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CTC

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

ITの力で再生可能エネルギーを増やす

エネルギーマネジメントのイメージ
エネルギーマネジメントのイメージ

クリーンな再生可能エネルギーの割合を増やそうと、長期エネルギー需給見通し(エネルギーミックス)で目標を定めて積極的に取り組んでいる日本。しかし、再生可能エネルギーのうち、天候に大きく左右される太陽光や風力などのエネルギーを活用するためには発電量を予測し、制御することが必要です。CTCはエネルギーにまつわる膨大な気象データを強力なコンピュータパワーで解析・予測することで、再生可能エネルギーの安定稼働において重要な役割を果たしています。

エネルギー自給率の向上、地球温暖化対策の観点から、再生可能エネルギーの導入促進が注目されています。日本政府は太陽光や風力などの再生可能エネルギーを増やそうと、長期エネルギー需給見通し(エネルギーミックス)で2030年までに再生可能エネルギーの割合を全体の22~24%に引き上げるとする目標値を掲げました。
火力や水力発電などと異なり、太陽光や風力発電は天候によって発電量が左右されます。そのため、過去の気象・発電量データなどを解析することで正確な発電量を予測し、その値を元に火力や水力発電などの電源と調整し、全体の電力需要に対応した発電量にしなければなりません。
例えば、快晴で急に太陽光の発電量が増えた際に全体の発電量を調整しないとどうなるのでしょうか。大量の電力が一気に送電線へ流れると、需要と供給のバランスが崩れて電力供給がストップしてしまう危険性があります。再生可能エネルギーが大量導入された世の中で安定的な電力供給を行うためには、発電量を予測する技術が欠かせません。

CTCは長年、民間企業として気象予報を行ってきました。さらに、東北電力などの電力会社と共に膨大な気象・発電量データを解析し、予測を行うとともに、長年の経験やノウハウを付加情報としてシステムに取り込み、より使いやすい予測システムを作り上げてきました。その実績が評価され、現在、新エネルギーおよび省エネルギーの技術開発を推進する、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務である「電力系統出力変動対応技術研究開発事業」の全体事務局を担っており、業界内でも重要な役割を担っています。

これからの日本で再生可能エネルギーを増やしていくためには、エネルギーマネジメントが必要不可欠であり、次の3つの技術が必要とされています。
1)自然変動電源(太陽光・風力)の発電出力の予測技術
2)発電出力の変動を制御し、安定化する技術
3)電力需給を可視化し、バランスを保つための制御技術

風向きや風速などの気象データは、大きなコンピュータパワーでなければ処理できない膨大なビッグデータです。そして、エネルギーマネジメントにはビッグデータの解析が不可欠です。既にスペインではエネルギーマネジメントをすることで再生可能エネルギーが発電量全体の約40%(2014年)を占めるようになるなど、世界各国ではエネルギーマネジメントと共に再生可能エネルギーの活用が進んでいます。日本でも2030年までに再生可能エネルギーの導入目標値を達成するために、CTCはこれまで培ってきた経験や技術を活用し、再生可能エネルギーの導入促進に貢献していきます。

奥村 智哉

広域エネルギー・プロジェクトチーム奥村 智哉