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事例・レポート

事例

無線LANとiPadでワークスタイルの変革を促進

シスメックス株式会社 様

会社名
シスメックス株式会社
創業
昭和43年(1968年)2月20日
従業員数
連結:5,324名 単体:2,098名(2012年3月31日現在)
本社所在地
兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1丁目5番1号
URL
http://www.sysmex.co.jp/

セキュリティと利便性を両立する快適環境が実現

血液や尿、細胞などを採取して調べる検体検査の領域でグローバルトップ10に入るシスメックス。同社では、2010年の本社機構の再編に合わせて経営層・企画部門・管理部門の生産性向上を目指し、本社全エリアへの無線LANの導入を検討した。これにより仕事におけるフレキシビリティを高め、ワークスタイルの変革を促進。各部署間の意思の疎通およびコミュニケーションを活発化させて、部署を超えたコラボレーションが容易に行える環境の整備を目指したのである。

同社の要望を受けて伊藤忠テクノソリューションズ(以下CTC)では、アルバネットワークスの無線LAN製品とタブレット端末を活用するソリューションを提案した。シスメックスでは、iPadを部長級以上の役職者全員に配布し、すでにプレゼンテーションに大きな変化が見られるなど、積極的な活用が進む。同社では、本社での成果を受けて、R&Dの拠点であるテクノパークやマーケティング、ロジスティックス、サービス&サポートのソリューション機能を集約したソリューションセンターについても、無線LAN環境の整備を進めていく方針だ。

シスメックス株式会社 経営企画本部 情報ソリューション部長 松森 信宏 氏

シスメックス株式会社 経営企画本部 情報ソリューション部長
松森 信宏 氏

シスメックス株式会社 情報ソリューション部 システム管理課 ネットワーク管理係 リーダー 島田 匡人 氏

シスメックス株式会社 情報ソリューション部 システム管理課 ネットワーク管理係 リーダー
島田 匡人 氏

お客様企業概要

検体検査で世界トップ10に入る唯一のアジア企業

シスメックスは、血液や尿、細胞などを採取して調べる検体検査を事業の核として、豊富な製品やソリューションを世界中の医療関係者に提供してきた。同社は、1963年に国産初の血球計数装置の開発に成功して以来、医療業界で事業領域を拡大し、機器・試薬・検査情報システムなどを提供する総合サプライヤーの地位を確立すると共に、事業領域をライフサイエンス領域へと拡大している。

グローバルな視点からも同社は、検体検査領域でトップ10に入る唯一のアジア企業であり、特にヘマトロジー(血球計数検査)では世界No.1のポジションを確固たるものとしている。そして、日本を基点とする販売・サービスネットワークをグローバルに構築。40を超えるグループ関係会社を通じて、世界170カ国以上の顧客に製品とサービスを提供し、海外売上比率は70%を占めている。

導入背景

本社機構の再編を機に全館に無線LANを導入

シスメックスでは、2008年10月にR&Dの拠点であるテクノセンターを2倍に拡張してテクノパークを開設した。テクノパークは敷地の半分以上を緑地や池など自然のエリアが占め、一画には日本庭園や茶室なども設けられている。また、研究者同士のコミュニケーションを促すため、各施設にはコラボレーションエリアを設けるなど、技術者の創造性を高め、活性化する仕掛けが随所に盛り込まれている。こうした仕掛けの1つとして、CTCの提案を受け、公共的なエリアに限定して試験的にアルバネットワークスの無線LAN製品を導入した。

その後、2010年に本社機構を再編。それを機に本社の全エリアにアルバ製品による無線LANを導入した。その狙いについては、経営企画本部 情報ソリューション部 部長 松森 信宏 氏は次のように説明する。

「1番の目的は、企画部門・管理部門などの生産性をいかに高めるかという点でした。そのため各部署間の意思の疎通を良くして、部署を超えたコラボレーションができる環境作りが不可欠と考えました。それには個々の社員が自分の席に常に固定されているようでは問題です。いつでもどこでも容易にコミュニケーションできる環境、それを実現するためのツールがタブレット端末やスマートフォンであり、核となるインフラが無線LANと考えました。」

製品選定の要件

「セキュリティ」と「自由度」を高レベルで両立したCTCの提案

無線LAN製品の選定にあたって同社が要件として課したのが、高いセキュリティとネットワーク構成の自由度の高さ、拡張性であった。CTCでは今後、同社が無線LAN環境を大規模展開(3拠点)していくことが予想されていたため、機能的な優位性(集中管理や、細かなロール設定が可能)だけでなく、タブレットの運用(ClearPass〈旧Amigopod〉)、および無線環境運用(AirWave)を含めて、ワンストップで無線環境を整備できるアルバ製品が最適と考え、提案を行った。

「無線は目に見えないため、特にセキュリティを重視しました。その点、CTCが提案してくれたアルバ製品は、米国防総省(ペンタゴン)が採用するという実績を持っており、大きな決め手になりました」と情報ソリューション部 システム管理課 ネットワーク管理係 リーダー 島田 匡人 氏は語る。

一方で、無線LAN導入の目的の1つは各部署間のコミュニケーションを活発化することであるため、ユーザーの利便性を損なうようでは問題だ。

「セキュリティと自由度という相反する命題を最も高いレベルで両立したのがCTCの提案でした。実際、WAN越しのアクセス機能は、当時アルバ製品が唯一可能にしていた機能であり、高く評価しました。加えて、ネットワークの管理者という立場からトラブル時に状況を可視化できる点にも大きなメリットを感じました」と島田氏は語る。

導入効果

ワークスタイルの変化をトップダウンで促進

システム概要イメージ

現在、同社ではモビリティコントローラーにAruba 3600を2台、AP(アクセスポイント)にAP135を29台導入し、無線LAN環境の活用を促進する一環として、タブレット端末のiPadを部長級以上の役職者全員に配布した。

「iPadの活用を通じて、これまでのPC中心とは異なるワークスタイルの変化をトップダウンで促進したいという想いがありました。そのためiPadの常時携帯を呼びかけましたが、抵抗なく受け入れてもらいました」と松森氏。

CTCでは、iPadの活用にあたり、セキュリティを担保し、かつ、利用者に負担をかけずに快適な利用環境を構築するため、お客様と運用・管理方法を考え、いかに実現していくかという点に強く配慮した。

iPadの配布で大きく変わったのはプレゼンテーションと会議の進め方だという。ちょっとした打ち合わせや会議は画面上のやり取りだけで完結するため、紙ベースでやり取りするケースが大きく減少した。また、iPadやiPhoneの画面を直接、大型ディスプレイに出力できるApple TVの活用も進む。

「会議の際に、特に事前の準備がなくとも自分の手元の資料を簡単に画面表示できますから、情報の共有が容易かつ早くなりました。また、社内の様々な場所に大型ディスプレイを設置していますが、これを使って、ちょっとした立ち話から活発なコミュニケーションに発展するケースも見受けられます」と島田氏。

ゲスト利用者の登録作業の軽減

世界各地に40以上の拠点を持つ同社では、海外法人からの出張者が会議などで集まってくる。その際には、PC接続用にポートとケーブルを人数分用意するなどして対応していた。

「例えば、全体会議で40カ国から各2名が来日すると80名。これに国内のメンバーが加わると100名を超えます。そうした大人数が集まる会議が四半期ベースで行われるので、事前準備にも多くの手間と時間が掛かっていました」と島田氏。

以前は国内拠点のユーザーであってもタブレット端末は利用できなかったため、その都度、システム部門でWi-Fi利用申請登録を行っていたが、これも手間の掛かる作業であった。また、海外拠点のメンバーからは自分達もWi-Fiを利用させて欲しいという要望も上がっていたという。こうした課題に対して、海外拠点のメンバーなどの出張者(ビジター)へのパス発行をAruba 3600モビリティコントローラーで実現することで、ビジター管理の大幅な簡略化を実現したのである。

安定運用や負荷の軽減でも無線LANのメリットは大きい。例えば、有線ではユーザーが勝手に空ポートにケーブルを差して、ループが発生したことが何度かあった。無線ならこうしたエンドユーザーの人為的ミスを大幅に排除できる。

今後の展望

他拠点にも無線LANを展開

「もし、ネットワークが停止すれば業務停止にも等しい訳ですし、システム部門は他の作業をストップして最優先で復旧対応にあたります。CTCはその意味でもネットワークの安定運用に大きく貢献してくれました。今回、本社の無線LAN導入では、『保険』の意味もあって有線設備をかなり残していました。これも効果を十分に検証できたことから、他拠点での無線LAN導入では、有線を大幅に縮小すると思います。そうするとTCOの観点からもより大きな効果が期待できると考えています」と島田氏は高く評価する。

松森氏も、「CTCは長年、当社のインフラ構築・運用に関わって、状況を熟知しており、高い技術力とノウハウを有し、サポート対応も確実で早いと評価しています。今回の無線LAN構築でも、待ったなしの限られた時間の中で、3週間も張り付いてカットオーバーに間に合わせてくれました。やはり、重要なシステムは決して他社にはお願いできないと感じています」と強い信頼を寄せる。

本社での成果を受けて、同社は今年度中に、R&Dの拠点であるテクノパークとマーケティング、ロジスティックス、サービス&サポートのソリューション機能を集約したソリューションセンターへの無線LAN導入を進めていく計画だ。同時に、通信速度の高速化を図り、通信環境を拡充していく。

CTCでは、全拠点における無線LAN環境の円滑な構築とあわせて、無線APとタブレットを利用したUC(ユニファイド・コミュニケーション)の活用を提案している。UCにより、電話、メール、テレビ会議、Web会議などさまざまなコミュニケーションツールを統合し、業務プロセスに応じた使い分けが可能な環境を実現。同社のコラボレーションの促進に貢献していく。

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