コラム IT春夏秋冬
6Gの視点
技術の進歩はスピードを上げています。通信の世界では5Gが商用化されたばかりだというのに、早くも6Gの時代へ向けた準備が着々と進んでいます。
私は、会社の変革、コーポレート・トランスフォーメーション(CX)を推し進める上においても「6G」が重要なキーワードになるのではないかと思っています。すなわち、「Gender」「Generation」「Global」「Group」「Governance」「Green」という6つの視点です。日頃から何かしらの判断を下す時に、この6つの視点から物事を俯瞰的に見るように意識しています。
例えば、社内に委員会を立ち上げる時、男女の比率のバランスはちゃんと取れているだろうか。意思決定のプロセスにおいて、各世代の意見を聞いただろうか。その決定は、グローバルな価値観や環境保護の基準に照らしても正しいだろうか、等々。社員の一人ひとりにも、自分自身の判断軸を持って、日常の行動の中で自律性を取り入れていってもらいたいと思っています。
ビジネスを取り巻く環境が目まぐるしく変化し、先を見通しにくいVUCAの時代。トップダウンで会社を動かしていく猿山型の経営では、社長の限界が組織の限界になってしまいます。それよりも、多様な人材がそれぞれの個性と特長を伸び伸びと発揮できる動物園型の会社の方が発展が望めるでしょう。さらに、縦割りの壁を取り払ってサファリパークのようにすれば、個の力をもっと解放できるだけでなく、インクルージョンによって化学反応を促し、ビジネスアイデアの創出も加速できるというものです。
去る6月、フリーアドレスを導入した新オフィスに引っ越して、9月には東京地区にあったグループ会社の移転統合も完了し、多様な社員が集うサファリパークらしい景色になりました。社会の中で企業が果たすべき役割は大きく、新たな環境をCTCが社員とともに成長する場にするためにも、6Gの視点は欠かせません。
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
代表取締役社長
柘植 一郎
記載内容は掲載当時の情報です。最新情報と異なる場合がありますのでご了承ください。