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事例・レポート

事例

医療の発展に欠かせないASPサービス基盤をスピード開発

株式会社日本医療データセンター 様

会社名
株式会社日本医療データセンター
所在地
〒102-0083 東京都千代田区麹町三丁目1番地 麹町311ビル2F
資本金
390,881,250円(2007年12月現在)
従業員
47名 (2007年12月現在)
URL
http://www.jmdc.co.jp/

「Netezza Performance Server」の圧倒的なパフォーマンスをわずか一日で検証

「Netezza Performance Server」の圧倒的なパフォーマンスをわずか一日で検証

 株式会社日本医療データセンター(以下、日本医療データセンター)は、独自の手法によってデータベース化した健康保険組合員の医療機関受診履歴を軸にビジネスを展開する企業である。同社は自社で収集・加工したリアルな医療データを提供し、お客様が分析・活用するためのASPサービスを開始。そのサービス基盤となるDWHには、驚異的なパフォーマンスを発揮する「Netezza Performance Server」が採用された。

株式会社日本医療データセンター 代表取締役社長 木村真也 氏

株式会社日本医療データセンター 代表取締役社長
木村真也 氏

株式会社日本医療データセンター インフォメーション・マーケティング部 部長 林哲 氏

株式会社日本医療データセンター インフォメーション・マーケティング部
部長 林哲 氏

導入背景

リアルな医療データを提供することで社会に貢献

 日本医療データセンターのデータベースに蓄積された情報は医療現場と患者が直結するリアルなもので、かつ加工・分析を行いやすいため、健康保険組合へのフィードバックや、製薬メーカーへの情報提供によって高い評価を受けている。
 同社が登場するまで、医療業界において、レセプト(診療報酬明細書)の記述方法は不統一であり、情報を横断的に分析するためのマスター(共通辞書)は存在しなかった。同社は、そこに風穴を開けたことになる。2003年、同社はある健康保険組合と契約し、医療データの収集を開始。数年を経た現在、提携する10の健康保険組合から得る組合員のリアルな受診履歴と、医療業界に強いリサーチ会社の医薬品卸実績データを組み合わせて、高度な分析のベースとなるマスターデータを作成している。
 同社代表取締役社長木村真也氏は次のように語る。「医療業界の情報化は“石器時代”です。データの絶対量が不足している上に、標準化もほとんど進んでいません。たとえば、製薬メーカーであれば臨床試験のデータがあるだけ。実地医療に活用できるほどの精度ではありません。われわれは、信頼性を担保したリアルな医療データを提供することで社会に貢献しようとしています」。
 同社のデータ管理は、このマスターを独自の暗号技術によって個人情報を識別不可能にしていることが特長だ。個人情報はデータベースに入っていないものの、特殊なID採番によって名寄せは可能。データが追加されても履歴を追うことができ、整合性を損なわないためデータの信頼性も高く維持できる。さらに、データが万一漏れても個人が特定されることはない。
 こうして蓄積されたデータは、顧客となる健康保険組合や製薬メーカーが望む形に加工し、“活用できる情報になる一歩手前”のデータとして提供される。これらデータを活用することで、たとえば健康保険組合は、組合員の受診行動や医療費実態を把握したり、組合別にデータを比較したり、健康増進活動を企画したりすることができる。一方、製薬メーカーは、リアルな受診情報をベースに、自社製品の拡販戦略を練ることができる。

ASPサービスに求められる高いデータ処理能力

 日本医療データセンターは2008年、新たに、ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)としての情報提供サービスを開始することを決めた。医療関係者のだれもが容易に生きた医療データを収集・分析・活用できる仕組みを提供することが狙いだ。しかしながら、ASPとしてサービスを提供するにあたっては、データ処理能力の高い新しいシステムインフラを整備することが不可欠なことがわかった。
 これまでに収集してきたデータは他の商用データベースで運用していたが、管理すべきデータ量が増加するに伴って、パフォーマンスが著しく低下していたのだ。
 また、ASPとしてサービスを提供する以上、ユーザーライセンス数に制約を受けないインフラ製品を選定しなければならなかった。
 「ある患者の受診状況を把握する場合、複数の医療機関で診断された結果や病名、投与された医薬品の数や量といった要素を時系列に管理できなければなりません。われわれは生データという名の“原石”を磨くことで、分析に活用できる形に整備した高品質なデータを作成します。そのデータを蓄積し、高いパフォーマンスで分析できる優れたDWH(データウェアハウス)システムを求めたのです」(木村氏)

課題と効果

課題と効果

課題と効果

システム概要

Netezzaのパフォーマンスを短期の実機検証で確認
 日本医療データセンターは理想とするDWHを求めて、すでに3年ほどの月日を費やしていた。そして、2008年1月、CTCに相談し「Netezza Performance Server」(以下、Netezza)を提案される。Netezzaは、DBエンジンとサーバー、ストレージを1つの筐体で提供するDWHアプライアンスである。アプライアンスならではの簡単な導入と運用、そして驚異的なパフォーマンスを併せ持っている。
 「残されたいくつかの選択肢の中にNetezzaもあり、興味は持っていました。幸いCTCは独自に検証センターを持っていましたので、さっそくNetezzaの検証をお願いすることにしました」と、インフォメーション・マーケティング部部長林哲氏は振り返る。CTCは日本最大級のマルチベンダー検証施設TSCを持っており、Netezzaも検証機器として施設内に設置されていた。
 そこで林氏は2つの驚きを発見する。1つ目が、検証の素早さである。わずか、1週間、実質1日で検証が終了し、翌日にはレポートが上がってきた。他のDWHでは検証に時間がかかり、長い場合ではチューニングを繰り返し、半年にも及ぶことさえあった。

システム構成イメージ

システム構成イメージ

従来DWHの50~100倍以上のパフォーマンスを実現

 もう1つがNetezzaの桁違いのパフォーマンスである。「データの中身は組合別、病名別、医薬品別など、さまざまな視点で切り分けられ、そのすべてを軸として高速に分析できなければなりません。このため、データ構造は極めて複雑で、一般的な製品ではパフォーマンスが出なかったのです」(林氏)。複雑極まる要求に耐えきれず、現行データベースでは結果が返って来ない場合もあった。それが、Netezzaはわずか数十秒で返ってくる。
 このレスポンスもアプライアンスならではの特長である。従来のDWHはストレージとサーバー(CPU/Memory)が分かれており、膨大なデータをストレージからサーバー側へ転送してからデータ選別を行う。このため、DISK I/O負荷がパフォーマンスに悪影響を与えてしまう。Netezzaはこれを解消するため、クエリー処理を高速実行する並列インテリジェントストレージを開発。ストレージ側で分析に求められるデータを選別しCPUに転送するため、従来の50から100倍以上のパフォーマンスを実現できる。

導入効果

わずか3ヵ月でASPサービス基盤を構築

 「圧倒的なパフォーマンスを目の当たりにし、われわれが始める新しいサービスに最適なのはNetezzaであると判断しました」と、林氏は断言する。日本医療データセンターは2008年3月にはNetezzaの採用を決定し、セットアップを開始。このセットアップもわずか1週間で完了する。通常であれば、サーバーの構築と設定、ストレージの設定やディスクのミラー/論理ボリュームの設定、RDBMSのインストールと設定、パフォーマンスを上げるためのパーティションの設定、テンポラリ、ログ領域の設定…などの煩雑な作業が必要で、数週間かかるのが常識であった。
 さらにNetezzaはDWHに付きもののチューニングも必要ない。これはTCO削減の大きな効果となる。「3ヵ月でASPサービス基盤を構築できました。Netezzaをわずか1週間という短期間でセットアップできたことは大きなメリットです。開発に長い期間をかければ、それだけサービスリリースが先延ばしになってしまいますから」と、アプライアンスならではのNetezzaの魅力を林氏は認める。
 日本医療データセンターは、ASPサービスを7月末に開始した。ユーザーインタフェースはAdobe Flexで開発。扱いやすさにこだわった仕組みが、多くの顧客から好評を得ている。もちろん、Netezzaもノントラブルでサービスを提供している。

今後の展望

Netezzaが医療科学の進化を支える

 日本医療データセンターは、今回のシステムによって、レセプトを含む医療データを高速に処理できる仕組みを高いレベルで完成させた。さらにデータが集まる将来に向けて、システムの増強は欠かせない。
 林氏は次のように話す。「ユーザーが必要な情報を素早く入手できるようにすることこそ、われわれがASPで実現しようとした目標です。そのためには、確固たるサービス基盤としてのシステムインフラを確立し、顧客満足度を高いレベルで維持するための取り組みを継続的に行う必要があります。その1つとして、Netezzaをハイエンドモデルに更新することも視野に入っています」
 業務面では、近い将来、本格的に組合員の健康診断データをNetezzaに投入し、データベース内でマッチングさせることを展望している。具体的には、レセプトデータと健康診断データの相関分析を行える基盤づくりだ。さらに、付随するさまざまな医療データを収集していきたい考えもある。たとえば、日常生活における個人の食事データなどが自発的に集まってくる仕組みの構築に取り組みたいという。

用語解説

Netezza Performance Server
米国Netezza社の提供するアプライアンスDWH。驚異的なパフォーマンスと簡単な導入/運用。そして圧倒的な低価格を実現している。

チューニング
データベースのパフォーマンスを向上するための各種設定の見直し。高度な技術と経験が求められる。

レセプト(診療報酬明細書)
医療費を計算するための薬、処置、検査などを記した書類。医療機関はレセプトを政府と健康保険組合に請求する。

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