事例紹介
冬の時代に百貨店が勝ち残るためのDWH
株式会社 髙島屋 様
数億件の明細を瞬時に抽出・集計・分析
情報が企業の第4の資源といわれるようになって、すでに久しくなっている。近年ではその情報も、集約されたものではなく、現場を把握できる明細データの蓄積と活用が求められるようになってきた。だが、そのデータ量があまりに膨大になると、一般的なDWH構築ツールでは対応が困難となる。そこで、髙島屋の導入したのがDWHアプライアンス「Netezza Performance Server」であった。桁違いのパフォーマンスで、数億件の明細を瞬時に抽出・集計・分析している。
株式会社髙島屋 営業企画部 担当部長
松本耕兒 氏
株式会社髙島屋 IT推進室
IT推進担当次長
石谷祐二 氏
導入背景
「百貨店 冬の時代」への対応を模索
日本を代表する老舗百貨店の1つ髙島屋。1831(天保2)年に京都で創業し、国内20店舗と海外3店舗を持ち、2012年には中国上海出店も予定している。
2008年9月にはWebサイトの「タカシマヤファッションモール」がオープンし、130ブランド、15,000点を常時販売している。極めて大規模なショッピングサイトであり、国内21店目の店舗として注目を集めている。
一方、「百貨店 冬の時代」と表現されるように、近年は景気後退や業界再編など百貨店をめぐる環境は極めて厳しい。髙島屋でも現状を打破するため、いち早く「最強の販売体制」を構想し、具体的な施策を検討してきた。「そこで打ち上げられた3つの施策が『売り場体制強化』『商品力強化』『CRM強化』でした」と、同社 営業企画部 担当部長 松本耕兒 氏は解説する。
これら施策を実現するITシステムが「CRMアクションシステム」と「顧客×商品 自由分析システム」であった。前者が店長、部長、セールスマネージャ(以下SM)をターゲットとして、CRMの徹底を目的としている。後者はバイヤーや販売促進担当者をターゲットに、顧客と商品の関係を自由に分析するマーケティングツールである。
これらシステム化が可能になった背景には、同社が発行するクレジットカード(タカシマヤカード)のレジ通過率が2008年に50%を突破したことがある。半数以上の買い物が同社カードを使っているため、分析に必要となる高精度な情報を蓄積し、活用しやすくなったのである。
2008年9月にはWebサイトの「タカシマヤファッションモール」がオープンし、130ブランド、15,000点を常時販売している。極めて大規模なショッピングサイトであり、国内21店目の店舗として注目を集めている。
一方、「百貨店 冬の時代」と表現されるように、近年は景気後退や業界再編など百貨店をめぐる環境は極めて厳しい。髙島屋でも現状を打破するため、いち早く「最強の販売体制」を構想し、具体的な施策を検討してきた。「そこで打ち上げられた3つの施策が『売り場体制強化』『商品力強化』『CRM強化』でした」と、同社 営業企画部 担当部長 松本耕兒 氏は解説する。
これら施策を実現するITシステムが「CRMアクションシステム」と「顧客×商品 自由分析システム」であった。前者が店長、部長、セールスマネージャ(以下SM)をターゲットとして、CRMの徹底を目的としている。後者はバイヤーや販売促進担当者をターゲットに、顧客と商品の関係を自由に分析するマーケティングツールである。
これらシステム化が可能になった背景には、同社が発行するクレジットカード(タカシマヤカード)のレジ通過率が2008年に50%を突破したことがある。半数以上の買い物が同社カードを使っているため、分析に必要となる高精度な情報を蓄積し、活用しやすくなったのである。
システム概要
CRMアクションシステム…今どのようなCRMアクションをするべきかを指摘
CRMアクションシステムは、「CRM強化」を効率的・効果的に実現するためのシステムである。システム構築と同時に髙島屋では、CRMを店長・部長・SMが必ず実施する業務として義務づけ、そのための教育の徹底や、顧客と売り場の分類なども行っている。
CRMアクションシステムに求められた最大の要件は「見たい情報が簡単に素早く確認できること」であった。「ターゲットとなる店長、部長、SMの最大の業務は接客にあります。その接客時間に影響しないよう、欲しい情報が素早く表示されることが条件でした」(松本氏)。
例えば、店長、部長、SMそれぞれに担当している顧客の動向、最近訪れていない顧客の一覧、前日の売上などが、ワンクリックで表示できるようにしたい。それを毎朝、確認してから売り場に立つのである。
このシステム構築を請け負ったのがCTCであった。「CTCは前身となるシステムの開発を手がけており、長い間に築きあげられた実績があり、信頼もしています。迷うことなくCTCに依頼しました」と、松本氏はCTCを認める。
だが、蓄積されている明細件数が膨大である。1年間で数億件にものぼり、そのデータを3年分プールしている。これら明細データから、それぞれの売り場担当のSMごとに、集計し抽出するのは、極めて大規模なDWHの構築が求められた。
加えて、構築期間も限られている。髙島屋の年度のスタートは3月であり、それまで許されている構築期間は、わずか半年ほどしかなかった。
そこでCTCの提案したのがNetezzaである。Netezzaは、DBエンジンとサーバ、ストレージを1つの筐体で提供するDWHアプライアンスだ。アプライアンスならではのパフォーマンスはもちろん、構築期間も大幅に短縮できる。チューニングも不要で、運用も大きな負荷にならない。
2007年7月から基本設計に着手し、2007年11月から本格構築。2008年3月には第一フェーズをカットオーバーさせた。以降、機能を付け足して6月に第二フェーズ、9月に第三フェーズとなっている。
CRMアクションシステムに求められた最大の要件は「見たい情報が簡単に素早く確認できること」であった。「ターゲットとなる店長、部長、SMの最大の業務は接客にあります。その接客時間に影響しないよう、欲しい情報が素早く表示されることが条件でした」(松本氏)。
例えば、店長、部長、SMそれぞれに担当している顧客の動向、最近訪れていない顧客の一覧、前日の売上などが、ワンクリックで表示できるようにしたい。それを毎朝、確認してから売り場に立つのである。
このシステム構築を請け負ったのがCTCであった。「CTCは前身となるシステムの開発を手がけており、長い間に築きあげられた実績があり、信頼もしています。迷うことなくCTCに依頼しました」と、松本氏はCTCを認める。
だが、蓄積されている明細件数が膨大である。1年間で数億件にものぼり、そのデータを3年分プールしている。これら明細データから、それぞれの売り場担当のSMごとに、集計し抽出するのは、極めて大規模なDWHの構築が求められた。
加えて、構築期間も限られている。髙島屋の年度のスタートは3月であり、それまで許されている構築期間は、わずか半年ほどしかなかった。
そこでCTCの提案したのがNetezzaである。Netezzaは、DBエンジンとサーバ、ストレージを1つの筐体で提供するDWHアプライアンスだ。アプライアンスならではのパフォーマンスはもちろん、構築期間も大幅に短縮できる。チューニングも不要で、運用も大きな負荷にならない。
2007年7月から基本設計に着手し、2007年11月から本格構築。2008年3月には第一フェーズをカットオーバーさせた。以降、機能を付け足して6月に第二フェーズ、9月に第三フェーズとなっている。
顧客×商品 自由分析システム …顧客と商品を組み合わせ多面的に分析
「CRMアクションシステム」がストレートに行動を促すシステムであるのに対し、「顧客×商品 自由分析システム」はどう行動すればいいのかを自分で探っていくシステムである。
髙島屋には「いつ×どこで×誰が(どんなお客様が)×何を×いくつ買ったか」の情報が蓄積されている。そこから、顧客と商品、あるいは価格帯、売り場などとの相関関係を分析し、ある顧客集団「X」を抽出する。その「X」に対して、バイヤーは何を仕入れるか検討し、売り場担当者は商品の配置やゾーニングを設計する。そして販促担当者は、催し物やダイレクトメールなどのプロモーション施策を打つのである。
「もっともこのような方向性がすぐに決まったわけではありません。2007年の秋頃からCTCと一緒に詰めていきました。CTCは旧システムも構築していましたので、髙島屋の癖や風土、特殊な用語などを理解しています。システム構築の相談相手としては最適でした」と、同社 IT推進室 IT推進担当次長 石谷祐二 氏は振り返る。
その旧システムにも分析機能はあったものの、操作性がパワーユーザー向けで、使いこなせる人が限られていた。そこで、新システムでは全社員が使える簡単操作と、素早いレスポンスが求められた。
「何しろ分析対象となるデータが膨大です。前システムは分析結果を出すのに数時間かかることもありました。これでは誰も使ってくれません」(石谷氏)。
この反省もあって、CTCは際だったパフォーマンスを実現するDWHアプライアンスNetezzaを提案した。「実データによるテスト結果を見るまではやはり不安でした。私も会社からプレッシャーかけられていましたし、CTCにかけました」と、石谷氏は笑う。
2008年1月から設計を開始、第一フェーズの構築開始が6月。そのカットオーバーが10月である。CRMアクションシステム同様、極めて短期間で構築が完成している。そして、第二フェーズが2009年1月、第三フェーズが3月になっている。
操作性も優れている。Excelに用意されているクロス集計機能ピボットテーブルのようなものと考えていい。まず、使用するデータを抽出し、縦軸と横軸に配置する項目を設定する。そして、集計対象となるデータを決めると、たちどころでクロス集計されるのである。
髙島屋には「いつ×どこで×誰が(どんなお客様が)×何を×いくつ買ったか」の情報が蓄積されている。そこから、顧客と商品、あるいは価格帯、売り場などとの相関関係を分析し、ある顧客集団「X」を抽出する。その「X」に対して、バイヤーは何を仕入れるか検討し、売り場担当者は商品の配置やゾーニングを設計する。そして販促担当者は、催し物やダイレクトメールなどのプロモーション施策を打つのである。
「もっともこのような方向性がすぐに決まったわけではありません。2007年の秋頃からCTCと一緒に詰めていきました。CTCは旧システムも構築していましたので、髙島屋の癖や風土、特殊な用語などを理解しています。システム構築の相談相手としては最適でした」と、同社 IT推進室 IT推進担当次長 石谷祐二 氏は振り返る。
その旧システムにも分析機能はあったものの、操作性がパワーユーザー向けで、使いこなせる人が限られていた。そこで、新システムでは全社員が使える簡単操作と、素早いレスポンスが求められた。
「何しろ分析対象となるデータが膨大です。前システムは分析結果を出すのに数時間かかることもありました。これでは誰も使ってくれません」(石谷氏)。
この反省もあって、CTCは際だったパフォーマンスを実現するDWHアプライアンスNetezzaを提案した。「実データによるテスト結果を見るまではやはり不安でした。私も会社からプレッシャーかけられていましたし、CTCにかけました」と、石谷氏は笑う。
2008年1月から設計を開始、第一フェーズの構築開始が6月。そのカットオーバーが10月である。CRMアクションシステム同様、極めて短期間で構築が完成している。そして、第二フェーズが2009年1月、第三フェーズが3月になっている。
操作性も優れている。Excelに用意されているクロス集計機能ピボットテーブルのようなものと考えていい。まず、使用するデータを抽出し、縦軸と横軸に配置する項目を設定する。そして、集計対象となるデータを決めると、たちどころでクロス集計されるのである。
導入効果と展望
普段の仕事の中に分析が組み込まれた
システム構築を担当した松本氏、石谷氏供に「素早いレスポンスの、とてもいいシステムができた」と口を揃えて評価している。そして、システムが完全に業務の中に組み込まれるようになったという。
「CRMアクションシステムを確認してから売り場に出ています。これを見ずに仕事が成立しません。髙島屋のCRM(お客様づくり)業務を実施するためには、CRMアクションシステムが有効であるということがSM全員に徹底されるようになりました」(松本氏)。
「みんなが興味をもって分析に取り組んでいますが、今後もバイヤーや販売促進担当者がさらに活用していけるよう、私達も教育や利用拡大に力を入れています」(石谷氏)。
髙島屋では売上データの質と量の向上に取り組んでおり、そのデータを利用したシステムの活用に大きな期待を寄せている。冬の時代に勝ち残りをかけた「最強の販売体制」。その体制作りをCTCのソリューション技術とDWHアプライアンスNetezzaが、強力に支援している。
「CRMアクションシステムを確認してから売り場に出ています。これを見ずに仕事が成立しません。髙島屋のCRM(お客様づくり)業務を実施するためには、CRMアクションシステムが有効であるということがSM全員に徹底されるようになりました」(松本氏)。
「みんなが興味をもって分析に取り組んでいますが、今後もバイヤーや販売促進担当者がさらに活用していけるよう、私達も教育や利用拡大に力を入れています」(石谷氏)。
髙島屋では売上データの質と量の向上に取り組んでおり、そのデータを利用したシステムの活用に大きな期待を寄せている。冬の時代に勝ち残りをかけた「最強の販売体制」。その体制作りをCTCのソリューション技術とDWHアプライアンスNetezzaが、強力に支援している。
用語解説
- CRM
- Customer Relationship Managementの略。ITシステムを利用して顧客と長期的な良好関係を築く手法。詳細なデータを元に、個々の顧客とのすべてのやり取りを一貫して管理できるシステムや体制を実現する。
- クロス集計
- 対象となるデータの、2つあるいは3つ程度の項目に着目してデータの分析や集計を行うこと。縦軸と横軸に項目をおいて表を作成して集計する。
お客様プロフィール

会社名:株式会社 髙島屋
所在地:本社 〒542-8510 大阪府大阪市中央区難波5丁目1番5号
創業:1831年(天保2年)1月10日
資本金:56,025,125,471円(平成20年2月29日現在)
取締役社長:鈴木 弘治
従業員:18,329名(連結) 12,257名(単体)(平成20年2月29日現在)
URL:http://www.takashimaya.co.jp/
記載されている会社名、製品名、サービス名は伊藤忠テクノソリューションズ(株)または各社の商標もしくは登録商標です。