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日本コープ共済生活協同組合連合会 様

更新

Red Hat OpenShift Container Platformを軸にWebシステム基盤を刷新
柔軟で迅速なアプリケーション開発が可能に

  • Red Hat OpenShift Container Platform
  • TechnoCUVIC VP

日本コープ共済生活協同組合連合会は契約者サポートなどにWebを有効活用することで、契約者のサービスレベル向上などに取り組んでいたが、アプリケーションの柔軟な開発において従来のWebシステム基盤が足かせとなっていた。

そこで、伊藤忠テクノソリューションズの支援のもと、コンテナ・アプリケーション・プラットフォーム「Red Hat OpenShift Container Platform」を軸に同基盤を刷新。マルチベンダーの体制に適した開発環境や短期間・低コストでのサービス立ち上げ、柔軟なリソース増減などを実現した。

課題と効果

課題
  • 利用者の多彩なニーズに応えるアプリケーションを柔軟に開発したい
  • サービスを短期間・低コストで立ち上げたい
  • システムの需要変動に素早く柔軟に対応したい
効果
  • アプリケーションごとにコンテナを用意し自由度を向上
  • デリバリの期間を飛躍的に短縮し、アベイラビリティも改善
  • 需要に応じてリソースを増減。コスト削減にもつながる

導入事例インタビューデータ

組織名
日本コープ共済生活協同組合連合会
所在地
東京都渋谷区千駄ヶ谷4-1-13 コープ共済プラザ
設立
2008年11月5日
URL
http://coopkyosai.coop/新しいウィンドウで開く
  • 日本コープ共済生活協同組合連合会 開発本部 Webシステム開発部 部長 兼 Webシステム開発グループマネージャー 川添 健氏

    日本コープ共済生活協同組合連合会

    開発本部 Webシステム開発部
    部長 兼 Webシステム開発グループマネージャー

    川添 健氏

  • 日本コープ共済生活協同組合連合会 開発本部 Webシステム開発部 Webシステム開発グループ 三井 悠士氏

    日本コープ共済生活協同組合連合会

    開発本部 Webシステム開発部
    Webシステム開発グループ

    三井 悠士氏

「共済マイページ」の開発に適したWebシステム基盤が求められる

日本コープ共済生活協同組合連合会(以下、コープ共済連)は相互扶助の精神のもと、生協の組合員向けに保障事業を展開する。ニーズに応じて幅広い保障を揃え、なかでも子供向けや女性向けの保障に力を入れており、子供向け保障の契約数はNo.1を誇る。

コープ共済連が近年注力しているのが契約者サポートや新規契約申し込みの窓口となるWebシステムだ。専門部署を設け、様々なサービスやシステムを開発・提供している。コープ共済連 開発本部 Webシステム開発部 部長 兼Webシステム開発グループマネージャー 川添健氏は「私たち生協は常に、“組合員と職員の触れ合い”を大切にしてきましたが、最近ではライフスタイルの変化で日中なかなかお会いできない方も増えてきました。Webはそうした状況に対応して双方向性を生かした、新たな組合員や契約者との接点となるチャネルになると考えています」と話す。

コープ共済の契約者向けのWebシステムの中核が「共済マイページ」だ。契約者の共済金請求や住所変更などの手続きを24時間365日可能にして利便性を向上すると共に、コープ共済連内での事務処理効率化も図っている。従来はその役割を「インターネット受付システム」が担ってきたが、共済マイページはその後継として、より発展させて新規構築している。

共済マイページはサービス機能範囲が広く、利用者の多種多様なニーズに素早く柔軟に応えなければならない。そこで、サービス機能単位にアプリケーションを構築し、アプリケーションごとに異なるベンダーに開発を依頼するマルチベンダー体制を採っている。

「各サービス機能は短期間・低コストで立ち上げ、順次追加・拡大していくことが求められます。同時に開発ベンダーごとに、設定や構成など環境を細かく変える必要もあります。そのような開発を効率的に進めるには、従来のモノリシックなWebシステム基盤では限界でした」(川添氏)

従来のWebシステム基盤は他にも多くの課題に直面していた。コープ共済連 開発本部 Webシステム開発部 Webシステム開発グループ 三井悠士氏は「突発的なアクセス増に対応するには、サーバリソースは最大を見越して用意する必要があり、コスト圧迫の一因でした。その上、システムのサイロ化解消、セキュリティパッチ提供停止などの保守切れ対策、アベイラビリティ向上、ベンダーロックイン回避、進化の早いWeb技術への追随なども課題でした」と振り返る。

Red Hat OpenShift Container Platformによるコンテナで、Webシステム基盤を刷新

コープ共済連は、共済マイページに向けて新Webシステム基盤の刷新に着手した。その柱はコンテナによる仮想化である。採用した製品はRed Hat社のコンテナ・アプリケーション・プラットフォーム「Red Hat OpenShift Container Platform」(以下、OpenShift)だ。

「コンテナならアプリケーションごとに実行環境を分けられ、マルチベンダーの開発体制と親和性が高く、短期間・低コストでのデリバリ、リソースの柔軟な増減なども可能です。コンテナ製品は事実上の標準であるOpenShiftしか考えられませんでした」と川添氏は振り返る。三井氏も「Red Hat社のサポートを受けられるので、安心できる点もポイントでした」と続ける。

OpenShiftはRed Hat社のアドバンストビジネスパートナー及び認定クラウドパートナーである、伊藤忠テクノソリューションズ(以下、CTC)の支援のもとに導入された。「OpenShiftと各種ツールを連携させ、コンテナ構成管理の自動化やデプロイ中でもサービスを止めない仕組みも設けました。OpenShiftはコンテナ作成からチューニングやログ設定などまで簡単な操作でできる点がよかったです」(三井氏)

更にCTCの仮想化ホスティングサービス「TechnoCUVIC VP」の採用など、CTCの全面支援のもとに新Webシステム基盤を構築した。川添氏はCTCを「常に我々に寄り添ってくれて、私たちの立場でRed Hat社や開発ベンダーとの間を取り持っていただくなど、とても助かりました。OpenShiftに精通していて技術力も高く、頼りになるパートナーです」と評価する。

ベンダー/アプリケーションごとの環境で開発効率化。リソースの柔軟な増減なども実現

新Webシステム基盤はに稼働を開始し、共済マイページはに本番稼働した。他の新規構築の2システムもまでに稼働し、現行Webシステムの再構築・移行も順次実施している。

「OpenShiftを軸に、共済マイページのアプリケーション開発に大変フィットした新Webシステム基盤を整備できました。今後10年間を見据えて私たちのWebシステムを背負う基盤とすることを目標に構築しており、中長期的な投資対効果も期待しています」(川添氏)

マルチベンダー体制でのアプリケーション開発における従来のWebシステム基盤の課題も解決できている。「設定や構成などの環境は従来、サーバごとにしか変更できませんでした。今はコンテナ単位でアプリケーションごとに変更できるようになり、手間や時間の削減とあわせ、自由度が大幅にアップしています」(三井氏)

サーバインフラについても、「デリバリを飛躍的に短期化できています。従来はサーバを立てるだけで、ハードの調達などで何カ月も要しました。今ではすぐさま立てられるので、スピーディなアプリケーション開発やサービス提供が可能となりました」と三井氏はその効果を語る。

他にも、サービス需要増や突発的なアクセス集中などにリソースを柔軟に増減可能となり、最大を見越してリソースを用意する必要がなくなったことをはじめ、従前の各種課題を解決できている。

また、コープ共済連はの台風19号で被害を受けた契約者が共済金請求をより素早く簡単に行えるよう、臨時の簡易的な専用Webサイトを数日で開設した。

「これからの専用Webサイトはあまり簡易的ではなく、必要な機能を全て揃え、より便利に使えるものを極力短期間で開設しなければなりません。突発的なアクセス集中も予想されます。そのような取り組みに、新Webシステム基盤は大いに力を発揮するでしょう」(川添氏)

今後は安定稼働を維持しつつ、Webならではの強みを生かし、契約者のサービスレベル向上や職員の業務効率化などを加速していく。

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