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事例・レポート

イベントレポート

IT経営戦略フォーラム2013 ~イノベーションの世紀を切り拓き、グローバル競争を勝ち抜くビジネス基盤構築とクラウド戦略の実践~

開催日
2013年10月29日
主催
東洋経済新報社

2013年10月29日、イイノホールで開催された東洋経済新報社主催の「IT経営戦略フォーラム2013」に参加しました。

本フォーラムは、“経営戦略へのITの活用”という、重要でありながら非常に難しいテーマに対し、様々な分野の有識者をお招きし、何らかのヒントを得ていただくことを目指し開催されました。

本レポートでは、 CTC 常務執行役員 クロスファンクショングループ担当役員 兼 CTO 大久保 忠崇のセッションをご紹介します。

ITで変革を起こすビジネス基盤

CTC 常務執行役員 クロスファンクショングループ担当役員 兼 CTO 大久保 忠崇より、ITによってもたらされるビジネス基盤の変革についてご紹介しました。

コミュニティ手段の変化

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 常務執行役員 クロスファンクショングループ担当役員 兼 CTO 大久保 忠崇

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 常務執行役員 クロスファンクショングループ担当役員 兼 CTO
大久保 忠崇

Twitter、YouTube、Facebook、LINEなどの SNS(Social Networking Service)の登場により、人々のコミュニケーションスタイルは大きく様変わりしました。近年では、LinkedIn、Yammer、jiveなどビジネス向けSNSも次々登場しています。
既に米国では、これらを積極的にビジネスに活用する動きが進んでおり、SNSは、これまでの個人同士の利用から、企業・組織内でのコミュニケーションツールとしても広がりをみせています。

これらのツールは、どれも「こういうことが出来たらいいな」という若者達のひらめきから生まれました。この若者独自の柔軟な発想力、思いついたことをすぐに形にする行動力は、長年ビジネス経験を積んだ年長者にはなかなか真似ができないものです。
そして現在、この様な若者のアイデアをいかに企業のパワーとして活用するかが注目され始めています。

オープン・ソース・ソフトウェア

オープン・ソース・ソフトウェア

この考え方は、ITの世界におけるオープン・ソース・ソフトウェア(OSS)開発の仕組みに当てはまります。OSSは、これまでのライセンス契約を結ぶ商用ソフトウェアに対し、様々な個人が無償で協力して開発し、権利を放棄し、自由に改変・利用できる形で提供すソフトウェアです。

OSSの開発では、国や組織を超えて何千人もの人がコミュニティに参加し、並行してひとつのソフトウェアの作成・改善を行う為、バージョン管理(版管理)が重要になります。
それを可能にするのが、世界中で広く使われているSNS機能を持つソフトウェア開発プロジェクトの為のバージョン管理システム「github」があります。
いつ、誰が、どんな変更を加えたかを把握でき、何千人ものプログラマーが参加するようなプロジェクトや複雑なソフトウェア開発でも、良いアイデアを採用しながらソフトウェアを進化させていくことができます。

更なる発展的活用

OSSにおけるソフトウェア・プログラミングは、必要な機能を文字で定義し、記述することですが、この手法をソフトウェアプログラムの管理システムとして固定的に考えるのではなく、文書・定義を管理するものと捉えると、活用の機会は更に広がります。

パブリックコメントへのコミュニティの活用

パブリックコメントへのコミュニティの活用

例えば、海外ではパブリックコメント*1にOSSのシステムを作る仕組みを使うことで、社会のルールや法律の策定に活用されていす。憲法改定案策定作業そのもの、およびその過程の公開にgithubを使って、更に参加の範囲を拡大し、国民の納得性を高めることが可能になります。

企業経営へのコミュニティの活用

企業経営へのコミュニティの活用

企業経営においても、経営、製品、店舗、サービスなどの組織単位の枠を越え、社内コミュニティで個人、団体を問わず様々な人と意見を交わすことによって、これまでのトライ&エラーの手法に比べ、より良いものをより短期間に作ることができるようになるのではないでしょうか。

ITもユーザーの要求から始まる時代:IT変革

ITもユーザーの要求から始まる時代:IT変革

そしてITも、ユーザーの要求から始まる時代を迎えています。これまでのように既存の技術をただ利用するのでなく、コミュニティで様々な人がアイデアを出し合い、そこで生まれた新しい技術をすぐに取り入れ、すぐに使う。これにより、これまで検討から実装、利用までにかかっていた時間を大幅に短縮でき、グローバルビジネスにおける競争力の強化につながります。

*1:パブリックコメントは、国の行政機関が政令や省令等を定めようとする際に、事前に広く一般から意見を募り、その意見を考慮することにより、行政運営の公正さの確保と透明性の向上を図り、国民の権利利益の保護に役立てることを目的としている

ITに対する日本と米国の意識の違い

キャプション:IT部門のビジネスイノベーションに対する意識調査
しかし現状において、日本はまだグローバルの流れに追いついていないと言わざるを得ません。
JEITA(一般社団法人 電子情報技術産業協会)/IDC Japan が非IT部門に行った調査では、米国の75.3%が、IT投資について“きわめて重要“と答えたのに対し、日本は15.7%と、IT投資の重要性に対する認識が大きく違うことが分かりました。
http://home.jeita.or.jp/cgi-bin/page/detail.cgi?n=608&ca=1 参照)

また、ITの新たな技術・製品、サービス利用に対する期待値は、米国が41%なのに対し、日本はわずか1.2%と、「外向け」に「積極投資」をする米国に比べ、日本は「内向き」「保守的」な投資傾向となっています。

JUAS(一般社団法人 日本情報システム・ユーザ協会)が日本企業のIT部門に行った調査では、全体で6割、売上高1兆円以上の大企業の8割が“ビジネスプロセスの変革”はIT部のミッション“と答えた一方で、“ビジネスモデル変革”をミッションとして認識している企業は、全体でわずか2割、大企業でも4割にとどまっています。
http://www.juas.or.jp/servey/it13/index.html 参照)

しかし、ビジネスイノベーションを成功させる重要ポイントとしては、「経営陣や社内各部門とIT部門との意思疎通の緊密さ」が上位に挙げられており、今後の改革成功には、IT部門の強みを生かした部門間の関係作りが鍵になると考えられます。

ビジネスモデル変革を起こすリーダーシップの重要性

私個人の経験からも、米国のCIOが本来のミッションである「テクノロジーマネジメント」を最も重視しているのに対し、日本のCIOは、予算管理やプロジェクトマネージメントを重視する傾向が強いと感じています。
JEITA/IDC Japanが日米の非IT部門マネージャーに行った調査では、日本は、米国に比べ、圧倒的に新技術に対しての関心が低いという結果となっています。
ここで重要なことは、米国の非IT部門の人々は、何も“ITをやりたいのではない”ということです。そうではなく、“ITによってもたらされるビジネスイノベーションへの期待”から、新ソリューションを積極的に学んでいるのです。

クラウド、モバイル、ビックデータ、SNS、近年注目されている技術はどれも、グローバルに同じビジネス環境を提供したい、いつでも、どこにいても、必要な情報を提供、取得したい、集めた情報を活用したいなど、「こういうことが出来たらいいな」というニーズから生まれました。そしてITは、それらのアイデアを次々形にしつつあります。

日本企業においても、これからは、部門間の垣根を越えたコミュニケーションでアイデアを共有し、技術ではなくニーズを起点としたビジネスモデル変革を実現することが求められます。そしてその為には、これまでのIT投資への考え方を一変し、新しい技術であってもすぐに使ってみる、アイデアを登用する仕組みを積極的に後押しするといったリーダーシップが非常に重要になると考えています。

CTCは、総合SIerとしてこれまで培った実績をもとに、ニュートラルな立場でトータルITサービスをご提供しています。ご質問やご要望がありましたら、是非お気軽にご相談ください。

参考リンク

東洋経済オンライン「IT経営戦略フォーラム」イベント記事

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