コラム

Windows Server 2008 検証レポート

検証レポート Vol.22 ~Hyper-V RC0 その2 ~

更新

CTCの独自視点を織り交ぜたWindows Server のポイントを解説

著:クロスファンクショングループ ITエンジニアリング室 プラットフォーム推進部 杵島 正和 22-0423

まず最初に、4月15日、16日の両日に行われたthe Microsoftカンファレンス2008に参加され、弊社ブースにお立ち寄りいただいたすべてのお客様に厚く御礼申し上げます。今回はNAP、ターミナルサービス(シンクライアント)、SharePointを中心に展示を行いましたがいかがでしたでしょうか。今後も弊社らしいWindowsソリューションを提示していきたいと思う所存です。

さて今回はHYPER-VでのゲストOSのインストール場所に関してレポートしたい。

HYPER-V でのゲストOSのインストール場所

HYPER-VでのゲストOSのインストール場所に関してはいくつかの構成が考えられるが、主な例を挙げてみる。

  1. ペアレントが動作しているサーバにゲストOSも一緒にインストール(外部ストレージなし)
  2. ゲストOSをペアレントの外部ストレージにインストール
  3. ゲストOSはペアレント上にインストールするが、データ領域として追加のDiskを外部ストレージにおき、たとえばクラスタ構成にする

まずはこのような使い方が可能かどうか、試していくことにする。

1.ペアレントが動作しているサーバにゲストOSも一緒にインストール(外部ストレージなし)

図1:CPUが追加できるゲストOSにWindows Server 2003が加わったことが書かれている。

ゲストOS を作成する際に、メモリを多めにとって(2GB)、CPUを追加する。(図1)

図2:OSは64ビットとして、またタスクマネージャでCPUは2つ認識されている。

「OK」をクリックして、Windows Server 2008のインストールを始める。今回はExchange Server 2007をインストールしたいので、x64版をインストールした。インストール後に確認するとこのようにごく普通に動いているのがわかる。(図2)

さて、あとはExchange Server 2007をインストールするが、Windows Server 2008にExchange Server 2007をインストールするのは結構苦労した。 MicrosoftのTechNetライブラリ( http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/bb691354(EXCHG.80).aspx )に記載されているが、Exchange Server 2007をインストールするために前提としてインストールしておくべきものとして、Windows Server 2003の場合には追加インストールする必要があるモジュールがいくつも存在した。だがWindows Server 2008にはこれらのモジュールがほとんど用意されており、さらに言えば、Exchangeが想定しているよりも新しいバージョンのモジュールが入っている。例えばIIS 7の環境ではそのままではExchangeは動作しないため、設定を変更する必要がある。上記のTechNetライブラリにはコマンドで各種の設定を変更する手順が記載されているが、実際にはGUIで設定できる項目も多い。できれば併記してくれるとわかりやすかったのだが。

図3:Exchange Server 2007の管理コンソールを立ち上げてみたが、特に問題なし。

Exchange Server 2007がインストールされて、管理画面を表示すると、このような感じになった。(図3)

2.ゲストOSをペアレントの外部ストレージにインストール

図4:iSCSIのターゲットのアドレスを設定して、「ターゲット」タブで接続完了になっていればよい。

Windows Server 2008はOS標準機能としてiSCSIのイニシエータを持っている。今回はこれを用いてペアレントOSにiSCSIのストレージを認識させ、その認識されたドライブに対してゲストOSのインストールを行ってみた。つまりはペアレントの外付けDiskにバーチャルハードディスクを格納した。最初にペアレント側のWindows Server 2008にiSCSIストレージを認識させるための設定を行う。「iSCSIイニシエータ」を起動し、iSCSIストレージを探索し、ターゲットを設定する。(図4)

図5:「Eドライブ」がiSCSI上のディスクになる。ここに保存するように設定する。

そしてペアレントがこのディスクを認識したらフォーマットし、ドライブレターを付与する。あとは、ここにゲストOSのVHDを保存するようにゲストマシンを作成すればよい。(図5)

図6:普通に使えるHYPER-V上のゲストOS

作成されたゲストマシンに対してOSのインストールを通常どおり行えばよい。OSのインストールが終われば、何の問題も無く動作しているのがわかる。(図6)一般的に仮想環境の場合にはDiskがボトルネックになることが多いが、外部ストレージに高速なものを利用できるならその懸念はかなり抑えられるものと思われる。

ここまでいくつか試してみたが、ゲストOSをインストールして動かす分には特に大きな問題は見られなかったように思う。次回は、ゲストOSでのクラスタ構成を試してみようと思う。

次回予告:検証レポート Vol.23 ~ Hyper-V RC その3~

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