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事例・レポート

事例

GPU仮想化機能で機動力に富んだ3D CAD環境をエンジニアに提供

澁谷工業株式会社 様

会社名
澁谷工業株式会社
所在地
石川県金沢市大豆田本町甲58
設立
1949年
URL
http://www.shibuya.co.jp/

「VMware View」と最新仮想化技術で使い勝手の良い3D CADを実現

澁谷工業株式会社は、飲料メーカーの工場などで稼働するボトリングシステムや製函包装システムなどを主力製品とする国内最大手の機械製造メーカーだ。日本国内だけではなく、アジア、北米、欧州向けにも製品を輸出している。同社では、CTCの支援により、設計エンジニアが製品の設計を行う3D CADの環境をサーバ上で仮想化する仮想デスクトップシステム(以下、VDI)を導入した。3D CADシステムをVDI化したことにより、設計エンジニアは自分のノートパソコンからいつでも3D CADシステムを利用することが可能になり、作業効率が向上した。さらに、管理面では3D CADのライセンスの最適化やVDI環境の利用状況等も把握することが可能となり、管理負荷の軽減に効果を発揮している。

澁谷工業株式会社 取締役 グループ生産・情報統轄本部 情報・知的財産本部 経営情報システム部 部長 永井 英次氏

澁谷工業株式会社
取締役
グループ生産・情報統轄本部
情報・知的財産本部
経営情報システム部 部長
永井 英次氏

澁谷工業株式会社 グループ生産・情報統轄本部 情報・知的財産本部 経営情報システム部 主事 石森 学氏

澁谷工業株式会社
グループ生産・情報統轄本部
情報・知的財産本部
経営情報システム部 主事
石森 学氏

澁谷工業株式会社 グループ生産・情報統轄本部 情報・知的財産本部 経営情報システム部 三﨑 北斗氏

澁谷工業株式会社
グループ生産・情報統轄本部
情報・知的財産本部
経営情報システム部
三﨑 北斗氏

導入背景

機動力に富んだ3D CADシステムの導入でお客様の品質要求に応える

3D CADは主にボトリングシステムの設計に利用している。海外向けの場合、基本設計に基づいた提案が求められる一方、日本のお客様は、工場独自の品質管理や製品管理があり、それに合わせてより高い品質のボトリングシステムの提案が求められる。その基本的な構造は変わらないが、メンテナンスのやり方などお客様のリクエストに応じて変わってくるため、日本のお客様の厳しい品質要求に適切に応えていくには、3D CADの導入・活用は欠かせない要件だ。

ボトリングシステム製品は、液種や容器、生産能力などによって様々なシステムがある。主力製品であるPETボトル無菌充塡システムは、液を詰める充塡部などにおいて無菌状態が保たれている。万が一、充塡システムが稼働中に停止した場合、メンテナンスで人が介在することによりその状態は維持できなくなり、再び無菌状態に戻るには長時間費やしてしまう。しかし、品質が高く、トラブルの少ないボトリングシステムを納入することができれば、システム停止によるお客様の機会損失は最小限に抑えることができる。ただ、全くシステムが壊れないことは無いためその場合の対策として、無菌状態をどのようにコントロールするかという技術も澁谷工業では確立しており、その技術は、iPS細胞を培養する技術にも応用されている。

課題と効果

課題と効果

システム概要

vDGAを利用したVDI環境の導入により集約率を向上

「社内ネットワーク環境と負荷を考慮した場合、実データと作業環境、データベース、ファイルサーバなどは1ヵ所に集めて集中管理したいという課題がありました」(同社 取締役経営情報システム部 部長 永井 英次氏)。澁谷工業では以前から3D CADシステムを導入していたが、3D CADを利用する設計エンジニアのそばに大きなエンジニアリングワークステーションを配置する必要があり、メンテナンスや管理の手間が必要以上にかかっていた。数年前にはブレードサーバを導入して、ハードウェアの集中管理を実現することはできたものの、ブレード1枚に対して1ユーザーを割り当てるため、サーバの設置面積は思ったほど縮小させることはできなかった。

以上の課題を抱えながら、利用ユーザー増加に伴い増設を検討していたところ、CTCから、VDIを利用した3D CADシステムの提案があった。VDIであれば、ブレード1枚に対して1ユーザーではなく、複数のユーザーを収容できるため、より集約率を高めることができる。しかし、今回は通常のVDI化ではなく3D CADシステムの仮想化となるため、3Dの描画に関する課題を解決しなければならない。これに対するCTCの回答は、VMware Viewで実装されたvDGAという技術を用いるものであった。vDGAは、NVIDIAのハードウェアグラフィックカードを仮想マシンから直接アクセスできるようにするための技術である。加えてCTCから提案されたのは、HPのブレードサーバを利用したシステムだ。HPのブレードサーバには1ブレードに対しNVIDIAグラフィックカードを6枚搭載したオプションが提供されており、vDGAの技術と組み合わせればブレード2枚分のスペースで6人分の3D CADユーザーを集約することができ、設置面積や消費電力をおおむね3分の1に減らすことが可能となる。

澁谷工業様向けHP BladeWSシステム構成イメージ図

澁谷工業様向けHP BladeWSシステム構成イメージ図

導入効果

テスト環境で実際のパフォーマンスを実感し、仮想化技術の一本化へ

CTCの提案は、技術的に澁谷工業の要件が満たされた提案ではあったが、実際に使ってみないことには採用の判断ができない。そのため、導入前のフェーズとしてテスト環境を構築して、3D CADシステムを動作させた。その結果、以前利用していたものと同等程度のパフォーマンスであることが確認された。

また、以前から仮想化技術を一本に絞り、技術スキルを社内で蓄積する方針を進めており、部署内でVMware関連技術の情報共有を図った結果、3D CADという新しい分野でのシステム導入をスムーズに進めることができた。今回、3D CADの導入を実際に担当した同社 経営情報システム部 主事 石森 学氏および三﨑 北斗氏は次のように語る。「以前から業務系サーバの仮想化技術としてVMwareを採用しており、VMwareの技術スキルが経営情報システム部内に蓄積されていたことも導入を進める上で大きなポイントになりました」。

システム利用の裾野が広がり、システム稼働率の向上が実現

以前のブレードサーバを利用した3D CADシステムでは、管理側でいつ誰がどのシステムを利用しているかを把握することができなかったが、VMware Viewを導入したところ、利用状況を把握することが可能になった。3D CADを利用するエンジニアは常に設計作業をしているのではなく、打ち合わせや会議・出張などその他の業務も当然のことながら行っている。この利用状況が把握できたことで、社内の全部署に3D CADの導入をアナウンスし稼働率を高めることが検討できるようになった。「実際に、社内にアナウンスしたところ、今まで3D CADを使っていなかった部署から利用申請があり、学習期間を経て本格稼働となる予定です。今後も、稼働率を確認しながら利用部署を広げていきたいと考えています」(永井氏、石森氏)。

今後の展望

リモートアクセスでお客様に3D CADのプレゼンテーションを

管理面では、ハードウェアの集約による設置面積の縮小化、利用状況の把握などが実現できた。しかし、以前のブレードシステムと比較して、仮想化によりハードウェアが集約化されることに伴い、高パフォーマンスなストレージが求められるため、思ったよりもトータルコストは下がらず、これは今後の課題だ。「3D CADシステムの利用状況は、これから先もより集約率が向上することが見込まれるため、利用ユーザーの要望や技術要件などを確認しながら、引き続き導入していきたい」と永井氏は話す。

利用面では、今回導入した3D CADシステムは社内にリリースのアナウンスを行い、利用者も増えてきている。しかし、既存の2D CADで制作した機械設計図面も数多くあり、3D CADで設計するには、CADデータの再作成が必要となり、3D CADシステムを利用する上での検討ポイントとなっている。

また、「既に3D CADシステムを利用しているエンジニアからは、出張などの外出先から3D CADシステムを利用したいという要望があり、これを実現するためには、インターネットなどの外部の回線をスムーズに利用できる環境が必須となります」(永井氏)。3D CADの場合、画面の転送量が比較的多く、かつ、迅速なマウスのレスポンスが必要となるため、ホテルのインターネット接続回線で利用できるのか、3GやLTEなどの無線通信回線で利用できるのかなどの調査が今後、必要となる。実際には、「CTCの協力のもと引き続き検証を行い、エンジニアからの要望を実現していきたい。外部から接続して、3D CADが利用できるようになれば、お客様向けのプレゼンテーション時などその場で納入する製品のイメージを確認しながら行えるようになるため、当社の製品の良さをよりリアルにお客様に実感してもらえるものと確信しています」と永井氏は今後に向けた展望を語った。

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