事例

株式会社ジャパンネット銀行 様

更新

コンテンツの起案から承認までを一元管理するワークフローシステムを刷新。 承認プロセスにかかる煩雑さを解消し、大幅な時間削減を実現。

  • 文書管理 EIMANAGER

日本初のインターネット専業銀行として誕生したジャパンネット銀行。銀行界のベンチャー的存在として、従来の銀行にないスピード感・創造性を大事にし、お客様の利便性向上のため、新たなサービスの開発にチャレンジを続けてきました。この度、お客様との最も重要な接点であるサイトのサービスや商品情報などのコンテンツ起案から承認までを一元管理し、迅速な公開を支援する「顧客説明審査ワークフローシステム」をCTCが独自開発したドキュメント管理システム「EIMANAGER」を用いて刷新しました。CTCはシステム開発から運用までをトータルに担当。コンテンツ制作や承認プロセスのフローを見える化し、審査時間の大幅短縮を実現しました。

導入事例インタビューデータ

会社名
株式会社ジャパンネット銀行
所在地
東京都新宿区西新宿2-1-1
開業
2000年10月12日
URL
https://www.japannetbank.co.jp/新しいウィンドウで開く
  • 株式会社ジャパンネット銀行 UI部長 渡邊 明生氏

    株式会社ジャパンネット銀行

    UI部長

    渡邊 明生氏

  • 株式会社ジャパンネット銀行 UI部 制作グループ長 菊池 亜紀子氏

    株式会社ジャパンネット銀行

    UI部 制作グループ長

    菊池 亜紀子氏

  • 株式会社ジャパンネット銀行 UI部 制作グループ 部長代理 東元 俊明氏

    株式会社ジャパンネット銀行

    UI部 制作グループ 部長代理

    東元 俊明氏

分かりやすいコンテンツの提供はインターネット銀行の義務

ジャパンネット銀行では、最新技術を積極的に取り入れた金融サービスの開発と提供を通じて、新たな市場の創造とビジネス拡大に取り組んでいます。インターネット銀行のパイオニアとして「お客さまの視線に立ち、お客さまとともに歩む銀行」を理念に掲げています。理念を実現するための最重要領域の一つとして位置付けているのが、サイト画面やコンテンツ等のUI(ユーザーインターフェース)・UX(ユーザーエクスペリエンス)です。

インターネット銀行におけるUI・UXの重要性について、UI部長の渡邊 明生氏は次のように説明しています。「インターネット銀行にとってサイトは、お客様と継続的にコミュニケーションができる最も重要な場です。お客様が我々のアプリやブラウザを開いてアクセスしなければビジネスは始まりません。そのため、画面の使いやすさはお客様に対する礼儀であり、分かりやすいコンテンツの提供はお客様に対する義務だと思っています。私たちのビジネスにおいて、新しい商品やサービスの開発が足し算だとすれば、UI・UXはそれらの価値をさらに高めて魅力的にするための掛け算であり、両方があって初めてお客様に気持ちよく取引を続けていただけるものと考えています。」

このお客様との大事なコミュニケーションの場を構成するWebコンテンツの、起案から承認までを一元管理する専用システムが「顧客説明審査ワークフローシステム」です。商品やサービスの情報をサイトに公開する前に、UI・UXの観点で社内の基準を満たしているか、コンプライアンスに抵触していないか、といったことを稟議を通じて事前協議します。こうした稟議の証跡を保存することも、金融機関にとって必須の重要なプロセスです。

年間2千数百件のコンテンツ稟議における煩雑さの解消

、UI部内で刷新に向けた議論・検討がスタートしました。その背景について、UI部 制作グループ長の菊池 亜紀子氏は次のように振り返ります。
「従来はコンテンツ稟議も、各種報告書から契約決裁まであらゆる稟議に使う汎用的なワークフローシステムを使っていました。コンテンツの稟議はコンテンツの校正と承認を同時並行で行うので、必ずしも標準的な承認プロセスに合致するわけではありません。また、取り扱う商品ごとに承認フローも異なります。そこで、コンテンツ稟議のプロセスと承認者を間違わないよう稟議テンプレートやマニュアルを整備してきました。その結果、テンプレートは増え続け、マニュアルは複雑化。起案者は稟議を開始する前に、自分の起案するコンテンツがどれに該当するのかを確認することに時間を要していました。インターネット銀行の特性上、Webサイトの更新は頻繁に発生し、稟議にかけるコンテンツは1日10件程度、年間で2千数百件にのぼります。これまでは起案から承認までの手順が煩雑で進捗状況も分かりづらく、タイミングよくコンテンツを公開しスピーディに商品やサービスを展開することを阻害している状況でした。」

こうした背景もあり、コンテンツ稟議のワークフローシステム刷新に本格的に取り組むことになりました。

「サイトの1文字を直すにもコンテンツ稟議は必要になります。他の稟議よりも利用頻度が圧倒的に高く、プロセスも大幅に異なります。そのため、従来のワークフローシステムと切り離して、マニュアルを参照せず、初見の人でも効率的で使いやすいシステムにできないかと長い間考えてきました。折しも、既存の社内稟議ワークフローシステムの更改時期になり、コンテンツ稟議については専用のワークフローシステムの構築に着手することになりました。」とUI部 制作グループ 部長代理の東元 俊明氏は話します。

コンテンツ稟議システム概要図

コンテンツ稟議特有の複雑なワークフローにも柔軟に対応できる「EIMANAGER」

コンテンツ稟議の刷新にあたって渡邊氏は次のように話します。
「起案者や承認者の手間を減らすことはもちろんですが、何よりもお客様の利便性を高め、良い経験をしてもらうことのために、UI・UXをしっかり考えたデザインを作ることが重要です。そのためには、稟議や社内手続きの時間を省き、制作関係者が良いデザインを作るための時間を確保することが必須だと考えていました。」

顧客説明審査ワークフローシステムを構築するにあたってCTCを選んだ理由について菊池氏と東元氏はこう説明します。
「ただ、コンテンツ稟議のプロセスに適した製品の選定は簡単ではありませんでした。ワークフロー管理やプロジェクト管理などのキーワードでパッケージソフトを中心に探しましたが、コンテンツの起案から承認までを一括管理できるパッケージは見つかりませんでした。コンテンツ稟議特有の校正・承認の同時進行を実現し、金融機関に対する厳格な法規制と社内の審査規則を満たすには、もうフルスクラッチで作るしかないとあきらめかけたタイミングでした。」(菊池氏)

「ソニー銀行のワークフローシステムで、CTCのドキュメント管理システム「EIMANAGER」を活用した先行事例を知る機会がありました。多くのコンテンツに対して同時並行で校正・承認作業や版管理を実施し、コンテンツの正確性と品質を向上させ、サイトへのスピーディな公開を実現した、まさに私たちが求める要件に合致した事例だと思いました。難航していた製品選定が一気に解決に向かいました。」(東元氏)

その後、CTCによる製品のデモンストレーションなどを経て、「EIMANAGER」の採用が決定。
こうしてコンテンツ稟議専用のワークフローシステムの構築プロジェクトがスタートし、から約半年かけて要件定義、基本設計、詳細設計を行います。

プロジェクトについて東元氏は次のように振り返ります。
「ジャパンネット銀行とCTCの共同プロジェクトチームが結成され、要件定義には特に時間をかけて進めました。週1の定例ミーティングでは何度も繰り返し課題を洗い出して、どのようにシステムに落とし込むかを協議しました。1日10件、年間2千数百件もの稟議を円滑に進めるために必要なプロセスが、システムとしてきちんと再現できるのかは、質の高い要件定義が行えるかどうかにかかっています。この点を両社合同のチームで十分にすり合わせることが重要でした。」

ワークフローの可視化と手順の簡素化で、コンテンツの起案から承認までの時間が半分以下に

徹底的に行った要件定義から設計、構築とテストを経て、に「顧客説明審査ワークフローシステム」は本番稼働しました。

導入後の効果について、東元氏は次のように説明しています。
「コンテンツの予約・起案から、コンテンツの内容に関する事前協議、そして最終的な承認までの進捗状況が一目でわかる画面設計を実現しています。また、コンテンツの内容をメニューから選択していけば、必要なワークフローとスケジュールが自動的に設定されるようになったことも大きな特徴です。ウィザード形式でコンテンツの種別を選択し、それに応じて確認者や承認者が決定されるようになったため、マニュアルの参照が必要だった従来と比較して手順が飛躍的に簡単になりました。コンテンツの内容に則したフローが自動選択されるのでチェック漏れによる手戻りもなくなり、コンテンツの起案から承認までの時間が、体感的には半分以下になりました。」

コンテンツの起案者である商品やサービスの所管部からの評価について菊池氏は話します。「以前は、事前協議が完了しても、外出や出張が多い承認者でフローが止まるケースがありました。複数の承認者がいる場合は更に時間がかかります。これを順不同で確認できる仕組みにしたことで、長いときで3日程度かかっていた承認が1日程で済むようになりました。現場からは、起案から承認までが滞留せずに流れるようになったため、非常に使いやすく楽になったといった声が寄せられています。使っているうちに、さらに修正・追加したい機能が出てきています。」

CTCとのタッグで、総合的なコンテンツ制作プロセス管理システムの完成へ

渡邊氏はCTCとのプロジェクトを次のように評価しています。
「非常に助かったのは、要件定義の段階で実際に動くプロトタイプが提示されたことです。UI部としては社内用のシステムであろうともUIとUXに妥協しません。実際の起案者にプロトタイプを使ってもらい、フィードバックをシステムに反映していくことができました。CTCも私たちの要求への対応に妥協することなく、様々な提案を行ってくれました。現在、制作プロセスを管理するシステムを第2フェーズとして構築中で、こちらもCTCの全面的な協力のもとに進めています。」

菊池氏はCTCのプロジェクトに対する姿勢について次のように振り返ります。
「伝えた要件や要望に対して返ってくる成果物のできが非常に高く、助かりました。CTCの担当者は私たちの話を本当によく聞いて理解し、再現性の高いシステムを作ってくれました。一緒にシステムを作っていて楽しかったし、同じものづくりをする者として、その姿勢を学んでいきたいと思いました。」

東元氏はCTCの強みについて話します。
「決して製品の仕様を優先することなく、こちらのデザインの要求に応えようと常に複数の解決方法を提示する姿勢は、システムインテグレーターに対するこれまでのイメージを覆すものでした。特にUIの再現性は非常に高く、満足しています。第2フェーズにおいてもCTCと協力して、デザインの再現性を追求した使いやすいシステムを作っていきたいと思います。」

今回構築した「顧客説明審査ワークフローシステム」で、稟議を通ったコンテンツの実際の制作から公開までのプロセスを管理するシステムの構築が第2フェーズとしてスタートしています。構築中のシステムでも「EIMANAGER」を活用し、起案から承認、制作、そして公開までを一貫して管理する総合的なコンテンツ制作プロセス管理システムの構築を目指しています。2019年内の完成を目標に現在プロジェクトが進行中です。CTCは今後もUI・UXを考慮し、ジャパンネット銀行の目指すシステム作りをサポートしていきます。

直感的に使えるUI・UXを意識して作られた画面

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