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事例・レポート

事例

RightNowを用い、世界中のナレッジを集約する大規模ナレッジ・マネジメント・システムを構築

株式会社リコー 様

リコー株式会社 様
会社名株式会社リコー
所在地東京都中央区銀座
資本金1,353億円(2007年3月31日現在)
代表取締役社長
執行役員
近藤 史朗
従業員81,900名(2007年3月31日現在)
URLhttp://www.ricoh.co.jp/

複写機から、デジタル複合機へ。コンピュータの入出力装置、あるいはコンテンツ管理のプラットフォームへと進化を続けるMFP(Multi Function Product)を、世界中へ提供している(株)リコー。これまで海外では、販売会社ごとに独自の保守サポートを行ってきた。だが、デジタル化、ネットワーク化による多機能化、販売台数増は同時に、保守サポートの負荷増加を招きかねない。そこで、考えられたのが、ナレッジの共有によるサービス&サポート強化とサービスの品質向上による顧客満足度のアップ。そして、開発されたのが、グローバル・ナレッジ・マネジメント・システムである。

MFP事業本部 マーケティングセンター 海外サービス統括室 ナレッジグループ リーダー 古谷宜之 氏

MFP事業本部 マーケティングセンター 海外サービス統括室 ナレッジグループ リーダー
古谷宜之 氏

MFP事業本部 マーケティングセンター 海外サービス統括室 ナレッジグループ サブリーダー 三原信章 氏

MFP事業本部 マーケティングセンター 海外サービス統括室 ナレッジグループ サブリーダー
三原信章 氏

導入背景

製品の高機能化、多様化が、保守コストの増加を招く

コピーをとるだけの複写機から、ネットワークにつながり、コンピュータの入出力装置となるシステムへ。(株)リコー(以下、リコー)が提供する製品は、めざましい進化を続けている。オラクル社と共同で開発した最新のソリューションでは、パソコンなしでリコーのデジタル複合機「imagioシリーズ」からコンテンツ管理システムへアクセスでき、コンテンツのアップロードを可能にしている。

こうした高機能化や製品領域の拡大にともない、ユーザーサポートもハイレベルかつ多様化している。アメリカからヨーロッパ、アフリカ、アジアなどの海外部門を一手に担当するMFP事業本部 マーケティングセンター海外サービス統括室 ナレッジグループリーダーの古谷宜之氏は、「製品販売の拡大とともに、サービス&サポート範囲が拡大するだけでなく、提供するサービス品質の向上が求められています。製品の高機能化が進んでいることはもちろんですが、お客様の購入の窓口が総務部門や購買部門だけでなく情報システム部門が加わったことで問い合わせの内容が極めて高度になったことが理由として上げられます」と語る。販売台数の伸びとともに増加する保守サポート、そして高度化する問い合わせにいかに迅速に対応できるか、海外の統括本社と議論を繰り返した。「海外は、地域ごとに販売会社が異なる上に言語も多様で課題解決が困難」な状況であったものの、北米とヨーロッパにおけるお客様への対応プロセスやコール内容を分析し、解決手段を探っていった。そして、導き出されたのがCRMアプリケーションソフトウェアの「RightNow」を用いたグローバル・ナレッジ・マネジメント・システムの構築。ナレッジ・シェアにより、効率の良いサービスを実現し、コスト抑制と顧客満足度向上を同時に実現しようというものであった。

導入経緯

グローバルなナレッジ・シェアで保守サポートを効率化

「海外の各拠点とも、現場には、良い人材、良い経験がそろっていますが、その情報は狭い範囲でしか活用されていませんでした。製品の情報だけでなく、現場からの情報もひとつのシステムを通じて共有、ナレッジ・シェアできれば、顧客満足度の向上とサービスの効率化が実現できると考えました」と古谷氏は語る。

ナレッジ・シェアは、三つのカテゴリに分けて考えられた。一つ目が、お客様。通常、お客様はコールセンターに電話して、オペレータからアドバイスを得てトラブルを解決するか、解決できない場合はCEの出張修理を依頼する。このとき、Webを見てお客様自身が解決できれば、コール数とエンジニアの出張数を減らすことができる。二つ目が、SEやCEなどのエンジニア。現場でトラブルを解決するCEを情報武装させることにより、一度の訪問で修理が終わるようにする。また、客先で商談を行うSEには、的確な提案を可能にすることを狙う。三つ目が、コールセンター。簡単な問い合わせから高度な問い合わせまで、オペレータがすぐに参照できるナレッジを用意し、電話での解決率を上げ、CEの派遣を少なくしてサポートの効率化につなげるのである。

おりしも北米の販売会社では、RightNowを活用して顧客へのFAQサービスを展開していた。当時、アメリカにいたMFP事業本部 マーケティングセンター海外サービス統括室 ナレッジグループサブリーダーの三原信章氏は「ツールとしてRightNowを用意していたが、なかなかコンテンツを充実させることができなかった。そんなときに、全世界のナレッジを集約して、世界中で同等のサービスを展開しようという話がきました。それはいい、さっそくやりましょうとなったのです」と語る。そして、システム開発に向けてGOサインが出される。
まず、RightNow社からエンジニアを呼んで、基本設計・概要設計を行った。開発工程では、RightNow社のプロジェクトマネージャーを日本に滞在させ、日本の開発チームと情報共有を図りながら遂行。日本とアメリカの時差を利用し、いわば24時間体制でシステム構築が行われた。

言葉と考え方の違い、さらには、海外のさまざまな地域で運営されているシステムを一つのシステムにまとめる調整など多くの課題があったが、2006年5月、グローバル・ナレッジ・マネジメント・システムは北米においてカットオーバーを迎えた。

課題と効果

課題と効果

課題と効果

システム概要

世界中のナレッジが集約され、世界中に発信される。
グローバル・ナレッジ・マネジメント・システムは、米国RightNow社のASPセンターにて稼働している。世界中の販売拠点から集められたナレッジは、インターネットを通してエンドユーザーに、イントラネットを介してエンジニアやコールセンターのオペレータに提供される。また、新しいコンテンツも順次、承認を経て、データベースに追加されていく。

現在、北米において、お客様が販売会社のホームページからFAQを参照することが可能となっている。「既存のシステムを入れ替えるわけなので慎重に進める必要がありますが、5月から開始したシステムの利用状況を見つつ他の地域へ展開していく予定です」(古谷氏)

システム構成イメージ

システム構成イメージ

主要機能: FAQ作成(コンテンツ作成、ワークフロー、多言語対応、マルチブランド対応など)
FAQ公開(ナビゲーション、検索、関連FAQ紹介など)
Q&A対応(アンサー返信、SLA管理、関連FAQ紹介、問合せ履歴管理、FAQ化など)
コア製品: RightNow
提供形態: ASP
主要カスタマイズ: マルチブランド対応(一部:ブランドごとの製品名対応管理、動的製品名変換など)
ワークフロー(一部:ブランド・言語ごとのアンサーの関連管理)
既存CRM連携改修

今後の取り組み

効果測定を通して、コンテンツの充実を図る

「このシステムは稼働がゴールではありません。運用しながらコンテンツを充実させていくことで価値が生まれるのです」と古谷氏。そのためには、的確な効果測定と、システムの根幹をなすコンテンツの整備が欠かせない。コンテンツの善し悪しが、コール数の減少や保守コストの削減にもつながるからである。今後、求められるのは、どういうナレッジを提供すると効果が生まれるかを分析すること、そして、コンテンツを選別し、活用されないコンテンツを活用されるコンテンツへと質を高める変えるチューニングである。現在、システムの拡張とともに、そのための手法が検討されている。

海外市場におけるグローバル・ナレッジ・マネジメント・システムの構築は、世界市場で戦うリコーに、新たなパワーを与えたといえよう。

用語解説

MFP
Multi Function Product/コピー、プリンター、スキャナー、ファックスなど複合的な機能を備えた製品。ネットワークへの接続やシステムとの連携も実現する。

RightNow
コールセンターへの電話問い合わせやメールを削減するとともに、お客様にきめ細かなサービスを提供するカスタマ・サービス・ソリューション。

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