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事例・レポート

事例

超ハイレベルのミッションクリティカルシステムを構築 東阪同時処理のDR構成

株式会社ファミリーマート 様

会社名
株式会社ファミリーマート
所在地
〒170-6017 東京都豊島区東池袋三丁目1番1号
資本金
16,658百万円
従業員
3,065名
URL
http://www.family.co.jp/

すでにコンビニエンスストアは社会インフラとなっている。災害時でも品切れを起こすことなく、地域住民へ安定して商品を届けなければならない。この社会的使命に応えるため、受発注を管理するシステムには極めて高い可用性が求められる。そのため、ファミリーマートはCTCとともに、HP Integrity NonStop NB50000cを中核とした新受発注システムを構築した。東阪2拠点のデータセンターで同時処理を行うDR(Disaster Recovery=災害対策)構成。並行稼働検証期間を経て、2010年6月より期待どおりノンストップで稼働している。

株式会社ファミリーマート システム本部 システム運用部 店舗システム運用グループ マネジャー 高橋 佳睦 氏

株式会社ファミリーマート システム本部 システム運用部 店舗システム運用グループ マネジャー
高橋 佳睦 氏

株式会社ファミリーマート システム本部 システム運用部 本部システム運用グループ 坪田 誠 氏

株式会社ファミリーマート システム本部 システム運用部 本部システム運用グループ
坪田 誠 氏

導入背景

躍進を続けるファミリーマート

35年前に日本に誕生したコンビニエンスストア(以下、コンビニ)は、利便性が支持されて、たちまち日本中に広がった。その勢いは1990年代まで続くものの、2000年代に入ってからは成長スピードが緩やかになっている。「利便性」だけの価値では頭打ちになってきたのである。

そんな中でファミリーマートが打ち出した施策が「気軽にこころの豊かさを提案する」新たなファミリーマートブランドだった。この成果が現れ、同社では3年連続の客数の伸びと好感度の上昇を実現している。

一方で業界再編の動きも出て来ている。「当社は2009年12月に業界7位のエーエム・ピーエム・ジャパンを完全子会社化し、2010年3月に吸収合併しました。現在ブランドの統合を進めているところです」と、株式会社ファミリーマート システム本部 システム運用部 店舗システム運用グループ マネジャー 高橋 佳睦 氏は語る。これにより、国内約7,900ほどの店舗数が、2011年度には通常の出店もあわせると約9,000店規模に膨らむ見込み。受発注システムの刷新も、この店舗急拡大への対応が背景にある。

「もう一つの背景としては、社会インフラとしての責務に応えるためです」と、同社 システム本部 システム運用部 本部システム運用グループ 坪田 誠 氏は説明する。ファミリーマートは国内47都道府県すべてに店舗展開する数少ないユニバーサルチェーンの一つだ。「たとえ災害時でも、地域住民へ安定して商品を届けする義務があります。それを支援するシステムが求められました」(坪田氏)。

実績と技術力でCTCに依頼

受発注システムは、全国の店舗がPOS端末から発注した内容をセンターで処理集計し、指定の工場へ発注データを流す基幹システムである。この新たな方向性が示されたのは2008年の「情報システム中期計画」からである。「新受発注システムに限らず、この先10年間を視野に入れて、今後の基幹システムの方向性を打ち出したものです」(高橋氏)。新受発注システムは2010年の稼働開始を目標に、2008年から本格的に検討されていくことになった。

この検討に当初から参加していたのがCTCであった。「極めて高いレベルのミッションクリティカルなシステムであり、業務にもシステムにも精通しているパートナーが必要です」と、坪田氏はCTCを評価する。

坪田氏はCTCを含めたプロジェクトメンバーと勉強会を開き、意識合わせに務めた。「ともすれば構築側は機能要件のみにとらわれ、運用しづらいシステムを構築しがちです。そこで、事業要件を重視した設計をお願いしました」(坪田氏)。

課題と期待効果

課題と期待効果

課題と期待効果

システム概要

HP Integrity NonStop NB50000cを東阪に配置

システム概要図

システム概要図

最初に検討されたのはコストと可用性の両立であった。受発注システムが止まると、発注がメーカーや製造工場に届かなくなるため、商品の配送ができなくなり、店舗営業が機能しなくなってしまう。受発注システムは、決して止められないミッションクリティカルシステムなのである。このため、汎用機レベルではなくHP製のフォールトトレラント・コンピュータ(無停止コンピュータ)が使用されていた。

だが、今なら汎用的なサーバでも冗長構成にすることで、高い可用性を保証できるのではないか。「UNIXサーバやPCサーバも検討しましたが、やはりストップが許されないためにHP Integrity NonStop NB50000cの採用を決定しました。低価格化が進み、信じられないほどのコストパフォーマンスを提供しています」(高橋氏)。

HP Integrity NonStop NB50000cは、99.9999%の可用性を実現するアーキテクチャ「NonStop(無停止)」が採用され、金融・通信・製造分野など限られた分野の基幹システムで活躍している。

HP Integrity NonStop NB50000c単体でも卓説した可用性を提供するとはいえ、大規模災害時はインフラ面を含めて、マシンを収容しているデータセンター自体が機能しなくなる危険性がある。このため、関東と関西、2拠点のデータセンターにHP Integrity NonStop NB50000cを設置し、まったく同じ処理を同時に行うことにした。「ホットスタンバイ構成でも、負荷分散構成でもありません。完全に同時処理をして、いずれかの処理結果が各取引先へ配信されます。何らかの災害でどちらかが停止しても、同じ処理スピードでデータ配信される東阪デュアル構成です」と、坪田氏は強調する。

次世代EDI機能の搭載

新システムの課題の一つにEDI(Electronic Data Interchange)の取り扱いがあった。既存システムではJCA手順を採用していたが、すでにレガシー化しており、対応するハードウェアも限られている。今ではWeb対応の手順も出ているが、多くの既存取引先が使用しているJCA手順を捨てることもできない。

「食品工場などの取引先に、今後JCAをどうするかアンケートで確認してみました。そうすると、近い将来やめるとは思うが、今すぐではないというのです。今ある設備で受注したい取引先が大半でした。この声を無視することはできせん」(坪田氏)。そこで、次世代の手順にも対応できるHDC-EDI SuiteをEDI基盤として登載し、これにUST(マルチ・プロトコル・コンバーター)を組み合わせることで、JCA対応を実現することにした。また、HP Integrity NonStop NB50000cから外出しすることも考えたが、一体化することでシンプルな構成としている。

導入効果

処理時間の短縮

新システムは2009年12月には完成し、稼働を開始している。「しかし、すぐに既存システムと切り替えたわけではありません。半年間は並行稼働し、絶対に大丈夫と確信できた2010年6月から本稼働させています」(高橋氏)。これだけ慎重に進めただけあって、信頼性も処理時間も極めてハイレベルになっている。

とりわけ取引先から喜ばれたのは、処理時間の短縮であった。これまで店舗からの発注データは、全店舗の集計で30分後、店舗ごとの詳細は1時間後に取引先へ送られていた。これが、全店舗の集計で15分後、店舗ごとの詳細は30分後というように、それぞれ半分に短縮された。

「発注締め切り時刻から納品までの限られた時間の中では、この15分あるいは30分でできることがたくさんあります」と坪田氏は語る。

今後の展望

成長へ向けた基盤作り

運用もシンプルになり、維持コストの削減も期待できる。「これもCTCと勉強会を開いた効果かと思います。CTCプロジェクトメンバーもSEも優秀で、お願いして良かったと思っています」と、坪田氏はプロジェクトを振り返る。

「受発注システムは商品を届ける生命線です。空気のような存在なのです。動いていて当たり前で、その理想的なシステムが構築できました」と、高橋氏も喜ぶ。


新受発注システムは1万店舗以上の処理に対応し、エーエム・ピーエム・ジャパンとの統合はもちろん、さらなる成長にも対応できる。HDC-EDI SuiteをEDI基盤として登載したことで、次世代の通信プロトコルにも柔軟に対応可能だ。

そして、さらに1分でも処理時間を短縮し、最終的にはリアルタイムを目標に、ファミリーマートとCTCはあくなき挑戦を続けている。

用語解説

EDI
Electronic Data Interchangeの略。商取引に関する情報を標準的な書式に統一して、企業間でデータ交換する仕組みのこと。

JCA手順
日本チェーンストア協会が規定した取引先データ交換標準通信制御手順。

HDC-EDI Suite
データエクスチェンジミドルウェアHDC-EDI Base(ACMS)と、ファイル転送ミドルウェアHULFTを連携させた製品。

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