事例

尾家産業株式会社 様

更新

全社規模でシンクライアントを導入

  • Citrix XenApp

10年先までの情報投資を見据えてシンクライアントに刷新

総合食品商社の尾家産業株式会社。

ホテル・レストラン・居酒屋などの外食産業、お弁当・惣菜・宅配などの中食産業、工場やオフィスの給食事業、更に近年では病院や介護施設などのヘルスケア事業など、幅広い「食」の市場に向けた設備や消耗品などをトータルに提供している。

同社では、全国で800台を超えるPCを利用していたが、その修理や保守による業務効率の低下などが課題となっていた。

この問題を解決するために、CTCの提案するシンクライアントを全社的な規模で導入した。

課題と効果

課題
  • 故障したPCの修理
  • PCの起動や処理の遅さ

全社のシステムをシンクライアントに交換

効果
  • ハードの保守の改善
  • 処理速度の向上

導入事例インタビューデータ

会社名
尾家産業株式会社
所在地
大阪市北区豊崎6-11-27
創業
1947年
URL
http://www.oie.co.jp/新しいウィンドウで開く
  • 當麻 博之 氏

    尾家産業株式会社

    システム部 部長

    當麻 博之 氏

導入背景

毎月何らかのPCメンテナンスが発生して業務に支障をきたす

尾家産業の情報システムは、全国50ヶ所の各拠点に配備されたPCで、エミュレータによる業務システムの利用と、Officeアプリを活用したビジネス文書の作成、グループウェアを利用した情報共有や電子メールのやり取りが、中心となっていた。全国に配備されたPCは800台を超え、個々の利用者が各自に使いやすい環境を構築していた。
同社システム部 部長の當麻 博之 氏は、その背景と課題について次のように説明する。

「800台を超えるPCがあると、月に何台かは故障が発生します。そのたびに、壊れたPCをこちらに送ってもらい、システム部で部品を交換したりOSやアプリを再インストールするなどの修理を行って、拠点に戻していました。大きな事業所であれば、PCも数多く配備されているので、修理に数日を要しても業務に支障は出なかったのですが、小さな事業所では、数台しか配備されていないので、そのうちの1台が壊れてしまうと、日常の業務にも影響が出ていました。」

こうした課題に加えて同社のPCは、リース契約の更新やOSのサポートが終了するなど、利用期間を経過した機器が多くなり、部分的な交換ではなく抜本的な対策が求められる状況になっていた。

「PCの価格は安くなっており、そのインストールやキッティングのコストが、ハードの値段を超えるようなケースも出ていました。こうした問題を根本的に解決するためには、シンクライアントへの全面的な刷新が最善ではないかと、3年ほど前から考えるようになりました」と當麻氏はシンクライアントへの取り組みについて振り返る。

課題と期待効果

10年先まで見据えたコスト効果を試算

「PCのライフサイクルが3~5年だとすれば、シンクライアントを導入することで、端末側の利用サイクルは長くなると考えました。中長期的な視野に立って、当社のIT投資を考えていくと、結果的にPCをシンクライアントに置き換えた方が、10年先まで考えるとコスト効果が高いと判断しました」と當麻氏は選択の理由について話す。

CTCでは、シンクライアントシステムとしてCitrix XenAppを尾家産業に提案した。
シンクライアント導入は、コスト削減だけではなく、業務効率化による生産性向上や事業継続とエコ対応、内部統制強化にも貢献できる波及効果がある。
更に、システム部の課題であった、故障したPCの修理と代替えにも、迅速に対応できるようになる。

「実際の導入にあたっては、他のソリューションも検討してみました。
しかしCTCから提案のあったCitrix XenAppによるデスクトップ仮想化のシステムが、当社の求めるパフォーマンスを実現していたので、採用を決めました」と當麻氏はCitrix XenAppを採用した背景に触れる。

同社では、CTCと協力してテスト環境を構築、ネットワークに負荷がかかった時に、データの処理や印刷などに遅延が発生しないかを検証し、Citrix XenAppが十分なパフォーマンスを発揮することを確認している。

システム概要

サーバ集約型のシステム構成

尾家産業が導入したシンクライアント環境は、図のようになる。
サーバ集約型のシステム構成となり、Citrix XenAppをデータセンターにあるサーバで稼働。
各拠点からはWAN回線を経由してシンクライアント端末からアクセスする。
シンクライアント端末には、ハードディスクなどの物理的な記録デバイスはないので、全てのファイルやデータはサーバ側にあるストレージに保存される。

サーバ集約型のシステム構成図

サーバ集約型のシステム構成

またプリンタサーバもサーバ側に集約し、AとBに多重化されたWAN回線を利用してデータを拠点のプリンタに転送する。
冗長化されたネットワーク回線は、片方に障害が発生した時に、もう一方の回線で通信を継続でき、優先制御を行うことで利用者の作業効率を低下させないように配慮している。

「シンクライアント化に伴って、ネットワーク回線も大幅に見直しました。
以前は、基幹系と情報系に分けて回線を二重化していました。
そのため、基幹系ではパフォーマンスよりも安定重視の回線を使い、情報系は多少切れても影響のない回線にしていました。
しかしシンクライアントになると、基幹系と情報系がデータセンター内で集約されるため、各拠点への回線はシステム種別ではなく、経路多重化を考慮した高速な回線へと契約を切り替えました。
このネットワークの最適化により、毎月の通信コストだけでも、半分以下に削減できました」と當麻氏はシステムの概要と回線コスト削減の利点について説明する。

導入効果

故障率が減り障害対応も迅速になった

Citrix XenAppを採用したシンクライアント環境により、各拠点の利用者は端末から仮想化されたデスクトップにログインして、これまでPCを利用していた時と、ほとんど変わらない操作感で利用できるようになった。

「以前は、PCの電源を入れてからWindowsのデスクトップが表示されるまでに、コーヒーを入れて待つような状態でした。それがシンクライアントにしてからは、ほとんど瞬時にログインが表示されて、仮想化されたデスクトップが使えるようになったので、業務の効率は大幅に改善されました」と當麻氏は導入の効果について説明する。
シンクライアント端末は、稼働から半年を過ぎた段階で故障は1台も発生していない。
そのため、以前のようなPC修理にシステム部が追われることもなくなった。

「シンクライアントは、どの端末を利用してもログインした個人のデスクトップ環境が使えるようになります。そのおかげで、たとえ拠点の端末が故障しても、他の端末で業務を継続でき、その間に本部から代替機を送って対応できるようになりました。
以前のように、故障したPCの修理を待つこともなく、代替機を受け取った現場は、そのシンクライアントを接続すれば、すぐに使えます。端末の保守の手間と効率が、劇的に改善されました」と当初の課題が大きく改善されたことを當麻氏は高く評価する。

今後の展望

ワークフローや監査の強化にも取り組む

シンクライアントの導入を機に、全員にIDを割り当てた。
社員はどの端末からでも各自の仮想化されたデスクトップにログインできるようになった。
「各拠点を頻繁に飛び回る役職者にとっては、どの事業所に行っても、そこにある端末を借りてログインすれば、自分のデスクトップが使えるようになったので、とても便利だと評価されています。また全員にログインIDが割り当てられたことで、これから本格的なワークフローの構築や、監査システムなどの導入も検討できるようになりました」と當麻氏は今後の展望について話す。

「CTCには、今後も当社にとっての良きパートナーとして、中長期的な視野に立ったシステム提案を期待しています。
更新時期が来たから入れ替える、といった単純なものではなく、3~5年先まで見据えたシステム改善など、豊富な知見や技術力に基づくCTCのソリューションを当社としても、積極的に取り入れていきたいと考えています」と當麻氏は今後の取り組みおよびITパートナー企業への抱負について語った。

用語解説

Citrix XenApp
Windowsアプリケーションをデータセンターで仮想化、集中管理し、PCやタブレット、スマートフォン等のデバイスや場所を問わず、サービスとしてデリバリーするアプリケーションデリバリーソリューション。
シンクライアント
ユーザーが使うクライアント端末に必要最小限の処理をさせ、ほとんどの処理をサーバ側に集中させたシステム。ハードディスクなどの駆動部分が少ないので故障率が低い。
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