コラム

Windows Server 2008 検証レポート

検証レポート Vol.24 ~Hyper-V RC0 その4 ~

更新

CTCの独自視点を織り交ぜたWindows Server のポイントを解説

2008年05月14日

著:クロスファンクショングループ ITエンジニアリング室 プラットフォーム推進部 杵島 正和 24-0514

前回に引き続きゲストOSをクラスタ化してみよう。今回は、Windows Server 2008の環境をクラスタ化する。

Windows Server 2008のクラスタ

Windows Server 2003からの変更の概要は以下になる。

  • Serial Attached SCSIのサポートの追加(パラレルSCSIのサポートの終了)
  • クォーラムディスクの形式変更(クォーラムドライブが単一障害点になることの防止)
  • 地理的分散クラスタへの対応
  • サービスアカウントの廃止

名称も「フェールオーバークラスタリング」となり、「機能」として追加する必要がある。では早速、Windows Server 2008のクラスタを構成してみよう。

HYPER-V でのゲストOSのクラスタ (Windows Server 2008 編)

今回は、LH01とLH02のふたつの仮想マシンを、1台のHYPER-V上に用意した。まずは、クラスタを構成する両方のノードをドメインに参加させておく(ドメインに参加していないとクラスタを構成するタイミングで、エラーメッセージが表示される。)。また、今回も前回と同様にクラスタ用の共有ディスクはiSCSIのディスクを使用している。そのため、事前にiSCSIイニシエータでディスクを設定しておく必要がある。

図1:フェールオーバークラスタ管理の画面

では両方のノードで「サーバーマネージャ」から「機能」の「追加」で「フェールオーバークラスタリング」を追加する。追加が完了したらLH01で「フェールオーバークラスタ管理」のMMCを起動してみる。(図1 ※従来までのクラスタアドミニストレータとは明らかに違う)

図2:構成の検証ウィザード

そしてヘルプなどによると、クラスタを構成する前に必ず「構成の検証」を行うのが推奨ということなので、「構成の検証」をクリックしてウィザードを起動してみる。ウィザード形式で進むのでそんなに面倒ではないが、クラスタに参加させる予定のサーバがオンラインであればすべてチェックできるようである。定義されたテストにすべて合格すると「クラスタに適しています」という画面が表示され、「レポートの表示」をクリックすればテストのレポートが参照できる。(図2 ※クラスタを構成するにはすべてのテストに「成功」していなければならない。また検証レポートは、ブラウザで参照することができ、リンクをたどれば詳細も確認できる。)

図3:入力が必要なのは、この画面しかないといってもよい

テストが問題なく完了すれば、「クラスタの作成」をクリックして、クラスタを作成する。クラスタを作成するときに必要な情報は、クラスタを構成するノードのコンピュータ名と、仮想クラスタ名と仮想IPアドレスだけである。(図3)

図4:「いいえ」を選んで進むことも可能だが、あまり感じがよくない画面である

クラスタが完成するが、この状態ではクォーラム構成が「ノードマジョリティ」という状態になっており、クラスタとしては不完全な状態という表示になる(当たり前だが)。そこでノードの追加を行ってみた。「クラスタの管理」をクリックし、右ペインの「ノードの追加」をクリックする。追加するノードを入力すると、ウィザード内で必ず「構成の検証」を行うように警告が表示される。(図4)

図5:クラスタが2ノードで構成されている様子

検証が問題なく完了するとクラスタが作られ、はれて2ノードクラスタとなる。クラスタの構成が完了すると図5のような画面となる。

フェールオーバークラスタ管理の画面と、Windows Server 2003時代のクラスタアドミニストレータ画面を思い出して比較してみると、クラスタのリソース管理単位がディスクグループだったものが「サービスとアプリケーション」に変わっていることに驚く。とりあえず、ファイル共有リソースを作成しフェールオーバー試験を行ってみたが何の問題もなく動作することを確認した。

今回は、HYPER-V上でWindows Server 2008のクラスタを構成してみようというのが主題であったので、Windows Server 2008のクラスタ機能の細部には触れないが相変わらずクラスタを作成するのは非常に簡単な点は変わっていない。 Windows Server 2008のクラスタに触る機会が今までなかったのだが、今回触ってみてガラッと変わってしまったことがわかった。クラスタの機能に関しては別の機会を設ける必要があるようだ。

次回予告:検証レポート Vol.25 ~ Hyper-V RC その5~

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