製造業は、過去10年間に国内、および国外の市場において劇的な変化を遂げました。企業は、単に「適正な価格の良心的な商品」を生産するだけでは、もはや競争に勝ち残ることはできません。製造において成功を収めるには、コンカレント・エンジニアリング技術のような設計業務の改革や、最先端の製造技術の導入が不可欠です。
 Boothroyd Dewhurst, Inc.(BDI)が開発した Design For Manufacture and Assembly(DFMA)は、高品質の製品を低コストで製造するための最も効果的な設計ツールであり、競合に打ち勝つための強力な武器として米国で急速に普及してきました。高品質の製品を低コストで製造するには、部品の設計や組立、および材料や加工のコストを系統的に分析することが必要になります。製造、および製品のライフサイクルで発生するその他のコストは、それらが確定する前、すなわち製品の基本設計の段階でDFMAを使用した分析を行うことによって、70から80%改善することができます。
 DFMA手法では、まず Design For Assembly(DFA)によって、製品の組立性を分析します。DFAは、部品数を減らして製品を単純化させることを支援します。さらに、製品の組立時間と組立費を算出します。続いて、Design For Manufacture(DFM)によって、部品費を分析します。DFMは、材料コストを含めた部品費を算出します。これによって、組立と部品の両方の観点から、よりコストを抑えた製品設計が実現します。

1.DFMとは?

 DFMは加工性を著しく向上させます。基本設計の段階で、コストを正確に予測できるからです。DFMは多くの企業で、基本設計の段階でのコスト見積を従来の「魔術」から信頼性の高い系統的な手法に変えてきました。

 選択できる加工や材料が多くなると、すべての加工について熟知している技術者は、ほとんどいなくなります。そうなると、技術者はどうしても自分が知っている加工法を用いて設計を行いがちになります。しかし、DFMによって、技術者、コスト管理者、コンカレント・エンジニアリング・チームは、いろいろな加工の設計を比較検討することができます。

 DFMは、いろいろな材料を用いたときの部品費を見積る際に、実験と工程分析に基づいたデータを提供します。たとえば、機械加工のコストは、PERAや他の工作機械協会が標準、非標準材料の加工について編集したデータを採用しています。このデータを使って、各部品を系統的に分析することにより、材料費や加工費を基本設計の段階で正確に見積ることができます。結果として、数値データをもとに、さまざまな可能性を検討した上で、与えられた設計内容に最適な材料と工程を決定することができます。

2.DFAとの連係

 DFMは、DFAを補足します。DFAは、部品を統合することによって軽減する組立費を算出します。一方、DFMは統合によって増加する部品費を算出します。両者を比較することによって、「部品を統合するかどうか」を組立と加工の両方の観点から検討し、数字で裏付けられた決断を下すことができます。さらに、「別の材料、別の加工を用いたらどうなるか」をシミュレーションすることができます。たとえば、板金加工、または射出成形で製造した場合の部品費の比較を、総生産量を変えながらシミュレーションすることができます。

3.DFMの効果

精度の高いコスト計算:
DFMは、いろいろな材料と加工を用いた場合の加工費をシミュレーションし、設計改善の度合を検証します。たとえば、単なる寸法変更が加工費に与える重大な影響を、DFMは正確かつ迅速に予測します。
コンカレント・エンジニアリングを支援:
DFMの対話機能は設計や製造部門、およびマーケティング、経理、購買といった部門間の共同作業を支援します。DFMによって、材料や工程の変更を簡単に分析できるので、これらの部門間のコミュニケーションが改善されます。たとえば、経理部門から材料費が高すぎるという問題が提起された場合、設計と製造部門の技術者は材料や工程を変えて加工費をシミュレーションすることができます。このように、各部門が積極的に協力して問題解決に取り組むことにより、製品の開発サイクルは大幅に短縮されます。
設計ツール:
材料や工程の変更を容易に検証できるので、既存製品の設計改善に際して、DFMは非常に有効なツールとなります。結果として、より信頼性が高く、優れた競争力を備え、かつ製造原価の条件にも見合った製品を実現させます。
ベンチマーク・ツール:
その正確なコスト見積機能により、DFMは優れたベンチマーク(基準設定)ツールとして多くの企業で採用されています。自社の設計を競合製品と比較し、市場への適合性を検討し、目標コストを決定することができます。

4.対応モジュール

現在DFM(DFM Concurrent Costing)は、つぎの加工法をサポートしています。

        ・機械加工 ・射出成形(樹脂) ・板金加工 ・深絞り ・ダイカスト ・粉末冶金

        ・射出成形(金属) ・ロストワックス ・砂型鋳造 ・熱間鍛造

        ・ブロー成形 ・押出し成形(樹脂) ・発泡射出成形 ・真空成形 ・自動組立

5.コスト分析フロー

DFMによるコストの分析は下図のフローで行います。

(選択した加工方法により入力は異なります)

材料データベースから材料を選択します。
データベースは、データの修正・追加が可能。




部品の寸法情報や加工条件などを入力します。




総生産量、年間生産量、ロット数などを入力します。




加工工程における加工機械、型、材料などについて
コストや時間などが計算されます。




表面仕上げ、塗装、メッキなどの2次加工の工程を
ライブラリーから選択し設定します。




部品1個あたりの部品費を算出します。

6.DFM機能


 ● DFM Concurrent Costing


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