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クラウド

事例紹介

インターネット予約サイト「ANA SKY WEB」をプライベートクラウドで構築

全日本空輸株式会社 様

「CTCにはサイトの重要性を理解してもらい、一体となって構築できました」

業種業態や規模を問わず、「所有」から「利用」へとIT投資の傾向は変化し、クラウドを利用するシステムが増加している。クラウドは、仮想化技術により堅牢性を確保しつつ、ITリソースを柔軟に組み合わせることで、効率的なITサービスの提供を可能にする先進技術だ。全日本空輸株式会社(以下ANA)は、自社の顧客向けのサービス提供において、このクラウド技術を採用した。

対象となったのはWeb予約サイト「ANA SKY WEB」(URL:http://www.ana.co.jp/)。インメモリ・データグリッド・ソリューション「Oracle Coherence」、クラウドインフラソリューション「VMware Vsphere」と「HP BladeSystem Matrix」などを組み合わせ、CTCが「サービス型のプライベートクラウド」としてインテグレーションを行い、利用量に基づく従量課金モデルでITシステムをサービスとして提供している。
全日本空輸株式会社 IT推進室 開発推進部 国内旅客チーム 主席部員 筆島 一 氏

全日本空輸株式会社 IT推進室 開発推進部 国内旅客チーム 主席部員
筆島 一 氏

全日本空輸株式会社 IT推進室 開発推進部 国内旅客チーム 近藤 貴仁 氏

全日本空輸株式会社 IT推進室 開発推進部 国内旅客チーム
近藤 貴仁 氏

導入背景

ANA最大の販売チャネル「ANA SKY WEB」
ANA最大の販売チャネル「ANA SKY Web」

ANA最大の販売チャネル「ANA SKY Web」

ANAは国内線で最大の路線網と乗客数を誇り、世界でも有数の航空会社の1社である。今、同社で話題となっているのがボーイング787の国内線就航だ。ボーイング787は中型ジェット旅客機だが飛行距離が長く、遠方まで直行でき、燃費効率も大きく向上している。その開発に世界各国40社以上のトップメーカーが参画しており、ANAもローンチカスタマーとして開発・設計に携わった。

「就航は当社が世界初になります。2011年11月1日より羽田-岡山と羽田-広島線に就航いたします。既に航空券の予約を受け付けています。」と、同社 IT推進室 開発推進部 国内旅客チーム 主席部員 筆島 一 氏は語る。
これら航空券販売において、最大の窓口となっているのが「ANA SKY WEB」だ。1日の訪問者数は約40万人、年間販売額2010年度4,090億円、単体企業のECサイトとしては日本最大クラスである。
「ANA SKY WEB」の改革
「ANA SKY WEB」は、前述の規模の通り、重要な販売チャネルと位置付けられるとともに、ANAとお客様とのコミュニケーションにおいて、重要な顧客接点となる基盤でもある。今後の更なるWebビジネス拡大を見据えて、環境変化に合わせて適切なタイミングでサービスを提供する、柔軟性をもったWebの構築が強く望まれていた。「年末年始やゴールデンウィーク、お盆期間といった高需要シーズンや『旅割』『スーパー旅割』のような一斉発売を行う運賃発売時などのピーク時には、通常時の10倍以上のリクエストが集中します。今までは、処理限界を超え、お客様にお待たせ画面を表示し、再試行をお願いするなどのご迷惑をかけることがありました」と、全日本空輸株式会社 IT推進室 開発推進部 国内旅客チーム 近藤 貴仁 氏は振り返る。

また、格安航空会社の進出をはじめとして、航空業界も年々競争が厳しくなっている。「今後グローバルレベルで競争に打ち勝っていくには、ITサービスにおいてもコスト構造の変革が求められます。」と、筆島氏は説明する。その一つの柱として打ち立てられたコンセプトが「『自前主義』から『利用主義』への転換」であった。自前でIT機器を保有するのではなく、クラウドコンピューティングを活用し、IT費用を変動費用に変えることで、売上と連動するコスト構造に移行することができる。

ANAは、このような課題認識、環境認識を踏まえて、2009年から、機器の老朽化更新を契機とした「ANA SKY WEB」のインフラ刷新の検討に着手した。クラウドを推進するベンダー等とも情報交換を行い、得られた結論が「サービス型のプライベートクラウド」であった。

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課題と期待効果

課題と期待効果

課題と期待効果

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システム概要

IAアーキテクチャで構築
今回、構築した「ANA SKY Web」におけるシステムの特徴は5つ。1)サービス型のプライベートクラウドであり、柔軟なシステムリソースの変更に連動した従量料金による課金、2)サービス提供サーバの効率的な運用管理を実現する日本HPのクラウドインフラソリューション「HP BladeSystem Matrix」、3)仮想化によるリソースの有効活用と堅牢なシステムの基盤となるヴイエムウェアの仮想ソフトウェア「VMware Vsphere」、4)超高速データ処理技術である日本オラクルのインメモリ・データグリッド「Oracle Coherence(オラクル・コヒーレンス)」、5)急増するWebコンテンツや頻繁な変更に対応するコンテンツ管理システム「Autonomy InterWoven TeamSite」。

HP BladeSystem c-Classを中核としたクラウドソリューションである「HP BladeSystem Matrix」を採用したことで、システムはスケールアウトによる柔軟な拡張性を備え、「VMware Vsphere」による仮想化技術と合わせて、機器の設置やプロビジョニング、インストレーション・環境構築などの一連の作業を自動化し、迅速なリソースの追加が可能になった。

「Oracle Coherence」は、ホストと同期を取る共有メモリ空間を用意することで、空席照会におけるホストへの問い合わせを削減し、突発的な高負荷へも対応を実現している。その構築においては、CTCがNo. 1を自負するソリューションだ。「Oracle Coherenceはパフォーマンスだけではなく、信頼性も重視しました。年間の売上額が4,000億円を超える予約サイトです。Oracle Coherenceとバックエンドのホストの間でデータの矛盾が生じたら大変なことになります。CTCに依頼して検証を繰り返しました。」(近藤氏)。

また、「Autonomy InterWoven TeamSite」は、数万と言われるWebコンテンツをパーツ/テンプレート化することができ、タイムリーにサービス提供を行うため、頻繁な更新が発生する「ANA SKY WEB」において、業務効率を大幅に向上させた。

これらIAアーキテクチャで構成された「ANA SKY WEB」は、CTCが得意とするITインフラの組み合わせ技術と既に多くの実績があるクラウド技術により、十分なパフォーマンスと可用性を確保し、24時間365日稼働するミッションクリティカルなシステムとなっている。
高信頼のプロジェクト体制を実現
2009年の4月にRFIを提示し、12月にCTC案が採用された。「CTCとは課題や悩みを共有することができました。更に、CTCは大変幅広いパートナーを持っています。我々の課題認識や要件の本質を探り、最適な製品を世界中から集めてくるマルチベンダーの力を持っています。ベンダーの偏りがなく、ニュートラルな提案がよかったと思います。」と、近藤氏はCTC案を採用した理由を述べる。

クラウドやインメモリ・データグリッドなど先進のアーキテクチャを採用していることで、従来にも増して、サービスの信頼性には特に注意した。「CTCは当社、及び、『ANA SKY WEB』におけるシステムの課題・重要性をよく理解していただき、ワンストップのトータルソリューションを提案してくれました。また、提案時、企画・検討フェーズからプロジェクト体制を構築し、構築フェーズ以降も一貫して同じメンバーにて対応いただき、1年以上の開発において、最後まで一貫性を持って安心して開発を推進できました。」と、筆島氏はCTCのプロジェクト推進体制を評価する。

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導入効果・今後の展望

10倍の処理速度、ノントラブルで稼働
2010年1月から開発フェーズに入り、新サイトでのサービス提供を2011年5月15日から開始した。「IAアーキテクチャやクラウドコンピューティングなどの先進的な技術に対しては、徹底的な検証を行うことによって品質を担保しています。性能、信頼性などから、決して簡単なシステム構築ではありませんでした。」(近藤氏)。とりわけ品質を重視し、早い段階からテストを繰り返した。

当初の目的は、大量のトランザクションを適切に処理しつつ、バックエンドのホストの負荷を軽減し、チケット販売における発売ピーク時の機会損失をなくすことであった。新システムは、この目的の達成に加え、空席照会機能においては、従来に比べ10倍の処理速度を実現しており、想定以上の評価をいただいている。今回、その性能向上の鍵となったOracle Coherenceに関しては、CTCは、Coherence を利用するためのAPIフレームワーク提供やCoherence の運用ツール類の作成も行っており、カットオーバー後の効率的な運用にも貢献している。

「社内外でも、ANA SKY WEBのレスポンスが速くなったと評判になりました。」と、筆島氏は話す。自身もカットオーバー時に携帯でアクセスし、そのレスポンスの速さに驚いたという。また、「最もアクセスが集中する『旅割』『スーパー旅割』の発売時(2011年7月末)においても、Web上でお客様をお待たせすることなく、全てのリクエストを処理することができました。」と近藤氏も新システムのパフォーマンスに満足する。

「CTCは、高い信頼性を実現したいという我々の要求に対して、適切なソリューションを提供してくれました。」と、近藤氏は語る。

「今回の構築でシステム基盤は確立されました。今後は、この基盤を活用したサービス向上です。例えば今回、7日間分の空席情報に運賃額情報を付加するなどの機能向上を行いました。今後も顧客ニーズを踏まえて更なるサービス向上を図っていきます。」と、筆島氏は今後の抱負を語る。今後もCTCの新しいチャレンジには大きな期待が寄せられている。

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お客様プロフィール

会社名全日本空輸株式会社
所在地〒105-7133 東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター
設立1952年12月
資本金2313億8100万円(2010年3月31日現在)
従業員1万3126名(2010年6月30日現在)
URLhttps://www.ana.co.jp/

記載されている会社名、製品名、サービス名は伊藤忠テクノソリューションズ(株)または各社の商標もしくは登録商標です。

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