コラム

Windows Server 2008 検証レポート

検証レポート Vol.13~ HYPER-V 続 ~

更新

CTCの独自視点を織り交ぜたWindows Server のポイントを解説

著:クロスファンクショングループ ITエンジニアリング室 プラットフォーム推進部 杵島 正和 13-0213

Windows Server 2008を検証するにも、まずはインストールしなければいけない。といってもWindows Serverのインストール手順は、それこそあちこちにある(だろう)から、今回の検証で使用する実際のハードウェアに関係するポイントを中心にまとめる。

HYPER-Vのネットワーク

シンプルな仮想ネットワークマネージャのGUI

HYPER-Vでは3つのタイプが選択できる。外部のサーバとの接続を行う必要がある場合は「External」で設定されたネットワークを、ゲストOSとの通信のみでよいのなら(外部との通信は行わないなら)「Private」で設定されたネットワークを使用することになる。
「Internal」を選ぶとペアレントパーティションとのみ通信が可能になる。仮に外部通信用のネットワークを作成する場合、ネットワークの名前を入力して「Connection Type」の項目で「External」を選択し、外部通信用のネットワークカードを選択するだけでよい。

ext1という新しい接続が追加されている

こうして、ネットワークができるとWindows Server 2008上のネットワーク構成はこのように変化する。新たに先ほど設定した仮想ネットワークが認識されている。物理NICのプロパティを見てみると、「Microsoft Virtual Network Switch Protocol」のみ使用するようになっている。

もともとのNICのプロパティ画面

HYPER-V上のExternal仮想ネットワークではVLANをサポートしているので、より複雑なネットワーク構成を実現できるようになっているようだ。

ゲストOSのインストールと設定

ウィザードの最初の画面

さて実際のゲストOSのインストールを行ってみる。「HYPER-V」マネージャを起動し、右ペインの「New」-「Virtual Machine」をクリックして、あとはウィザードの指示通りに進めば仮想マシンは作成できる。注意点というほどのことでもないが、もし仮想マシンをデフォルトのインストールパスから変更したい場合は、ウィザードの最初の画面(左記参照)で「Store the Virtual Machine in a different Location」を選択する必要がある。中段のチェックボックスをオンにすることで、任意の場所に仮想マシンを保存可能になる。

インストールメディアをマウント

さらに、仮想マシンを作成したら、すぐにゲストOSのインストールを始めたいのであれば、あらかじめメディアかISOファイルを指定しておくことができる。デフォルトの設定では仮想マシンが作成されるため、手動で起動してインストールメディアをマウントする必要がある。仮想マシンが作成されたらゲストOSをインストールし、その後Integration Moduleをインストールすれば完成である。

この機能は現時点でWindows Server 2008のみの対応

もしゲストOSがWindows Server 2008であるならば、CPUの追加が可能になっている。残念なことにゲストOSがオンライン状態での追加はできないので、一度ゲストOSをシャットダウンしたあとで、CPUを追加する。

2個のCPUを認識しているのがわかる

追加できるのは、2個ないしは4個。追加したい個数を選択し、OKをクリックすればよい。あとは追加した仮想マシンを起動してタスクマネージャを起動すると、確かに2個認識している。

最後に、ゲストOSがWindows Server 2003の場合の注意点をいくつか記す。
Windows Server 2003では、Integration ModuleをインストールしないとVM-BUSを認識できないため標準のネットワークを認識できない。また、Windows Server 2003にIntegration Moduleをインストールするには、SP2が必要になる。整理すると、下記のような手順となる。

  1. 仮想マシン作成
  2. ゲストOSとしてWindows Server 2003をインストール
  3. SP2を適用
  4. Integration Moduleをインストール
  5. ネットワーク設定

まとめ

HYPER-Vはやっと公開ベータの扱いになったばかりであり、制約もかなり存在する。しかしながら、Integration ModuleをインストールできるWindows Server 2008あるいはWindows Server 2003をインストールして簡単な動作を試す限りにおいては、特に不安定な部分もなく、素性のよさを感じさせる製品である。今後の開発に期待したい。

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