp/

VMware製品による運用管理の効率化とリソース配分の最適化

東京23区の東端に位置し、30万世帯68万人の区民を有する東京都江戸川区。ITへの取り組みにも先進的な同区では、システム共通基盤e-SHIPの物理サーバ集約に向け、行政機関としては他に先駆けて全庁規模の仮想基盤をいち早く導入。更にサーバリソースの有効活用と問題の事前検知並びに解決の早期化を目的に、CTCの支援によりVMware vCenter Operations Managerを導入、最適な仮想環境を実現した。現在は、最適化による余剰サーバリソースを有効活用し、約4,000台の全庁クライアント端末のVDI(仮想デスクトップ)化を検討している。

江戸川区 経営企画部 情報政策課 基盤・ネットワーク係 長濱 宜之 氏

江戸川区 経営企画部 情報政策課 基盤・ネットワーク係
長濱 宜之 氏

江戸川区 経営企画部 情報政策課 基盤・ネットワーク係 魚谷 尚司 氏

江戸川区 経営企画部 情報政策課 基盤・ネットワーク係
魚谷 尚司 氏

江戸川区 経営企画部 情報政策課 基盤・ネットワーク係 萩原 大輝 氏

江戸川区 経営企画部 情報政策課 基盤・ネットワーク係
萩原 大輝 氏

導入背景

全庁規模の仮想基盤の構築にいち早く着手

総面積49.09平方キロ。東京23区の東端に位置し、水と緑に囲まれた東京都江戸川区は、23区で最も公園面積が広い自治体である。同区では1962年、全国の自治体に先駆けてホストコンピュータを導入するなど、業務のIT化にも積極的に取り組んでおり、2006年にはe-Japan構想に従って共通基盤「e-SHIP(Edogawa Shared Information Platform)」を構築。更に2011年には、e-SHIPにおける物理サーバの仮想化を開始した。

仮想化にあたっては、e-SHIP構想の当初から支援を受けていたCTCにも打診を行い、性能面、実績面で評価の高かったVMware vSphereを選定。この結果、当時、百数十台に及んでいた物理サーバを集約し、データセンターのラックスペースや電気使用量を圧縮。更に、住民サービスが稼働するミッションクリティカルなシステムも仮想化の対象とし、データベースサーバも含めた仮想環境を実現した。

リソースの使用率など、顕在化した管理課題

しかし、その後の運用においては新たな管理課題が顕在化した。仮想環境に対するリソースの割当が過剰になっており、CPUやメモリの使用率が低く、リソースを十分に活用できていない状況が続いていた。また、リソース割当の変更時にも、既存システムへの影響度合いが把握できないことから、最適化が図れず、当初想定していた仮想化導入のコストメリットを得ることができない状況が発生した。

当時の状況について、江戸川区 経営企画部 情報政策課 基盤・ネットワーク係 長濱 宜之 氏は、次のように話す。

「どの物理サーバ上で、どの仮想マシンが稼働しているかをExcelの資料で管理していましたが、障害発生時の影響範囲特定が非常に困難でした。また、一部のシステムでパフォーマンスが落ちてきた場合に、リソースが不足しているのか、アプリケーションに問題があるのかなど、仮想環境特有の問題の切り分けが困難で、原因究明までにかなりの時間を要していました。」

課題と期待効果

課題と期待効果

課題と期待効果

システム概要

仮想環境の運用効率を高める管理ツールの導入

仮想化基盤導入の流れ

仮想化基盤導入の流れ

仮想環境の価値を最大限に活かすための方法を模索する中、その候補として上がったのが、VMware vCenter Operations Managerだった。

「VMware vCenter Operations Managerの存在は、VMwareユーザ会の活動で知りました。まさにこれこそが我々の求めている仮想環境の可視化や管理の効率化に最適なソリューションでした」(長濱氏)。

仮想環境全体の状況を、アイコン化されたビジュアルなコンソールを通じて把握できる管理ツールである本製品を活用することで、仮想環境全体を俯瞰し、異常やボトルネック箇所を素早く特定することができる。また、導入を支援する充実したサービスも用意されている。

同区 経営企画部 情報政策課 基盤・ネットワーク係 萩原 大輝 氏は、この導入支援サービスについて、以下のように評価する。

「コンサルティングサービスである“vCenter Operations Managerジャンプスタート”は、仮想化特有のノウハウを備えていない我々にとって非常に有効でした。運用チームとともに3回ほどワークショップに参加したほか、CTCからも情報提供を受けながら、検討を進めました。」

最終的に江戸川区ではVMware vCenter Operations Managerの機能や導入支援サービスの有効性を高く評価し、導入を決定。併せて、自動で負荷分散を可能にするVMware vSphereのDRS機能も有効にすることで、安定的かつ柔軟な仮想環境を実現した。

また、導入支援を担当したCTCの対応について長濱氏は、「江戸川区にとって何が最適なのかという点を、私達の視点に立って考えていただきました。発注者・受注者という関係を超えて、共に同じ目的に向けた取り組みを行っていただいた点を高く評価しています」と話す。

導入効果

リソースの最適化、柔軟な再配分を実現

VMware vCenter Operations Managerの導入効果は期待を上回るものだった。長濱氏は「各システムでリソースがどの程度活用されているかを把握できるようになり、新規システム導入時も既存のサーバリソースを利用したり、既存システムにおいて該当リソースを再配分したりする際の根拠を得ることができました。これにより、新規にシステム化をしたいという業務からの要望にも新規サーバの調達をすることなく迅速かつ低コストで応えることができました。今後、ハイスペックなサーバへの置換えも考えると、最終的には物理サーバ数を現在の約1/8まで集約できる見込みです」と評価する。

また、同区 経営企画部 情報政策課 基盤・ネットワーク係 魚谷 尚司 氏は「これまではパフォーマンスの問題などが発生した際、データセンター事業者に依頼して問題の切り分けを行っていましたが、現在は自らの端末からVMware vCenter Operations Managerを通じて、直接問題を確認したり、リソース配分の検討を行うことができるようになりました。つまり、原課と我々のやり取りだけで、トラブルの切り分けや迅速な対応が可能となったのです」と強調する。

今後の展望

余剰リソースのVDI(仮想デスクトップ)活用も検討

仮想環境の可視化と運用効率の向上を実現した江戸川区では、すでに次の取り組みに向けた検討を開始している。IT共通基盤を、あくまでも充実した住民サービスを実現するための仕組みと位置付ける同区の取り組みについて、長濱氏は次のように説明する。

「サーバリソースを最適化することによって、余剰となるリソースが生まれます。今後はこの解放されたリソースを活用して、VDI(仮想デスクトップ)化に取り組みたいと考えています。将来的には全庁の約4,000に及ぶクライアントの仮想化も想定されるだけに、CTCには新たな提案、またプロジェクトの手厚い支援を期待しています。」

仮想化の対象をサーバだけではなく、クライアントレベルにまで拡張することを視野に積極的な取り組みを推進する江戸川区。長濱氏の言葉どおり、仮想化ソリューションは今後も住民サービスの向上を支える様々な付加価値を発揮することになるだろう。

用語解説

VDI (Virtual Desktop Infrastructure)
従来のデスクトップOSをサーバ上に集約し、利用者はネットワークを通じてサーバ上の仮想マシンにアクセスし、デスクトップ画面を操作する。これにより、クライアントPCの管理コストが削減されるほか、様々なセキュリティ対策や災害時の事業継続性を確保するための基盤として普及が進んでいる。

VMware vSphere Distributed Resource Scheduler (DRS)
VMwareの仮想環境で提供される自動負荷分散機能。物理サーバの負荷状況に応じて、仮想マシンの一部を、ライブマイグレーション機能を使って、負荷の少ない他の物理サーバに移動する。これにより仮想マシン単位の管理は不要となり、管理効率が向上する。

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