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事例・レポート

事例

今後の飛躍的成長を目指しSAP ERPへと移行
その基盤となるクラウドにはCUVICmc2を選択

ヤマシンフィルタ株式会社 様

会社名
ヤマシンフィルタ株式会社
設立
1956年4月
所在地
神奈川県横浜市中区桜木町1丁目1番8号 日石横浜ビル16階
URL
http://www.yamashin-filter.co.jp/

建機用フィルタで圧倒的なシェアを獲得し、新規市場開拓やグローバル化も積極的に展開しているヤマシンフィルタ。今後の飛躍的な成長を支えるため、基幹システムの刷新が行われた。同社で選定されたのがSAP ERPであり、これをグローバル/ワンインスタンスで運用することになったのだ。システム基盤となるクラウドとしてはCUVICmc2を選択。高い堅牢性と運用負荷軽減、事業継続性を可能にするDRを実現している。またERPと同じデータセンターでのハウジングによって、クラウド化が難しい周辺システムの収容も行われている。

ヤマシンフィルタ株式会社 取締役 管理本部長 井岡 周久氏

ヤマシンフィルタ株式会社
取締役 管理本部長
井岡 周久氏

ヤマシンフィルタ株式会社 管理本部 情報システム部 部長 鴫原 浩修氏

ヤマシンフィルタ株式会社
管理本部 情報システム部 部長
鴫原 浩修氏

課題と効果

課題と効果

建機用フィルタ市場で圧倒的なシェアを獲得
新規市場開拓やグローバル化も積極的に展開

1956年に山信工業株式会社として設立され、建機用フィルタの製造販売を主力ビジネスとして成長を続けてきたヤマシンフィルタ株式会社。建機用フィルタとは、建機を動かす油圧回路の作動油や燃料のディーゼルオイル、エンジン駆動に必要な潤滑油をろ過するために、必要不可欠なものである。また同社は建機向け以外でも、産業向けフィルタや、ナノレベルのろ過が求められるプロセス向けフィルタも提供している。

これらの中でも建機用フィルタ市場では、圧倒的なシェアを獲得。その背景には、顧客である建機メーカーに寄り添うことで、厚い信頼関係を築き上げてきたことが挙げられる。建機ユーザーへの直販は行っておらず、補給部品も含めた製品の提供先を、建機メーカーに一本化しているのだ。その一方で、フィルタのキーパーツである「ろ材」を独自開発し、高度な技術基盤を磨き上げていることも大きな特徴だと言える。フィルタメーカーではろ材を社外調達するのが一般的であり、これを自社で開発・製造している企業は珍しい存在なのである。

グローバル展開にも積極的だ。1989年にフィリピン・セブ島に現地法人を設立したのを皮切りに、オランダ・ロッテルダム、タイ・アユタヤ、中国・上海などに、続々と現地法人を立ち上げてきた。現在では世界8か所に拠点を展開。日本、アジア、北米、欧州の4極体制をベースに、どこへでもフィルタを届けられるグローバルネットワークを確立している。

「当社はまだ成長の途上です」と語るのは、ヤマシンフィルタで取締役 管理本部長を務める井岡 周久氏。今後も海外のポートフォリオを本格的に展開すると共に、ナノフィルタなどの革新的な新素材を活用した新規事業も、拡大していく必要があるという。「そのためには経営基盤のさらなる強化が必要になりますが、その一環として基幹系システムの刷新も重要な課題になっていました」。

これからの成長を強力にサポートするため
基幹システムをSAP ERPへと移行

ヤマシンフィルタが基幹システムの見直しに着手したのは2015年。「そのきっかけとなったのは、東京証券取引所市場第一部への上場でした」と振り返るのは、管理本部 情報システム部で部長を務める鴫原 浩修氏だ。同社は2014年10月に東京証券取引市場第二部へと上場済みだったが、2016年3月に第一部銘柄へと指定変更されているのである。「しかし以前の基幹システムは、中小企業向けのグローバルパッケージを採用しており、各拠点にサーバを設置して運用していました。すでにシステム自体が老朽化しつつありましたが、他にもいくつかの問題が顕在化していたのです」。

最も大きな課題は、このパッケージがこれから目指す企業規模に、適合していないということである。また拠点毎に運用していたため、全社レベルでの経営情報把握が難しく、事業別・製品別の収益把握にも時間がかかっていたという。その結果、全体最適化が難しく、どうしても各拠点毎の個別最適な対応をせざるを得なかった。

当然ながら連結決算の負荷も大きかった。「当社では早くから働き方改革に取り組んでおり、基本的に残業なしで業務を行っています。しかし期末には膨大な作業を行う必要があり、この時期だけは残業を避けることができませんでした」(鴫原氏)。

これらの問題の解決策として、2015年末にはSAP ERPの導入を決定。その最大の理由は、今後の事業規模に見合ったグローバルパッケージだからだと鴫原氏は説明する。またシステムの運営方法としては、これまでのようなオンプレミスをやめ、クラウドへの移行を決定。これらの基本方針を明確化した上で、2016年1月には複数ベンダーにRFPを提示している。

そして2016年3月には、導入パートナーにJFEシステムズを選択。SAP ERPを動かすクラウドサービスとしては、JFEシステムズが提案したCUVICmc2を採用している。

将来の運用を考えるとクラウド化は必須条件
3つの理由からCUVICmc2の採用を決定

それではなぜクラウド化を基本方針としたのか。その理由を鴫原氏は次のように述べる。

「全社レベルで経営情報を集約し、スピーディに意思決定を下していくには、グローバルでワンインスタンスでの運用が必要です。また事業継続性を確保するためには、複数のデータセンターを用いたDRも欠かせません。このような運用をオンプレミスで行うのは、社内の人的負担やコストが大きくなってしまいます。今後の長期的な運用を視野に入れると、クラウド化は必須条件だと考えました」。

そのクラウドサービスとしてCUVICmc2を選択した理由は、大きく3点あったと説明する。

第1は、SAP ERPに代表される基幹システムに最適化された、信頼性の高いクラウドサービスであることだ。グローバル/ワンインスタンスで運用する以上、システムダウンはビジネスに大きな影響を与えてしまう。これを回避できるシステム基盤が求められた。

第2は、SAPインスタンス以外のサーバを仮想マシンとして立ち上げられるだけではなく、ハウジングも可能な点である。「勤怠管理やワークフローシステムなど、ハウジングで運用したいシステムもあったので、ERPと同じデータセンターにハウジングできることは、大きな魅力となりました」(鴫原氏)。

そして第3が、JFEシステムズだけではなく今回の入札に参加した他のベンダーも、CUVICmc2を提案していたことである。SAP ERPの導入に携わるベンダーが揃って提案するというのは、業界でも高く評価されている証左だといえる。そのため「CUVICmc2の採用はごく自然な流れでした」と鴫原氏は振り返る。

JFEシステムズとCTCのチーム力で
導入期間を当初の想定よりも大幅に短縮

2016年6月にはプロジェクトがスタート。本社機能および佐賀工場とフィリピン・セブ工場、および北米拠点への導入を2017年10月に実現。更にEU・タイへの導入を2018年1月に実現した。これと並行して、JFEシステムズが提供するSAP向けデータ分析支援BI/DWH「KPIMart」も導入。全社連結したKPIレポートによる、収益管理の可視化も行われた。

「JFEシステムズとCTCは強力なチーム力を発揮し、柔軟かつ迅速にプロジェクトを進めてくれました」と鴫原氏。ヤマシンフィルタが決めた要件を短期間で実装し、当初考えていた導入期間を大幅に短縮できたという。「特にフィリピンへの導入では、BIR(内国歳入庁)の制度が厳格化され、システム稼動前監査承認ルートの変更や監査強化も必要になりましたが、両社の強力な支援によって、予定よりも時間は要してしまいましたが、無事認可を受けることができました」。

SAP ERPと共に、SAP BusinessObjectsも導入されている。また前述のように、勤怠管理システムやワークフローシステムなども、2017年9月にCUVICmc2へとハウジングされている。

現在のシステム構成は図に示すとおり。CUVICmc2の東日本データセンターをプライマリーサイトとし、ここでSAP ERPと周辺システムを運用。セカンダリーサイトとしてCUVICmc2の西日本データセンターが使用され、ここにもSAP ERPと周辺システムが導入されている。SAP ERPの本番データはプライマリーサイトからセカンダリーサイトへと同期されており、プライマリーサイトでのERP運用が不可能になった場合には、セカンダリーサイトで運用を継続できるようになっている。なおハウジングされている周辺システムのデータはサイト内でバックアップされているが、近い将来にはセカンダリーサイトへの同期を行い、ここでもDR環境を実現する計画だという。

構成イメージ

ワンインスタンス化で経営情報を集中管理、
堅牢性も向上、計画外停止は1件もなし

それではこのようなシステム構成にすることで、どのようなメリットが得られているのか。まず挙げるべきなのは、グローバルでワンインスタンスにしたことで、経営情報の集中管理が可能になったことである。予算管理や収益性分析が容易になり、連結決済の負荷も大幅に軽減したのだ。その結果、期末処理も残業を行わずに完了するようになったという。

システム基盤にCUVICmc2を採用したことで、堅牢性も向上した。計画外のシステム停止は、これまで1件も発生していない。システム基盤の運用負荷も軽減した。以前はサーバ管理などをすべて社内で行っていたが、その必要がなくなったのだ。

「課金に関しても、CUVICmc2は明細がきめ細かく記載されており、非常に透明性が高いと感じています」(鴫原氏)。

そしてもう1つ見逃せないのが、SAP ERPへと移行したことで、新規事業への対応や生産拠点の見直しなども、柔軟に行えるようになったことだ。

「例えばナノフィルタ事業は2017年11月に量産技術を確立し、2019年1月には組織改編などを行い新規事業への対応を迅速に進めることで、成長のスピードを高めることができます」と井岡氏。また生産拠点に関しても、現在はフィリピン・セブが中核となっているが、これを分散・最適化させることも計画しているという。「現在の時価総額は500億円前後ですが、これを2021年度までに2000~3000億、2025年度には1兆円にしていくことが当社の目標です。新しい基幹システムはそのための基盤ですが、それをサポートするパートナーの資質も重要です。JFEシステムズとCTCにはこれからもぜひ継続して、充実したサポートを行っていただきたいと思っています」。

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