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CTC

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

新エネルギーを賢く活用して明るい未来へ

日本では、地球規模での環境問題や大規模な自然災害対策の必要性などから、電力をより安全かつ安定的に供給するために環境に優しいエネルギーを活用することが求められています。CTCはエネルギーマネジメントを行うサービスを電力運用に関わる重要な拠点に提供し、再生可能エネルギーの拡大に大きく貢献しています。

私たちの暮らしに欠かせないエネルギー。しかし日本ではエネルギーの元となる化石燃料などの地下資源は乏しくその大半を海外からの輸入に頼っています。また高効率とされていた原子力による発電も安全面で見直しが行われるなか、安定的なエネルギーの確保は日本の重要な課題の一つになっています。そうした流れを受け、日本国内の電源構成計画(電力を生み出す一次エネルギーの比:エネルギーミックス)の見直しも行われ、さらに法改正によって、一般家庭や小規模事業所に向けた電力小売りを2016年4月から全面自由化。個人が電力の購入先を自分の意思で自由に選べるようになり、発電・送電・小売りの機能を分離する改革が進んでいます。また環境面への配慮から、太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーに関する注目が高まっており、これからはただエネルギーを消費するだけでなく、ムダなく賢く、エネルギーをマネジメントすることが求められています。

これまで電気の流れは主として、電力会社から送電線を通じて消費者に送るという一方向の流れでした。しかし今後は、制度改革や技術の進歩・付加サービスなどにより、電力を消費する側の企業や家庭からも電気使用量のデータを送るなど、情報を双方向でやりとりするエネルギーマネジメントが行われようとしています。この分野でITの活用が広がっており、CTCでは2012年から「E-PLSM(エプリズム)」というエネルギーマネジメントのサービスを展開しています。
E-PLSMは、電力にまつわるあらゆるデータ、例えば気象情報や発電、需要予測、設備に関する情報などの膨大なデータを収集・解析し、発電量予測や機器の故障予知など電力会社の運営に必要な情報を生み出すクラウドサービスです。例えば、ある地域の風力発電所の発電量を予測して、電力会社の電力供給の計画を支援するようなケースです。重要な社会インフラである電力会社の運営支援システムとしてE-PLSMが選ばれたのには理由があります。

国内動向(キーワード:再エネ・電力自由化)
E-PLSM全体像

それはCTCが民間企業で長年気象予報「WeatherEye」を手がけてきた実績に大きく関係しています。国の長期エネルギー需給見通しでは、現在、全体の数%しかない太陽光や風力などの再生可能エネルギーの割合を2030年には22~24%まで引き上げようとしています。しかし石炭や石油・天然ガスなどの化石燃料を使う火力発電と違い、太陽光や風力発電は天候で発電量が大きく左右されます。そこで必要となるのが気象に関する知識やノウハウ。さらにCTCは自社運営の強固で拡張性の高いデータセンターを持っている点が業界内で高く評価されています。またE-PLSMの中核を担うOSIsoft社のPIsystemは、すでに世界107カ国の製造業、エネルギーや電力、データセンターなどで導入実績があるソフトウエア。その信頼性の高さと気象に関する実績が評価され、電力会社の中央給電司令所に導入、日本の再生可能エネルギーの活用は大きく前進すると期待されています。

今後もCTCは国の長期エネルギー需給見通しに従って、ムダのない再生可能エネルギー活用のために注力していきます。近い将来、家庭内でつながるあらゆる電子機器、例えば、冷蔵庫やテレビなどの家電製品の消費電力を監視し、利用状況が自動で最適化される仕組みが実現されるでしょう。環境に優しいより安全な再生可能エネルギーを活用しながら暮らしていける、明るい未来につながります。

杉原 数彦

エネルギービジネス推進部杉原 数彦