コラム

Windows Server 2008 検証レポート

検証レポート Vol.21 ~Hyper-V RC0 その1 ~

更新

CTCの独自視点を織り交ぜたWindows Server のポイントを解説

2008年04月16日

著:クロスファンクショングループ ITエンジニアリング室 プラットフォーム推進部 杵島 正和 21-0416

2008年3月に待望のHyper-VのRC0がリリースになった。このバージョンでやっと日本語環境に対応となり、GUIも日本語化された。またWindows VistaからHyper-Vの仮想マシンを管理するための管理コンソールのスナップインも同時に発表された。本格的にテストを行っていくのに必要な環境が整いつつある。
そこで、Vol.12およびVol.13でBetaバージョンを試した内容を記載しているが、それを踏まえつつ、改めてHyper-V RC0を使っていきたいと思う。

Hyper-V RC0のインストール

インストール方法については、マイクロソフト社で公開しているものがあるので、細かい点はそちらを参考にしてほしい。

Windows Server 2008 の Hyper-V RC0 版インストール方法
http://www.microsoft.com/japan/windowsserver2008/virtualization/howtoinstall.mspx新しいウィンドウで開く

今回はWindows Server 2008 Enterprise Edition(x64)にマイクロソフト社のダウンロードサイトから、下記の更新プログラム(KB949219)をダウンロードする。
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?displaylang=ja&FamilyID=ddd94dda-9d31-4e6d-88a0-1939de3e9898新しいウィンドウで開く

今回は新規に構築することにしたので、Windows Server 2008をインストールし、先ほどのパッケージを適用して再起動する。OS起動後ログオンし、サーバマネージャから役割の追加で「Hyper-V」を追加するだけでよい。

Beta版からの変更点

日本語化されたHyper-Vの管理画面

画面で確認するかぎり、以下のような変更点がある。

  • 管理コンソール
    日本語対応といっているだけに、当たり前だが管理コンソールは日本語表示になっている。
  • 仮想マシンの設定画面
    プロセッサの追加の項目において、Windows Server 2003に対してもCPUの追加が可能になっている。
  • 統合サービス(Integration Module)のサポートの拡大
    Windows Vista SP1 x86およびWindows XP SP3(といっても4月11日時点で正式リリースされてないのだが)。

ゲストOSのインストール

Windows Server 2003/ Windows VistaはゲストOSインストール後、統合サービスをインストールすることで、マウス連動等の機能が動作するようになる。Windows Server 2008をゲストOSとしてインストールした場合は、統合サービスのインストールを行っても失敗してしまう。対応としては、以下の更新モジュールを適用することで統合サービスが正常に動作するようになる。

Windows Server 2008 x86用 QFE (KB949219)
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyId=B7464B44-821D-4A7C-9D9C-7D74EC14437C新しいウィンドウで開く

Windows Server 2008 x64用 QFE (KB949219)
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyId=DDD94DDA-9D31-4E6D-88A0-1939DE3E9898新しいウィンドウで開く

これはWindows Server 2008に含まれている統合サービスのモジュールが古いためであり、このモジュールを適用することで最新のものになる。統合モジュールが最新の状態でないとネットワークドライバが正常に動作せず、Hyper-Vで採用された新しいタイプのネットワークカードを認識しない。よって、このモジュールを適用する場合はCD-ROMなどに焼いてゲストOSに適用するか、あるいはレガシーネットワークのカードを追加して、ネットワーク経由でコピーする方法をとる必要がある。

また、HYPER-VのペアレントOSにリモートデスクトップで接続してゲストOS(チャイルドOS)を管理する場合、必ずゲストOSには統合サービスをインストールしておく必要がある。もしインストールしていなければマウスが使用できない。このようにVistaやXPもサポートされ、弊社のようなSIerが検証環境を構築しやすくなった。
また、前回のコラムで紹介したとおり、デモ環境の構築にHyper-Vの機能をフルに活用している。そのあたりの経験も踏まえ、次回以降、ゲストOSの挙動を中心に確認していこうと思う。

次回予告:検証レポート Vol.22 ~ Hyper-V RC ~(2008年4月23日公開予定)

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