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事例・レポート

事例

ローコード開発基盤「OutSystems」により、業務システム開発をフル内製化。
「社内から頼られる情報システム部門」への大きな変革を実現。

株式会社サカタのタネ 様

会社名
株式会社サカタのタネ
創業
1913年7月
設立
1942年12月
所在地
神奈川県横浜市都筑区仲町台2-7-1
URL
https://www.sakataseed.co.jp/

大手総合種苗メーカーとして、世界中で花・野菜の種子を研究開発・生産し、農家への卸売りから一般消費者への小売りまで手掛けるサカタのタネでは、ローコード開発基盤「OutSystems」を導入し、業務システムの完全内製化を実現した。これまで現場部門が独自に開発していたアプリケーションが数百にのぼっていたが、これらを順次刷新するとともに、システム化されておらず現場部門のニーズにとどまっていた新規要件の開発も実施している。その結果、現場のニーズにもタイムリーに対応できる体制ができ、業務効率化に貢献するとともに社内における情報システム部門の価値を大きく高めることに成功した。

株式会社サカタのタネ 情報システム部 嶺澤 健一 氏

株式会社サカタのタネ
情報システム部
嶺澤 健一 氏

株式会社サカタのタネ 情報システム部 鷲澤 柚香 氏

株式会社サカタのタネ
情報システム部
鷲澤 柚香 氏

課題と効果

課題と効果

導入背景

IT資産棚卸で、情報システム部門の把握していないアプリケーションが多数発覚

世界19ヵ国に拠点を持ち、国内のみならず海外でも総合種苗メーカーとして幅広く事業を展開するサカタのタネ。 今後の情報システムの展開を検討するために、IT資産の棚卸をおこなったところ、情報システム部門の把握していない多くの業務アプリケーションが見つかる結果となった。

「個人で使っているExcelマクロなどは問題ありませんが、現場部門のチーム単位で利用する“準基幹”と呼べるようなアプリケーションも数十ありました」(嶺澤氏)

Excel/Accessをベースに現場部門で知識のあるスタッフが独自に開発したこれらのアプリケーションは、品質・ITガバナンスの観点からの問題があるとともに、なにより現場部門が正確なデータを使用していないリスクが存在しており、改善が必要な状況だった。

業務アプリケーションの再開発・統合管理に向けて、ローコード開発基盤による内製化を目指す

そもそもこういった状況は、情報システム部門が現場部門の要望に対し、迅速に応えられていなかったことが原因にあった。システム開発は外部ベンダーに委託し、情報システム部門は受入検収をおこなうスキームが多かったため、社内に開発のノウハウがほとんどない状況だった。システムの改修なども、まずはベンダーの見積もりをとってから来期予算で実施する流れとなっており、要望への解決に対してタイムリーな対応ができていなかったのだ。

「要望に応えられないことが続いていたため、残念ながら情報システム部門への期待値が低下するという状況になっていました。なぜなら、ビジネス面での変化に対するシステムへの要求が、我々の情報システム側にも発生するにもかかわらず、その提供が迅速に実施できない。提供されないから、現場部門は自分たちで作ってしまう。その結果、情報システム部門にはナレッジが蓄積されない。蓄積されないから、新たな要望にも当然応えられない。という負のスパイラルに陥っていたのです」(嶺澤氏)

この状況を打開するためには、現場部門ごとの業務アプリケーションを情報システム部門で統合管理できる環境で、開発しなおす必要があると考えた。そこで目指したのが、ローコード開発基盤による内製化である。ローコード開発基盤を活用すれば、効率的かつ簡単に業務アプリケーションを開発でき、開発からユーザレビューまでの期間を短縮、レビューを繰り返し少しずつ育てていくことによって、社内にシステム開発のスキルやノウハウが溜っていない中でも、情報システム部門のリソースだけでシステム開発を目指せると考えたのだ。

システム概要・導入効果

UIの自由度の高さ、開発効率の高さが決め手となり、「OutSystems」を導入

複数のローコード開発基盤を比較検討した結果、伊藤忠テクノソリューションズ(以下、CTC)が提供する「OutSystems」の導入を決めた。1番の決め手は、ユーザインターフェース設計の自由度の高さだった。

「今回の業務アプリケーション再編成では、コスト削減よりも信頼できる正確なデータの提供や、現場部門の業務効率化に重きを置いています。これまで現場部門で独自に開発し、使い慣れている業務アプリケーションの画面構成に近くし、複雑な操作を回避したことでユーザにとって使いやすい画面を作ることを最も重視したのです」(嶺澤氏)
ほかのツールではどうしてもツールにあわせなければならない部分があったが、「OutSystems」はそういった制限がほとんどなく、思ったようにユーザインターフェースを作成できる点を高く評価した。また、開発時の使い勝手のよさも、比較したツールのなかで最もよかったという。

「OutSystemsは開発する際も使いやすく、GUIベースで画面設計がほぼすべてできてしまいます。コードが必要になる部分がほとんどないので、効率的かつ保守性の高い業務アプリケーションを開発できます」(鷲澤氏)

アプリケーションの保守・メンテナンスのしやすさも、システムの永続性を考慮する上で重視したポイントだ。旧態依然のシステム開発におけるソースコードはどうしてもエンジニアの“癖”が出てしまうため、ほかの担当者に引き継いだ際はイチからコードを解析する必要がでてくる。ほかのツールでは、GUIだけでは不十分でプログラミングが必要になるものも多かったが、「OutSystems」ではユーザの要望の8~9割近くをGUIの操作のみで実装することができる。これにより、開発をかなり効率化できると考えた。

「頼めばやってくれる」情報システム部門に、現場ユーザの評価を変えることに成功

導入当初はCTCから「OutSystems」で開発した業務アプリケーションのモック(サンプル)提供を受け、それを参考に自身で同じものを開発しなおすことで「OutSystems」の使い方を学んだが、実際に業務部門で利用するアプリケーションはフル内製化し、2名の担当者で進めている。これまでの1年半ほどで30弱のシステムを開発してきた同社が、最初に手がけたのは見積や売上実績、マスタ閲覧機能を保有する販売支援システムだ。

「このシステムは多数の営業関係者が利用します。インパクトが大きいところからスタートしようと、最初にこのシステムをリリースしました。現場部門が抱いていた情報システム部門への「思い」を変えていくためには、とにかく業務アプリケーションを作って、リリースしていくしかありません。このあとも現場からの依頼に、次々に対応していくことで、“情報システム部に頼めばやってもらえる”とユーザの期待値を高めることができました。また、副次的な結果として、様々な情報が情報システム部門に集まってきたということもあり、いい循環に変えられたと思います」(嶺澤氏)

実際に現場からの改善要望は数多く届いている。まさに「OutSystems」で開発した業務アプリケーションが日々利用されている証拠である。「OutSystems」なら、簡単なシステム改修は数十分で対応できる。以前の流れとは比べものにならないほどのスピード感で対応でき、業務の変化にタイムリーに応えられるようになった。

「要望を受けてから、調査→実装→受け入れ、という開発サイクルが内製化によって圧倒的に早くなりました。これまではユーザを「待たせて」いましたが、現在は逆に情報システム部門がユーザからのフィードバック「待ち」の時も多々あります。このスピード感がもたらす業務貢献への価値は大きいと思います」(嶺澤氏)

今後の展望

最新技術を積極的に取り入れ、情報システム部門の存在意義を示す

今後も、数百あった現場部門の業務アプリケーションを順次、「OutSystems」に統合していく予定だ。中には異なる拠点で似たアプリケーションを使っていたケースもあるため、これらの統合・整理もあわせておこなっていく。
また、現場ユーザからモバイル対応の要望も強く、モバイルアプリケーションの開発にも注力していく。現在は、既存のアプリケーションとは別に、スマートフォンやタブレットといったモバイルから在庫情報などを確認できるアプリケーションの開発を進めているが、将来的にはセキュリティ要件をクリアした上で、必要な業務アプリケーションをクラウド化し、社内ネットワークを経由しなくとも外出先から利用できる環境を整備したいと考えている。

ほかにもNoSQLデータベースを利用し、Wordファイルや画像・音声など非構造化データを可視化する仕組みの開発にも取り組んでいる。この仕組みのフロント部分を担うのも「OutSystems」だ。これらの取り組みの背景には最新技術を積極的に取り入れていく同社の情報システム部の姿勢がある。新しい情報システム部のあり方を実現した嶺澤氏は、最後にこう語った。

「イノベーターやアーリーアダプターとして新しい技術を取り入れていくことは、情報システム部の価値を高める上で大きな効果があります。最新技術を積極的に発信することで、情報システム部の存在意義を示すことにもつながりますし、この情報発信をきっかけに、現場から新たなリクエストが寄せられるなど、いい循環ができています。様々な製品やソリューションを扱っているCTCさんには、最先端の技術や新たなソリューションをどんどん提案していただきたいと、期待しています」

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