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株式会社 駅探 様

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事業の根幹を支えるデータをクラウドバックアップ for NetAppで保護

関東圏のデータセンターにあるデータを関西圏のデータセンターにバックアップ

インターネットを利用した時刻表連動型の乗換案内サービスを日本で最初に提供した、株式会社 駅探。現在は、個人向けサービスの「駅探モバイル事業」と法人向けサービスの「ASPライセンス・広告事業」を中心に、事業を展開している。同社では、2006年からCTC経由でNetAppストレージを導入し運用してきた。そして2011年からNetAppに保存されているデータの災害対策に取り組み、運用コストや負担を軽減し、なおかつ安全で確実な遠隔地バックアップとして、クラウドバックアップ for NetAppを採用した。

課題と効果

課題
  • 災害時のデータ保護
  • コスト効果に優れたバックアップ環境の導入

クラウドバックアップ for NetApp の採用

効果
  • 自社運用と比べて約50%のコスト削減
  • SnapMirror の利用で運用管理が容易

導入事例インタビューデータ

会社名
株式会社駅探
所在地
東京都港区西麻布4-16-13 西麻布28森ビル
設立
2003年1月15日
資本金
291百万円
URL
http://ekitan.co.jp/新しいウィンドウで開く
  • 株式会社 駅探 システム運用部 部長 大谷 龍一 氏

    株式会社 駅探

    システム運用部 部長

    大谷 龍一 氏

  • 株式会社 駅探 システム運用部 システム運用グループ 井上 馨 氏

    株式会社 駅探

    システム運用部 システム運用グループ

    井上 馨 氏

導入背景

災害対策への取り組みを強化

CTCのクラウドバックアップ for NetAppを採用するに至った背景について、駅探 システム運用部 部長 大谷 龍一 氏は、次のように切り出す。

「当社が災害対策への取り組みをはじめたきっかけは、先の大震災でした。創業時から、関東圏にあるデータセンターでシステムを運用してきましたが、事業の運営やサービスの根幹に関わるデータは、関西圏などの遠隔地にもバックアップするべきだと考えたのです。」

同社のシステム運用部では、2006年からCTCを介してNetAppストレージを導入してきた。その経緯について大谷氏は振り返る。

「当時、FC-SANベースのストレージ環境を構築していましたが、導入コストの削減や運用にかかる負担を低減するためには、NFS接続への移行が効果的だと検討していました。そのときに、すでに米国を中心に成功しているOracleとNFS接続されたNetApp FASシステムを提案してきたのが、CTCでした。単にNetAppを導入するだけであれば、見積価格の安いベンダーから仕入れればいいのでしょうが、我々はNetApp FASシステムに関する実績やノウハウも欲しかったので、CTCにお願いすることにしました。」

2006年に導入されたNetApp FAS3050Cシステムは、2011年にNetApp FAS3210Aへとリプレースされた。

「2011年になると、NetApp FASシステム以外にも、価格を比べると魅力的な競合製品はありました。しかし、CTCのサポートによって5年間の安定した稼働を続けてきた実績と、データ移行の容易さなどを評価して、同じNetAppへのリプレースを決めました」と大谷氏は話す。

複数のサービスや自社運用も検討

図1 災害対策における4段階の構築方法イメージ

CTCのクラウドバックアップ for NetAppを採用するに至った背景について、駅探 システム運用部 部長 大谷 龍一 氏は、次のように切り出す。

「災害対策を想定した遠隔地バックアップの導入に関しては、自社で遠隔地にデータセンターを借りて、そこでバックアップ用の多重化したシステムを運用する方法も検討しました。」システム運用部では、災害対策における4段階の構築方法を検討し、最も短くコスト効率よく取り組めるデータ保護の実現を目指すことにした。データ保護による災害対策の実現方法は、大きく分けて3通りの構築例がある。1つは、プライマリサイトにバックアップアプライアンスを導入して、遠隔サイトへのバックアップ運用を行うハードウェア追加方式。2つ目は、プライマリサイトにバックアップエージェントを導入して、遠隔サイトへのバックアップ運用を行うソフトウェア追加方式。そして3つ目が、プライマリサイトに設置されたストレージのデータ複製機能を利用するストレージ機能活用方式。これらの実現方法の中で、どれが最適かを見極めるために、複数のサービス事業者の資料を集め、価格や機能の詳細な検討を行った。

図2 検討された3つの災害対策構築例

「検討の段階では、NetApp 以外の選択肢を含む複数のクラウドストレージを検討しました。しかし様々な条件を判断して、最終的には、ストレージ機能活用方式であるCTCのサービスに決めたのです」と井上氏は話す。

システム概要

SnapMirrorで西日本サイトにバックアップ

CTCのクラウドバックアップ for NetAppのサービス概要図

「CTCのクラウドバックアップ for NetAppを採用した理由は、コストパフォーマンスとSnapMirrorを採用した運用の容易さでした」と井上氏は説明する。

システム運用部では、はじめにバックアップデータ転送先のロケーションを検討し、通信コストの負担が少ないサービスを提供しているベンダーを絞り込んだ。

「データの保管費用だけで比較すると、安価なベンダーもありました。しかしベンダーによっては、サイトが北海道にあり、通信コストの負担が大きくなってしまう例もありました。また利用経験のないバックアップソフトの導入を必要とするサービスを選んでしまうと、我々の人的な負担が増加してしまいます。理想としたのは、コストパフォーマンスのよい通信回線を選択でき、NetAppのSnapMirrorによる簡易で信頼性の高いデータ複製機能に対応しているサービスの採用でした。CTCのクラウドバックアップ for NetAppは、こうした条件にすべて合致していたのです」と井上氏は採用したシステムの選定理由と概要について語る。

導入効果

自社運用の半分にコストを削減

「CTC提案のサービスと同等の環境を、自社で西日本のデータセンターを借りて自前で運用する方法についても、検討と試算を行ってみました。その結果、CTCのクラウドバックアップ for NetAppを利用した方が、5年間の運用でコストが半分で済むこともわかりました。また、永久差分転送機能が特徴のSnapMirrorが使えることで、回線コストや通信時間も大幅に短縮できます。さらに、自社で2つのNetAppシステムを運用していたので、それをまとめてバックアップできる点も評価しました」と大谷氏は導入による効果を話す。

システム運用部では、アクティブ・アクティブ構成のNetApp FAS3210Aで、同社の主力サービスのデータを運用しているだけではなく、同じくアクティブ・アクティブ構成のNetApp FAS2240Aを社内の業務系サーバ用ストレージとして利用している。この2つのストレージをSnapMirrorで西日本サイトにあるCTCのクラウドバックアップ for NetAppへデータ転送できる点も、採用の大きな評価ポイントだったという。

「実際に運用してみて、データ保護に関連するコストも運用負荷も、大幅に軽減できました。また使い慣れているSnapMirrorをそのまま活用できる点も、大きな安心とスピーディーな導入につながりました」と井上氏は運用面での成果を語る。

今後の展望

ディザスターリカバリ環境の実装に向けた取り組み

「将来的には、災害時にデータを保護するだけではなく、無停止でシステム稼働継続できる環境の実現に向けた取り組みを目指しています。ただ、遠隔地での環境をまるごと自社で抱えるのは、コスト面でも運用面でも大きな負担です。これを解決するようなクラウドサービスなどがCTCから提案されることを期待しています」と大谷氏は今後に向けた展望を語った。

用語解説

NetApp FASシステム

NAS接続(CIFS、NFS)/SAN接続(FC-SAN、iSCSI)の各接続形態に対応した米国NetApp Inc.(ネットアップ)社製のマルチプロトコル・アプライアンス・サーバ。

永久差分転送機能

初回のみフルバックアップを行い、以降フルバックアップを必要としない転送機能。

アクティブ・アクティブ構成

複数系統、もしくは複数台用意されたシステム、装置等が全て稼働している構成。

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