全社的な情報共有基盤として
ファイル共有クラウドサービスを導入

小野薬品工業の探索研究提携部（DRA：Discovery Research Alliance）では、日米英の主要3事業拠点に所属する研究部員が、注目した国内外のバイオベンチャーや大学・研究機関に自ら出向き、世界最先端の知見や技術を探索し、創薬や研究の提携を広げつつ、社内プロジェクトとの融合を推進しています。

また「オリエンタム・イノベーション」という当社におけるオープンイノベーションに対する取り組みでは、従来の1対1の協業にとどまらず、当社が創製した独自性の高い新規化合物を複数の提携先大学や研究機関に提供することで、医薬品としての使途の探索をさらにスピードアップするべく、新しい形の産学連携ネットワークの確立を目指しています。

このように当社は社外との連携を積極的に拡大しています。ただ、そこでの情報共有やコミュニケーションの手段は依然としてメールに頼っていたのが実態で、円滑なディスカッションを進めるには課題がありました。そうしたなか、CTCライフサイエンス（CTCLS）からオープンイノベーションを加速する情報共有基盤として提案されたのが、「box」でした。

CTCLSはCTCグループのなかでも、特にライフサイエンス領域を専門とするソリューションベンダーです。当社とは四半世紀以上にわたるパートナーシップの歴史があり、これまでも法規制チェック支援システムや試薬管理システムなど、創薬研究領域におけるさまざまなパッケージソフトウェアやサービスを紹介していただきました。また「SharePoint」をベースとした既存の社内情報共有基盤についても、設計から導入、運用まで一貫したサポートをいただいています。

boxは既存システムと親和性高く電子データを保存できるなど、社内外との情報共有を可能にする容量無制限のクラウドシステムです。ファイルサーバに近い使い勝手のユーザーインターフェイス、ダウンロードすることなくファイルの確認を可能とする強力なプレビュー機能、上位フォルダで設定した共有範囲やアクセス権を下位フォルダに継承（変更不可）するウォーターフォール式アクセス権限、きめ細かいアクセス制御、多くのシステムとの親和性、強力なガバナンス機能などを利点としています。

これらのboxの機能は、まさに当社のニーズと合致するものであったことから、全社的な文書共有基盤として導入を決定しました。まずは研究本部で先行して試験運用を行い、そこで学んだことを全社設計に活かすことにしました。

同じタイミングで部署横断的な文書管理規定の策定プロジェクトが立ち上がり、急遽、boxとの擦り合わせが必要になるなど苦労もありましたが、暫定的な文書管理ガイドライン（案）をまとめつつプロジェクトを進めています。現在、boxの検証試験を完了し、オリエンタム・イノベーションや探索研究提携部による社外との情報共有でも十分に利用できることを確認後、全社的な情報共有基盤としての環境構築とデータ移行に着手しているところです。

これが完了した暁には、ファイルサーバの文書、グループウェアの文書、メールの添付文書、電子化された紙の文書（PDF化＆OCR）、ファイル共有サービス、CD-ROMやUSBメモリに至るまで、社内の大半のコンテンツをboxに集約し、一元管理が可能となります。さらにグローバルに標準化された情報共有基盤による「社内情報管理」「機密文書管理」「情報共有」「モバイル対応」「機密情報管理」も実現間近となっています。当社のニーズを具現化できるboxの柔軟性とともに、常に的確なサポートを提供してくれるCTCグループの対応に感謝しています。