コラム

Windows Server 2008 検証レポート

検証レポート Vol.25 ~Hyper-V RC0 その5 ~

更新

CTCの独自視点を織り交ぜたWindows Server のポイントを解説

著:クロスファンクショングループ ITエンジニアリング室 プラットフォーム推進部
杵島 正和 25-0522

HYPER-Vのディスクコントローラ

先週までクラスタを作成する手順を試してみて1つ気になったことがある。HYPER-VがゲストOSに提供しているディスクコントローラである。IDEタイプとSCSIタイプの2種類がある。これはVirtual Server 2005 R2でも同様であるが、できることが微妙に違う。

図1:SCSIアダプタのプロパティ画面

まず、HYPER-VではゲストOSのブートコントローラにはIDEのものしか現時点では指定ができない。SCSIコントローラにつながったディスクをブートディスクに設定しようとしてもエラーになってしまい設定できない。

さらに図1を見てほしい。

これは、Virtual Server 2005 R2の管理画面におけるSCSIアダプタのプロパティ画面である。中央付近に「SCSIバスをクラスタのために共有する」という設定があり、これをオンにすることで、Windows Server 2003でのサーバクラスタの試験など(2ノード環境のみ)行うことができていた。

しかし、HYPER-VでのSCSIコントローラには同様の設定画面は見つからず、現時点ではSCSIバスの共有はサポートされていないらしい。この点で厄介になるのは共有ストレージ型のクラスタ環境をHYPER-V上で試験することである。iSCSI接続の外部ディスクを用意できない限りクラスタ環境をテストすることができず、Windows Server 2003であればマジョリティノードセットを使用することになってしまう。今ひとつ物足りない状況である。

Virtual Machine Managerがカギを握る?

4月末に、US-ラスベガスで行われたMicrosoft マネジメントSummitで、SystemCenter Virtual Machine Manager(SCVMM)の概要とベータ版のリリースが発表された。われわれはまだSCVMMの機能の詳細はつかんでいないため(ベータの配布は始まっているようであるが)、あくまでも推測ではあるが(かつSCVMMの機能次第ではあるが)ゲストOSの高可用性に関してSCVMMで何らかのコントロールができるのではないかと思っている。やはり、HYPER-Vを管理する上でSCVMMは不可欠なツールになるのでこちらもそのうち触れてみようと思っている。

次回予告:検証レポート Vol.26 ~ Hyper-V RC その6~

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