コラム

Windows Server 2008 検証レポート

検証レポート Vol.29 ~Hyper-V RC その9 ~

更新

CTCの独自視点を織り交ぜたWindows Server のポイントを解説

著:クロスファンクショングループ ITエンジニアリング室 プラットフォーム推進部
杵島 正和 29-0626

今回は、SCVMM2008から複数のHyper-Vを管理することを試してみる。前回はすでに構築済みのHyper-Vサーバを登録しているので、今回は新規にHyper-Vサーバをインストールした。

Server Coreに挑戦

これまではHyper-Vを動かすためにWindows Server 2008をフルインストールして利用していたが、今回Server Core上にHyper-Vを構成することにした。おそらくHyper-Vを使用するという点で、Server Coreとの組み合わせが一番選ばれるであろう、と言う予想もあってのことである。

Server Coreのセットアップと設定

インストールに関しては、セットアップ時にWindows Server 2008 xxx (Server Core)を選択するだけで、あとは通常のインストールと変わらない。インストールが終わってログオンすると「コマンドプロンプト」だけが表示されている、いたってシンプルなデスクトップである。Serverの設定をするにもGUIがないのでがんばってコマンドプロンプトからコマンドを入力して基本的な設定を行わなければいけない。よく使うであろうコマンドを以下の表にまとめておくので、何かの参考にしてほしい。
初期設定が終わったら、Hyper-VのRC0の更新プラグラムをインストールしておく。

インタフェースの確認方法
C:\Users\Administrator>netsh.exe
netsh>interface
netsh interface>ipv4
netsh interface ipv4>netsh interface ipv4>show config
インタフェースへのIPの設定
netsh interface ipv4>set address name="ローカルエリア接続" static 192.168.1.4 255.255.255.0 192.168.1.254
DNSサーバへの参照設定
netsh interface ipv4>set dnsserver name="ローカルエリア接続" static 10.0.16.4 primary
現在のコンピュータ名の確認方法
C:\windows\system32>hostname
WIN-xxxxxxxxx
コンピュータ名の変更
C:\windows\system32>netdom renamecomputer %computername% /newname: Core-hv01
普通にメディアからインストールとコンピュータ名がランダムで決定されている。何かしらの役割を与えるとコンピュータ名の変更に制限が出ることがあるので(ex.Active Directory)早めにやっておくこと
コンピュータをActive Directoryに参加させる方法
netdom join <コンピュータ名> /domain:<ドメイン名> /userd:<ドメイン名>\<ユーザー名> /passwordd:*
リモートデスクトップ接続を許可する設定
C:\windows\system32に移動し、スクリプトを実行する
C:\Users\Administrator>cd c:\windows\system32
C:\windows\system32>cscript scregedit.wsf /ar 0
もし、Windows Server 2003/XP からも接続させたいのであれば、次のスクリプトを実行する
C:\windows\system32>cscript scregedit.wsf /cs 0

話はそれるが、Windows Server 2008では、IPv6もデフォルトでは有効になっておりそのままでも問題はないが、使わないのであれば無効にすることも可能である。フルインストールの場合は、ローカルエリア接続のGUIでIPv6のチェックをはずすだけでよいが、Server Coreの場合はそんな方法は取れない。またどうもNetshでもipv6を無効にする方法はなく、結論はレジストリを編集して対応することになる。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Tcpip6\Parameters\DisabledComponents
Value (DWORD) : 0xFF

レジストリエディタで上の値を作成し、DWORDタイプで 0xFFを設定し、再起動すれば、IPv6がすべてのインタフェースで無効になる。

Windows Firewallの無効化

通信ができないなどの切り分けのために、一次的にWindows Firewallを無効にするには以下のコマンドを実行する。
netsh advfirewall set currentprofile state off

ちなみに今回の検証では、以下のコマンドでWindows Firewallを完全に無効にしている。
netsh advfirewall set allprofiles state off

もちろんWindows Firewallを無効にすることはセキュリティレベルの低下を意味するので運用としてはお勧めしない。

SCVMMへのホストの登録

図1:ホストサーバの選択の画面

サーバの準備が整ったら、SCVMMにホストの登録を行ってみることにする。「ホストの追加」をクリックしてホストを追加する。今回は、Hyper-Vの役割を追加していないWindows Server 2008を追加するのだが、この場合SCVMMが自動的にHyper-Vの役割を追加してくれる。(図1:ホストサーバの選択の画面。画面下部に英語であるがHyper-Vの役割が無ければ自動的に追加するというメッセージが表示されている)

図2:ホストが2台追加された状態

あとは、ウィザードに従って進んでいけばよい。無事に追加がされるとこのように管理画面にホストが2台表示される。(図2:ホストが2台追加された状態)

仮想マシンのインストール

図3:仮想マシンのハードウェア構成をここで作成する

新しく追加したHyper-Vサーバに仮想マシンを作成してOSをインストールしてみる。「新しいバーチャルマシン」をクリックする。新しく作成することにして進めると、仮想マシンのハードウェア構成を行う画面が表示される。(図3:仮想マシンのハードウェア構成をここで作成する。プロファイルを作成して保存しておけば同一構成の仮想マシンを簡単に作成できる)

図4:仮想マシンを配置するホストを設定する画面

さらにウィザードを進めると、新しい仮想マシンをどのホストで提供するか設定する画面が表示される。余裕のあるサーバは評価の欄の星の数で表されている。(図4:仮想マシンを配置するホストを設定する画面)

図5:OSのインストール画面

図5:OSのインストール画面

更にウィザードの指示に従っていけば、仮想マシンが作成できる。あとは、ライブラリ内のOSのISOイメージを仮想マシンにマウントして、電源を入れればOSのインストールが始まる。(図5:OSのインストール画面)

このようにSCVMMを使って(わかってしまえば)わりと簡単に仮想マシンを構成してインストールまでは操作できる。
SCVMM自体がまだベータ版のため日本語がおかしかったり、エラーメッセージが文字化けしたりしているが、これから改良されていくはずである。少なくとも、Hyper-Vサーバが複数台あるような環境であればSCVMMは必須ともいえるし、仮想マシンの統合管理と言う面でも重要な位置を占めている製品なので、どのように変わっていくかは今後も注意して見ていきたい。

次回予告:検証レポート Vol.30 ~まとめにかえて ~

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