イベント・レポート

CTC Forum 2017 講演

戦略的モダナイゼーションをOutSystemsで実現
~ノンプログラミング開発の特性を生かして生産性を23.5%向上~

更新

「早く、安く、うまく」というユーザーの要望に応えられるノンプログラミングツールを検討、「OutSystems」の採用へ

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開催日
主催
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
講演
トヨタ自動車株式会社
トヨタ自動車株式会社 エンジニアリングIT部 第2エンジニアリングシステム室 室長 稲垣 篤氏

トヨタ自動車株式会社 エンジニアリングIT部 第2エンジニアリングシステム室 室長 稲垣 篤氏

トヨタ自動車は愛知県豊田市に本社を置く自動車メーカーで、東京本社には広報渉外部門が、名古屋オフィスには国内・海外営業部門が設置されています。従業員数は単独で7万4,000人、連結で36万5,000人。2016年の生産台数は国内318万台、海外446万台、世界28の国と地域の53拠点で生産活動を行っています。

トヨタ自動車のIT活用領域は社内情報システム、お客様用システム、社会とつながるシステム、クルマ内の制御システムなどです。情報システム領域を取り巻く環境は自動運転や工場IoT、AIなど、ものすごい勢いで変化しています。これらへの対応に情報領域の力は必要です。一方、基幹システムはシステムの老朽化やスタッフの高齢化といった課題を抱えています。こちらも限られたリソースの中で何とかしなければなりません。

そのような状況の中、2015年から、基幹システムの戦略的なモダナイゼーション構想がスタートしました。このときユーザーから求められたのは「早く(開発期間短縮)、安く(工数・コスト削減)、うまく(業務の効率・品質向上)」です。この要望に応えられる良い手がないかを模索していたときに見つけたのが「ノンプログラミングツール」の存在でした。

例えば電子制御ユニット開発のプログラム量は、自動運転や安全制御などの進歩により、15年間で100倍に増えています。そこでトヨタ自動車をはじめ、多くの自動車メーカーではモデルを作成し、コードを自動生成して、ソフトウェアを実装する手法を導入しています。同様なことが業務システム開発の世界でも実現できないかと考え、「OutSystems」の適用を開始しました。

OutSystemsはプロセスやインタフェース、ロジック、データを定義するだけで、業務アプリケーションを開発できる統合開発基盤です。2013年より検討を開始、機能検証も行い、2014年からは簡単なトライアルも実施、従来の開発手法との比較を行いながら2015年より簡単な業務アプリケーションを開発しています。

また2015年には、CTCがOutSystemsを取り扱っていることを知り、サポートをお願いしました。さらにポルトガルの首都リスボンにあるOutSystems本社を訪問し、会社の風土や文化を確認、技術も人も高く評価できると判断して、OutSystems の本格採用を決定しました。

このときCTCには、OutSystemsの技術的なサポートはもちろん、OutSystems本社の研究開発部門との人脈づくりでも、商社系ITベンダーの強みを生かしたサポートを提供してもらいました。

現在、CTCの技術者とOutSystemsのエンジニアで、「板金システム」をはじめとした4つのプロジェクトを支援するチームを組織いただいています。技術面のみならず、開発チームの構成までアドバイスしてもらいながら推進しています。例えば板金システムはメインフレームで稼働している試作車の部品調達から生産管理、生産指示までのシステムと連携するサブシステムで、画面数は30画面、利用ユーザー数は100人という仕組みです。OutSystemsを利用した効果として、開発生産性を従来比23.5%まで向上できています。

今後はOutSystems社にExcelライクの操作性を搭載してもらうことで、さらなる「うまく」を期待しています。これを実現するために、CTCにはより速く、より深く、OutSystems社と協業することで、日本企業が持つニーズをもっと満たしてもらいたいと考えています。

講演の様子

他講演レポート

2017年10月13日開催「CTC Forum 2017」の他講演レポートは、下記のリンクからご覧ください。

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