事例

オムロン ヘルスケア株式会社 様

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基幹業務システムの「JD Edwards Enterprise One」をAWSに移行、柔軟な拡張性と継続的な安定性を実現

オムロン ヘルスケア株式会社(以下、オムロン ヘルスケア)は、CTCの「CUVIC on AWS」を活用し、基幹業務システムとして利用しているオラクルのERP製品「JD Edwards Enterprise One(以下、JDE)」をクラウドプラットフォーム「Amazon Web Services(以下、AWS)」に移行させました。これにより、基幹業務システムの柔軟な拡張が可能となり、併せて、その安定性も向上させています。

課題と効果

課題
  • 事業成長に伴いデータ量・処理量が増大し、JDEのサーバ/ストレージの拡張作業が頻繁に発生するようになった
  • 今後においてもデータ量・処理量の増大が見込まれ、システムの継続的な安定性を確保するのが困難になった
  • AWSへの移行を検討するに際し、JDEのシステムを止めずに、短期間で確実な移行を成功させるソリューションが必要と割れた
効果
  • CTCの「CUVIC on AWS」を活用し、移行に伴うさまざまな課題を解決。プロジェクトを完遂させた
  • AWSへの移行を成功させ、基幹業務システムの柔軟な拡張が可能になった
  • AWSへの移行でBCP観点を含めた基幹業務システムの安定性、継続性を高めることができた

導入事例インタビューデータ

会社名
オムロン ヘルスケア株式会社
所在地
京都府向日市寺戸町九ノ坪53番地
設立
2003年
URL
http://www.healthcare.omron.co.jp/新しいウィンドウで開く
  • 山本 広和氏

    オムロン ヘルスケア株式会社

    経営統轄部
    グローバルIT革新部長

    山本 広和氏

  • 丸山 浩司氏

    オムロン ヘルスケア株式会社

    経営統轄部
    グローバルIT革新部
    アシスタントマネージャー

    丸山 浩司氏

  • オムロン ヘルスケア株式会社

    経営統轄部
    グローバルIT革新部

    金子 直人氏

移行の背景

「OMRON connect」に対応した健康機器

「OMRON connect」に対応した健康機器

オムロン ヘルスケアは、健康医療機器および健康管理サービスを開発し、個人や医療機関、自治体・企業などに販売しているオムロンのグループ企業です。近年では、医療や健康管理の進化に対応し、機器のIoT化や測定データを活用したサービスの提供を加速させ、注目を集めています。2016年11月には、測定した生体情報データをスマートフォンに転送し、管理できるアプリケーション「OMRON connect」を国内でリリースし、血圧計や体重体組成計、活動量計など、多くのIT対応機器をラインナップしています。また、ビジネスをグローバルに展開しており、2017年度の連結売上高が1,013億円にのぼる健康医療機器のリーディングカンパニーです。

同社では、2004年から基幹業務システムとしてJDEを導入、オムロングループのデータセンター内で運用し、アジア圏の拠点に対してもJDEのシステムを展開してきました。しかし、事業成長に伴い、JDEのシステム運用に次のような問題が生じていました。

  1. データ量・処理量が増大し、サーバ/ストレージの拡張作業が繰り返し発生するようになった
  2. データ量・処理量の継続的な増大が見込まれ、システムの継続的な安定性の確保が困難になった

これらの問題を抜本的に解決すべく、オムロン ヘルスケアではJDEのシステムをAWSに移行させるプロジェクトに着手したのです。

移行を成功に導いた方策

もっとも、オムロン ヘルスケアにとって、社内業務システムでのAWS活用は初の試みでした。しかも、AWSへの移行対象は基幹業務システムのJDE。そこで同社では、移行に伴う課題を解決する方策を慎重に練り上げるとともに、課題をともに解決するパートナーとしてCTCを選定、CTCの「CUVIC on AWS」を活用しながらプロジェクトを完遂させるという施策を講じました。以下、移行を成功に導いた方策と、CTCの支援の内容を併せて示します。

① OS/データベースのマイグレーション

オンプレミス環境のJDEは、IBMのUNIX OS「AIX」とデータベース「DB2」で稼働していました。ただし、AIX・DB2はともにAWS上での稼働実績が少なく、オムロン ヘルスケアでは、OSとデータベースを「Linux Server」と「Oracleデータベース」にそれぞれマイグレートする方針を固めました。その実作業では、テクニカルな問題はほとんど発生せず、結果として、アプリケーション観点からのデータ正常性の検証に多くの時間を割くことが可能になりました。

② ネットワーク環境の整備

AWS移行によるシステムのパフォーマンス(レスポンス性能)悪化を回避すべく、オムロン ヘルスケアのWAN網とAWSを専用線で接続しました。この接続には、CTCのマルチキャリア冗長回線サービスが利用されています。

③ ジョブ連携方式の見直し

AWS移行で業務プロセスに問題が発生しないよう、従来システムにおけるジョブ連携の詳細を洗い出し、その見直しを実施しました。また、AWS移行に伴いジョブ監視ツールも変更したことから、相応の時間をかけて運用業務全体の見直しを実施。AWS上でのシステム運用をCTCに委託するなど、運用のスリム化・最適化を図っています。

④ 長期休暇をターゲットにシステムの切り替えを遂行

JDEのシステムは頻繁な停止が許されず、AWSへの切り替えは長期休暇を利用して行われました。この切り換えに際し、CTCは以下のような支援を提供し、種々の課題を解決しています。

  • AWS上でのシステム構築:PoC環境としてシングル構成の検証環境を提供、システム移行が可能かを確認
  • 大量データの移行:オムロン ヘルスケアが変換したデータをAWS側にスピーディに送るべく、1カ月単位で利用できるAWSの広帯域専用線サービスを短納期で提供、大量データのスムーズな移行を実現
  • データ移行後の検証:バッチ処理/ジョブ実行/ブラウザでのパフォーマンスをオムロン ヘルスケアに確認してもらい、システム性能を最終チェック

⑤ スケールアウトによるリソース不足の解消

システムの切り替え後にはWebサーバのリソース不足が懸念されました。そこでCTCではAWSのスケールアウト機能の活用を提案。2台構成だったサーバを4台構成へと変更し、リソース不足を解決しています。

このほかCTCでは、システム切り替え後の運用を可視化する目的で、AWSからのメンテナンス通知/監視アラートなどを、CTCのインシデント管理ツールに取り込み、月次レポートとしてオムロン ヘルスケア側に送付しています。また、万が一のシステムトラブル時にオムロン ヘルスケア側でも即座に対応・対処に当たれるよう、CTCがAWS上でのシステム構築方法やAWSの操作方法をレクチャーし、システム担当者のスキルトランスファーを支援しています。

システム構成図

システム構成図

今後の展望

こうしてオムロン ヘルスケアは、AWS移行の目的であるJDEシステムの「柔軟な拡張性」「継続的な安定性」を確保することに成功し、かつTCO削減という効果も享受されています。当該のシステム基盤は、移行から現在に至るまで大きなトラブルもなく安定稼働を続けています。その成果から、ファイルサーバなどの他のシステムに関しても、AWSへの移行とCTCへの運用代行を検討しています。

<以下、お客様コメント>
“JDEのAWS移行に際し、CTCにはシステム設計の段階から、的確な提案と技術支援を受け、それが移行の成功につながったと感じています”
── 山本 広和氏

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