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CTC

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

データ解析技術で貴重な地下資源を見つける

バーチャルリアリティ技術で地下の様子を見る
バーチャルリアリティ技術で地下の様子を見る

化石燃料など、エネルギー資源に乏しい日本。将来にわたってエネルギーを確保し、豊かな暮らしを守っていくために国をあげて様々な取り組みが行われています。CTCはエネルギーマネジメントを行う上で欠かせない解析技術を提供しています。

1970年代、中東の紛争に端を発するオイルショック(原油価格の高騰)は、資源の多くを輸入に頼っている日本の暮らしや産業にも大きな影響を与えました。日本では急速なインフレが起こり、人々は不安な心理からトイレットペーパーなどを買い占めるなど、混乱が広がりました。こうした事態を踏まえて、1974年には、エネルギー問題と付随する環境問題の抜本的な解決を目指す「サンシャイン計画」が発足。エネルギー技術研究開発に関する長期計画に従って、日本ではこれまで様々なエネルギーに関する取り組みを行ってきました。

その1つが地下資源探査の解析です。地下資源の探査でコンピュータパワーを必要とする解析には主に2つの種類があります。1つめは“反射法地震探査解析”。この解析は、地面の下に向けて発生させた人工的な振動が地下境界面で反射した様子を計測・データ処理し、地下構造を明らかにするもの。2つめは資源がどう流れていくかを調べるもので、“石油貯留層の流体挙動のシミュレーション”です。CTCは探査で得られた膨大なデータをもとに、目に見えない地下の構造や動きを解析・分析しやすくするため3次元で可視化する技術を研究機関に提供するなど、長年、支援を行ってきました。

陸上に比べると、海上の探査では専用の船を出すために膨大な費用がかかります。近年、開発が盛んな深さ1,000~3,000m級の大水深では、1回の調査で5~10億円もの費用がかかり、ボーリング費用も50億円以上になるとされています。そのため、出来るだけ少ない調査で的確に地下資源を探り当てることが重要です。ここで、国内で唯一、CTCが独自に提供しているバーチャルリアリティ技術が役立っています。これは、あたかも地層の中を特殊なメガネで見るかのように、地下の構造を仮想空間上で可視化する技術です。普通は見ることが出来ない地下の様子を目で確認することが出来るため、地下資源を探り当てる確率は高まります。

地下資源探査の技術は、地熱発電の分野でも役立てられています。現在地下1,000m程度の深さで行われている地質調査は、今後2,000m、3,000mとより深部まで進みます。地熱を化石燃料に続く第2のベースロード電源※とするため、CTCではさまざまな調査解析の支援を行っていく予定です。
地球深部探査船「ちきゅう」のプロジェクトでは、集められた膨大なデータを活用するための支援を行っています。また、東日本大震災以降は海底の断層構造に関する解析結果を地震対策に役立てるために国の機関に技術提供を行っています。
CTCは、これからも様々な形でITの力で社会に貢献していきます。

※電力供給事業で一定量の電力を安定的に供給する電源のこと。

高市 和義

科学システム開発部高市 和義