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CTC Forum 2016 ユーザー講演

伊藤忠商事の“働き方改革”を支える
次世代基幹システムの構築がスタート

更新

「SAP S/4HANA」と「CTC CUVICmc2」で情報基盤を刷新

  • クラウド
  • IoT
  • ワークスタイル/健康管理
  • ERP
  • 流通/運輸
開催日
主催
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
講演
伊藤忠商事株式会社
伊藤忠商事株式会社 CIO補佐 兼 IT企画部長 渡辺 一郎氏

伊藤忠商事株式会社
CIO補佐 兼 IT企画部長
渡辺 一郎氏

伊藤忠商事は2010年から一人あたりの生産性向上を目指し、“働き方改革”を段階的に進めています。2010年4月には社内会議や資料作成の削減に取り組んで業務効率化を進めるとともに、削減分を現場へ赴く時間に費やして現場力の強化を図りました。2012年10月にはフレックスタイム制度の全社一律適用を廃止。育児や介護など事情のある社員を除き、原則9時を始業時刻とし、取引先やお客様への対応を強化しました。さらに2013年10月には20時以降の残業の原則禁止、早朝勤務へのシフトを促す「朝型勤務制度」を導入しました。

これらの取り組みの影響もあり、一人あたりの単体売上総利益、単体営業利益、連結純利益のいずれにおいても、国内大手商社で最も優れた実績を達成。特に朝型勤務制度には、月平均の時間外勤務を15%、残業手当を10%削減するという成果をもたらしています。

こうした“働き方改革”を支えているのが、次世代のシステム基盤です。すでに「次世代ICT基盤」の構築は完了し、社外でもビジネス活動が可能で、コミュニケーションロスがなく、リアルタイムな情報にアクセスできる基盤の提供を開始しました。そのICT基盤に引き続き、現在は「次世代基幹システム」の整備を進めています。

当社は1970年代からシステム化に取り組み、数度にわたって大規模な基幹システム再構築を行っています。システムコンセプトは1970年代から現在まで大きく変わらないものの、2001年から長期稼働する現行システムは品質、安全性、利便性、新規要件対応などの面で課題があり、これらが経営リスクになる恐れが出てきました。そこでこれらの経営リスクを回避するため、社内タスクフォースを立ち上げて、次世代基幹システムが目指すべき方針の検討を開始しました。

最終的に「伊藤忠の商売の基本である“か(稼ぐ)・け(削る)・ふ(防ぐ)”の徹底」「全社員総活躍へ向けた働き方のさらなる改革の支援」「連結経営の深化を見据えた機能の拡充」を狙うには、「全面的なシステム刷新が必要」という経営判断が下されました。それを受け、2016年6月に基幹システム基盤の構築に着手。オンプレミス環境上に構築されている現行システムを全面的に刷新し、最新技術による“To-Be(あるべき)システム”を構築して長期利用を目指すことにしました。

その最新技術として採用したのが、SAPの新世代ERPシステム「S/4HANA」とCTCの基幹特化型パブリッククラウドサービス「CUVICmc2」です。S/4HANAにはインメモリデータ処理技術による大幅な処理の高速化とそれによる業務効率化、CUVICmc2には高セキュリティ・ガバナンスとパフォーマンス、および完全従量課金制によるコスト削減を期待して、導入を決定しました。

プロジェクトは現在、システム基盤をオンプレミスからCUVICmc2へと移行し、S/4HANAを導入するとともに、インターフェース機能と情報参照基盤を開発するフェーズにあります。2018年5月からは経営と業務の効率化・高度化、働き方変革を推進する新業務要件を基幹システムに取り込み、2020年以降も継続して要件の実現に取り組んでいく計画です。
2017年春に稼働を予定しているCTCの次期基幹システムも、S/4HANAとCUVICmc2を採用と聞いています。当社が今回、これらの最新技術を採用するに至ったのは、CTCが先行して取り組んでいるという大きな後ろ盾があったからです。CTCの経験をぜひ、当社の基幹システム構築に活かしてほしいと期待しています。

“活きたデータ”の分析による営業活動の支援、決算関連処理時間の大幅な短縮などの効果を次世代基幹システムに期待

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他講演レポート

2016年10月28日開催「CTC Forum 2016」の他講演レポートは、下記のリンクからご覧ください。

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