コラム

Windows Server 2008

Vol.2

更新

CTCの独自視点を織り交ぜたWindows Server のポイントを解説

著:クロスファンクショングループ ITエンジニアリング室 プラットフォーム推進部 杵島 正和

改めて”Hyper-V”

Windows Server 2008 Hyper-Vもリリースされて半年が過ぎようとしている。目玉機能の1つでもあったので、実際に触ったり機能検証等行ったりされた方も多いのではないだろうか。好みの問題はさておき、簡単に仮想環境が作成と管理が出来るなどの点はWindowsベースの製品として評価してよいと思う。

さらに、2008年11月に「Microsoft Hyper-V Server 2008」という製品が無償で公開されシンプルな環境から大規模環境まで対応できるように製品ラインナップも整い始めている。

ここで、それぞれの製品の特長を整理してみる。

  Hyper-V Server Windows
Server 2008
Standard
Edition
Windows
Server 2008
Enterprise
Edition
Windows
Server 2008
Datacenter
Edition
サーバライセンスごとの仮想化使用権 各仮想サーバごとにサーバライセンスが必要 1物理サーバ+1仮想化インスタンス 1物理サーバ+4仮想化インスタンス 1物理サーバ+無制限仮想化インスタンス
ローカルグラフィカルインタフェース -
クラスタへの対応 - -
クイックマイグレーション - -
5つ以上のCPUのサポート(ホストOS) - -
大容量メモリ(32GB以上)のサポート - -
提供形態 無償(ダウンロード) 有償(Windows OSの1機能) 有償(Windows OSの1機能) 有償(Windows OSの1機能)

名前が似てしまうのは致し方ないとはいえ「Hyper-V Server」と「Windows Server 2008 Hyper-V」は別物なので注意してほしい。

無償提供される「Hyper-V Server」はWindows Server 2008ベースとはいっても、管理機能をふくめ通常のWindows Serverで可能な機能があるわけではなく、かなり限定された内容になっており、余計な機能がない「単機能」サーバとしてとらえることができる。したがって利用シーンを考えてみてもあまり思い浮かばず、結果としてHyper-Vそのものの評価などの限定された用途での利用がほとんどではないだろうか。

企業利用を考えると?

Hyper-Vそのものを企業で導入することを考えると、複数台の仮想サーバを統合管理できることであるとか、シェルスクリプトによる自動化処理が出来ることなどのポイントがあると思う。そういった用途に対応するという意味でやはり企業での利用、特に信頼性であるとか運用管理の容易さを考慮するとWindows Server 2008を購入してHyper-Vを利用する形が本命になると思われる。

現行のWindows Server 2008のHyper-Vは仮想マシンの性能など基本的な部分はバランス良く実装されているためWindows環境を仮想化して利用するにはほとんど問題なく利用できると思う。しかしながら、可用性あるいはリソース管理などにおいて高い機能を求めていくと残念ながら十分とは言えない部分が現行バージョンでは存在している。

さらに進化する Hyper-V

2008年にリリースになったばかりの機能ではあるが、さらなる進化が計画されている。現在開発中の「Windows Server 2008 R2」でHyper-V 2.0にバージョンアップが予定されており新たな機能が追加される予定になっている。いったいどのように進化していくのか、現在提供されているベータ版をベースに次回解説していこうと思う。

つづく

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