突撃取材レポート

Excel業務から始める働き方改革と生産性向上!
“脱Excel”ではなく“活かすExcel”で大幅な業務効率化を実現!

デジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社 xoBlos事業部 営業企画・推進 部長 秋山 洋 氏

デジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社
xoBlos事業部 営業企画・推進 部長
秋山 洋 氏

働き方改革時代の到来!Excelを活かして生産性向上を目指す!
「RPAは複雑なExcel処理が苦手」説など、さまざま疑問についてExcel業務改革を300社に提供した実績を持つ秋山氏が語る。

xoBlos

労働参加率の向上や労働生産性の向上、ワークライフバランスの実現などを目標とする「働き方改革」の機運を契機に、企業では労働環境の是正を背景とする業務効率化が改めて厳しく問われるようになりました。そこでIT SPiceが注目したのが、企業に浸透しているExcel業務です。ここ数年来、脱Excelが叫ばれ続けてきた中で、脱Excelへの道が本当に正しかったのか、脱Excelによる弊害はなかったのかを改めて検証するため、今回は独立系システムインテグレーターとして長年IT環境の構築を通じ、多くのお客様のビジネスの競争力向上に貢献してきたデジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社 (以下、DIT)xoBlos事業部 営業企画・推進 部長の秋山 洋氏に突撃取材を敢行。脱Excelとは真逆の道を歩む同社が開発したExcel業務改善ソリューション「xoBlos(ゾブロス)」の好調の秘密や、今話題沸騰中のRPA(Robotic Process Automation;ロボットによる業務自動化)との違いなど、独自の提言を存分に語っていただきました。

目次

  1. なぜいまExcelなのか?
  2. 無理にExcelを排除しようとすると隠れて使い出す
  3. RPAで全ての業務が自動化できるわけではない?!
  4. RPA+xoBlosで約180時間も作業時間を削減
  5. 「形のないツール」の今後の展望 ~フレームワーク・モバイル利用・RPA連携~

なぜいまExcelなのか?

IT Spice編集部(以下、編集部):最初に、xoBlos(ゾブロス)の概要と開発の動機についてお聞かせください。

秋山氏xoBlosは、お客様の現場のExcel業務をターゲットに、Excelで時間をかけて作業をしている業務を全てワンクリックで自動的に実行できるようにするツールです。多種多様なExcel業務のデータ分解&再構成する機能とWebアプリケーションによるデータ管理により、Excel を活かしたままExcel業務にかけていた時間と人財を解放し、業務を劇的に改善する「Excel業務イノベーションプラットフォーム」です。

当社は1982年の創業以来、独立系SIerとして変化対応力を強みに、業務系システム開発や組込み系システム開発、システム運用サービスなどの事業を展開してきました。近年は顧客起点を念頭に置き、システム開発だけでなく長年のお客様とのビジネスで培った業務やインフラのサービス、セキュリティなどのノウハウを基にITサービスの商品化を進めています。その一環で、約8年前に独自商品として開発したのがxoBlosです。

当初は公的な機関のみでご利用いただいていたシステムで毎晩夜間バッチで自動的に集計を行っていたのがxoBlosのルーツでした。一見地味なシステムでしたが、Excelから吸い上げられた情報が「活きた情報」へ形を変えられると大変好評をいただいたため、2013年にUI(ユーザーインターフェース)を強化しサービス化しました。現在は、約300の企業に導入され、100を優に超える業務でxoBlosが活用されるまで広まっています。

図1

図1 xoBlos(ゾブロス)の仕組み

編集部:“脱Excel”という言葉の下、さまざまなツールが開発される中、xoBlosがExcelに特化して開発された理由について教えてください。

秋山氏:最大の理由は、Excelの持つ機能が非常に便利で、現場は手放すことができないからです。あるウェブ媒体が2017年に行った企業アンケート調査では、「業務効率化という観点でどのようなツールを使っているか」という問いに対し、約8割がExcelと答えています。それだけExcelは使い勝手がよく、かつ企業に浸透しているツールだといえます。

しかし、浸透しているからこそ多くのユーザが苦労されているのもExcelです。実際に月次レポート等をExcelで提出するケースは多いと思いますが、そのレポートを作成するまでにさまざまなシステムからデータを取り込んで最終的なアウトプットを作成したり、取り込んだシステムのデータを一定のルールに従って毎回変更処理(集計、分解、比較など)をかけたり、レポートを作成するまでに複数のExcel作業が発生することも多々あります。(図2の左側の状態)途中で人の手を介さなければできない作業や、Excelに負荷をかけてしまう処理もあり、最終アウトプットを出すまでに多くの時間をかけているのが実態です。

その不便な部分を効率化し、最終的にお客様が手作業で作ったExcel帳票と全く同じものがワンクリックだけで出力できるという発想から開発したのがxoBlosです。手作業の部分だけ自動化ができれば、周辺に影響を与えないので取り入れやすいと好評いただいています。

xoBlosは、内部でExcelやCSV、RDBなどのインプットデータを独自の共通の形式に分解して処理をしますが、その動作設定はお客様がその仕組みをご理解し、自ら行うこともできます。それが高く評価いただいている要因のひとつにもなっています。

図2

図2 xoBlos(ゾブロス)導入イメージ

図3

図3 xoBlos(ゾブロス)のコンポーネント

編集部:それでは、xoBlosはどのようなケースで使われているのでしょうか?

秋山氏:企業組織はピラミッド構造で仕事が進みます。現場から報告業務が行われると、その実績を課長、部長、取締役、さらにはトップへと報告が渡され、その実績を見て必要と判断した材料を現場に落とし込み、その結果を現場は再び報告に変えてピラミッドに上げていくというサイクルでデータが流れていきます。このフローをExcelで行われていることが多いですが、いわゆる「ワークフロー」と大きく異なるのは、情報が流れるにつれ、データが集約されたり、詳細に分けられたりと、形が変わることです。ここは多くの場合手作業が必要となっていますが、この部分をxoBlosは自動化することができます。例えば、経理部が行っている予算の集計業務や見込みの報告業務、調達部門での納期回答業務、購買部で行う価格の調整業務など、各署が集計した結果をベースにバランスを考慮して配布するなどの業務に使われているのです。

無理にExcelを排除しようとすると隠れて使い出す

編集部:かなり以前から業務効率化の代名詞として“脱Excel”が叫ばれ続けてきましたが、特に日本の場合、未だにExcelは欠かすことのできないツールとして企業内部に定着していますよね。

秋山氏:当社がxoBlosを開発した当時から“脱Excel”というキーワードはありました。実際に、以前当社が「脱Excel実現プロジェクト」を受託し、お客様先に常駐する形で本格的にその方法を模索したこともありましたが、結果的に脱Excelは実現できませんでした。

それは、現場の抵抗が極めて大きく、無理にExcelを排除しようとすると隠れて使い出すことがあったためです。そのプロジェクトでは、フロントに画面を作り、そこに情報を入力していくことで基幹側に情報を集めるという方法で脱Excelを進めようと試みたのですが、入力するための前情報がそもそもExcelだったので、結局現場はExcelを使い、転記するだけという使い方に戻ってしまいました。

もちろん、脱Excelツールは数多く存在します。多くは、裏側にデータベースを置きデータを蓄積させてダッシュボードで集計する機能も備えるなど、システム内に限った範囲ではかなり高度な分析が可能ですが、そこから最終的に現場に落とすためにExcelフォーマットに変換する際、そのフォーマットにはExcelのマクロ機能は残されておらず、全て値の情報になってしまいます。そうなると現場は落とされたExcel上で再びマクロやピボットテーブルを組み始め、自分達で分析を行うという悪循環が繰り返されるわけです。

編集部:そうまでして、なぜ現場はExcelが好きなのでしょうか?

秋山氏:日本の仕事現場にパソコンが導入され、ITが普及することになった最大の要因がマイクロソフトのOfficeであり、その中でも最も身近に使われたのがExcelだったのです。しかもExcelはかなり高度なプログラミングツールで、やろうと思ったらかなりのレベルのことができてしまいます。ある程度のマクロの知識があればExcelを使ってユーザ独自のシステムを作り込むことができる。そこで一気に普及し、次第にExcelから離れられない状況になりました。

ただ、それが可能なのは企業の中でも恐らく少人数で、高度なツールであるが故にクリティカルな業務を実現している場合があり、継続的に運用していくにはハードルが高く、属人性が強くなり企業にとってリスクになる可能性もあります。

編集部:Excelのガバナンスの問題ですね。

秋山氏:その通りです。業務にExcelが浸透しているほどそのExcelが扱っているデータ自体は重要である場合が多く、ガバナンスを効かせるためには、無理に現状の業務の流れを変えず、リスクを回避しながら業務を扱っていく仕組みに置き換える発想が必要でした。

xoBlosは現場が必要とするマクロやピボットテーブルも含めたExcel帳票をそのまま管理でき、無駄な転記作業や機能の再登録などを省くことができます。お客様自身がお使いのExcelをそのまま使いながら、データだけを自由に加工し、最後に出力してもフォーマット通りのExcelに戻るので、脱Excelツールのようにデータベースを新たに作り込む必要はなく安価で、1個のメニュー体系に複数業務を乗せることも可能なので横展開しても使い方は全く変わりません。Excelのステップアップとしてもお使いいただけるようなツールになっています。

図4

図4 xoBlos(ゾブロス)フロー

RPAで全ての業務が自動化できるわけではない?!

編集部:最近、RPAがバズワード扱いから実際の導入期に移行しつつあり大変注目を集めていますが、xoBlosも一種のRPAと考えていいのでしょうか?

秋山氏:当社ではxoBlosはRPAの範疇に含まれないと定義しています。RPAはまだ概念があいまいで、「これはRPAだ」と断定してしまえばマクロもルールエンジンもワークフローシステムも全てがRPAになってしまいます。ただ、当社は「画面の操作」のような“人が行っている作業”を自動化するソフトウェアロボットがRPAであるとしています。xoBlosの相手にしているのは「データ」であり、その点において当社の考えるRPAには含まれません。

Excelの持っている「データ」の加工作業を自動化することで、Excelを活用した業務をより効率化するのがxoBlosの本分なので、人が行っている非データからのデータ化作業(入力業務)や検索作業などはxoBlosでは不可能です。xoBlosはRPAをもっと便利に使うためのツールだとお考えください。基幹システムやワークフローなどのサブシステムで人が行っていた作業を「WinActor(ウィンアクター)」などのRPA製品を使って自動化し、一方でExcelを使った業務の自動化をxoBlosが受け持つという構図になるかと思います。

反対に、Excel業務をRPAで代行するにはサーバに大きな負荷がかかり、処理時間が掛かるなどの問題が起きる可能性がありますのであまりお勧めできません。つまり、意外なことかもしれませんが「RPAはExcelが不得意」というのが実態なのです。

そのため、RPAで業務の自動化をめざす場合、Excel作業の部分はExcelを得意とするxoBlosに任せ、RPAとxoBlosを連携させるといった使い分けが非常に有効となります。

編集部:まさか、RPAがExcelを苦手としていたとは知りませんでした・・・。

秋山氏:行う業務にもよりますが、カット&ペーストや転記作業などはRPAが得意ですね。しかし、Excelのように裏で各種の処理を行い1つのデータにまとめ上げながら帳票を作るといった作業はRPAにとって負担が重いのです。あるRPAベンダーもその事実を認めています。

今後は、RPAで全ての業務を自動化できるものとの認識を改め、どのような業務に適用できるのかを試行錯誤して探っていくことが重要でしょう。

RPA+xoBlosで約180時間も作業時間を削減

編集部:それでは、xoBlosとRPAが連携することで成功した導入事例をご紹介ください。

秋山氏:住友林業情報システム株式会社様がRPA製品とxoBlosを併用し、約80業務を自動化した事例についてご紹介します。

同社は、会議資料の作成や予算・実績資料の作成、申請書の作成などでExcelを多用し、Excel業務の効率化が大きな課題でした。そこで注目したのがxoBlosだったのです。

xoBlosが選ばれた理由としては、1)入出力のインターフェースがExcel、2)Excelなのに入力チェックが可能、3)Webアプリケーションによるデータのサーバ管理、4)処理速度の速さ、5)セル型のデータ構造なので項目の変更が容易、6)制御シートによるアプリケーションの改修が容易、7)利用者権限管理や基本メニュー基盤の用意などを挙げています。xoBlos導入により、業務システムが通常のシステム開発と比べ安価で構築でき、Excel利用のバックオフィス業務を格段に効率化できるといった評価をいただきました。

現在は、予算・損益実績集計システムや個人スキル判断・資格管理システム、安全運転指導・ドライブレコーダー管理システムなどのほか、海外・国内関係会社資金管理システム、通勤費管理システムなどでxoBlosが活用されています。

一方、Excel業務の効率化とは別にバックオフィスの現場では、人が行う入力作業や確認作業なども効率化が求められていたため、かねてより検討していたRPAツールの導入を決定し、現在では働き方改革推進のツールとして認定されるまでになっています。

しかし、そんな中で浮上してきたのが、先ほどお話ししたような「RPAは複雑なExcel処理が苦手」という課題でした。多くの人が利用するとRPA製品のサーバに負荷がかかり、ライセンス料も膨大になるということが問題視され、レスポンス改善とインフラの負荷分散が必要と指摘。そこで同社は、RPA製品にxoBlosを組み合わせることで課題の改善にチャレンジしたのです。その結果、予算・損益実績集計業務においてxoBlos側では全社で述べ約120時間/月、RPA製品側では全社で述べ約60時間/月の作業時間が削減され、1つの業務だけでトータル約180時間も作業時間が削減できました。(※)

編集部:わずか1つの業務で月に延べ180時間の削減ですか?

秋山氏

デジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社
xoBlos事業部 営業企画・推進 部長
秋山 洋 氏

秋山氏:実に大きな効果だといえますね。作業時間の削減のほか、属人化していた業務の消滅やメンテナンスの向上なども確認されています。住友林業グループ様はExcel文化を色濃く持つ企業ですので、xoBlosでの導入効果が顕著に表れているともいえるでしょう。

住友林業情報システム様における導入コンペの際、脱Excelを唱えたベンダーが多い中、“活かすExcel”を唱えたのは当社のxoBlosだけ。それを選択していただいたことは、現場への浸透力を正しく評価いただいた結果だと思っています。

編集部:他に理想的な事例はありますか?

秋山氏:理想の事例という意味では、CTCSP社のケースも該当するでしょう。CTCSP社は元々xoBlos導入ユーザであり、そこで培ったノウハウを活かし代理店になっていただいた理想的なユーザです(笑)

CTCSP社では、基幹システム上の商品マスターや価格表のメンテナンスをExcelの関数やマクロを駆使して行っていますが、取引先ごとに異なる価格表の形式を自社のフォーマットに変更する作業や、顧客の情報や販売機器の情報を保守システムに反映させながらExcel上で注文番号や型番を修正して基幹システムへ手作業で入力するという作業を毎月行っており、登録する件数も多く煩雑で膨大な時間もかかり、大きな負担となっていました。

xoBlosを活用することで、マクロ資産を継承させたまま従来の7つの作業フローを1クリックで実行できるよう自動化。それにより、業務フローを大きく変更することなく、4名が10日をかけて行っていた毎月3500~4000件もの手作業を、3名が2日で完了できるように効率化しました。人材をより重要な業務に最適配置した結果、単純計算で年に約120万円のコスト削減効果が得られたということです。これらのステップの結果もxoBlosでは取り組みデータとして作成できるので、xoBlos自体を作業フローのマニュアルとしても活用いただいています。CTCSP社はこれらの効果を他の業務にも転換できるという応用力をお持ちだったことから、一気に代理店契約へと結びつきました。

編集部:CTCSPのご紹介ありがとうございました(笑)。

「形のないツール」の今後の展望 ~フレームワーク・モバイル利用・RPA連携~

編集部:それでは最後にxoBlosの今後の展望についてお聞かせください。

秋山氏xoBlosはお客様の業務に合わせて様々に形が変わる、いわば「形のないツール」ですので、代理店の担当者も説明が難しく、お客様へご理解いただくまでに大変苦労する、とご意見がよせられることがあります。そのため、製品を分かりやすくした売り方を検討しています。その第1弾として、実績の多い「予算集計損益見込み管理業務」についてフレームワーク化し販売を開始しました。既に20社ほどに検討をいただいています。従来のExcel業務の運用の形を変えずに効率化しながらフレームワーク上に乗せることができるので、導入までのサイクルも迅速化し、価格面でもイメージもつきやすいソリューションになっています。

第2弾はモバイル利用です。スマートデバイス上にチャットボットアプリを搭載し、AIと会話するだけでExcel帳票が埋められていき、プレビューボタンを押せば帳票が自動的に完成するというシステムです。これは、スマートフォンの画面上ではExcelに入力が難しいケース、例えば外回りの営業担当者が使う営業日報などの報告書や、製造業の現場担当者が使う報告書作成などの利用を想定しています。現状のチャットボットは、フリック入力にしか対応していませんが、ハンズフリーで音声入力にも対応できるようにしたいと考えています。個々の帳票を一覧表にまとめたり、CSV形式でSFAツールにデータ移管したりする役割を担うのがxoBlosで、今後「スマほうこく!」という商品名でクラウドサービス化する予定です。

第3弾がRPAとxoBlosの連携商品。「xoBot」(ゾボット)という名称で2018年2月にリリースする予定です。これは、前述した住友林業情報システム様の事例が参考になると思いますが、xoBlosをよりRPAと連携しやすく改良することで、さまざまなRPAに対応するよう設計し直したものです。CTCSPからもご購入いただけるようになると思いますので、どうぞご期待ください。

編集部:最後にxoBlos(ゾブロス)という名称はユニークですが、その由来について教えていただけますか?

秋山氏:はい。xoBlosをアルファベットで反対側から読むと“sol Box“、つまり「Solution Box」(解決箱)という意味になります。“x”から始まる製品名は少なく、お客様の印象に残りやすいのもポイントです。

編集部:なるほど!私たちもお客様の課題を解決すべくxoBlosおよび今後リリースされる新製品を、多くのお客様にお届けできるよう尽力していくつもりです。本日はお忙しい中、ありがとうございました。

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