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株式会社NTTぷらら 様

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社内VDI基盤にHCIを採用して、さらなる事業拡大と社員増に対応

  • HPE SimpliVity 380 Large All Flash 4node

約320万会員を有するISPサービスと、約300万会員を有する映像配信サービスを提供するNTTぷらら。同社はから運用してきた社内VDI基盤をに刷新し、ハイパーコンバージドインフラ「HPE SimpliVity 380」を採用した。背景にあったのは、急拡大するビジネスと、それに伴う社員数増加への対応だった。

課題と効果

課題
  • 運用コストの増加
  • システム老朽化と性能不足
  • 事業拡大に伴うデータ増加
  • バックアップ運用負荷の増大
ハイパーコンバージドインフラ「HPE SimpliVity 380」を導入
効果
  • ラックを7台→2台に削減
  • ストレージ容量を重複排除などで抑制
  • 快適なWindows 10 環境を提供
  • バックアップの時間短縮と運用自動化

導入事例インタビューデータ

会社名
株式会社NTTぷらら
所在地
〒170-6024 東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60 24階
創立
1995年12月
URL
https://www.plala.or.jp/新しいウィンドウで開く
URL
https://www.nttplala.com/新しいウィンドウで開く
  • NTTぷらら 技術本部 ネットワーク管理部 チーフエンジニア 津久井 慎二氏

    NTTぷらら

    技術本部 ネットワーク管理部
    チーフエンジニア

    津久井 慎二氏

  • NTTぷらら 技術本部 ネットワーク管理部 阿部 宗一郎氏

    NTTぷらら

    技術本部 ネットワーク管理部

    阿部 宗一郎氏

全社シンクライアント環境を2011年からVDI基盤で展開

に提供を開始したISPサービス「ぷらら」と、に開始した映像配信サービス「ひかりTV」を中心にビジネスを展開するNTTぷらら。多くの会員数を持つサービスプロバイダーとして成長を続けている。

海外発の映像配信サービスが存在感を増すなか、同社が力を入れているのが独自コンテンツだ。ひかりTVでは、さまざまなアライアンス先と連携しながらオリジナルコンテンツを提供し、ユーザーからの支持を集めている。また、国内初となる4K映像の商用配信サービスやAR技術を活用したバーチャル3Dフィギュアなど、新サービスの提供にも積極的だ。

そんな同社が抱えていたIT課題の1つが、社内デスクトップ基盤の運用管理だった。同社はにセキュリティとオフィス環境の省力化を目的として、VMwareベースの仮想デスクトップ基盤(VDI)を導入した。同社の拠点は、本社のある池袋、エンジニアが集まる有明オフィスなど複数あり、すべての社員が基本的にこのVDIを利用して業務を行っている。だが、事業拡大に伴って社員数が増え、取り扱うデータ量が増大するなか、VDI基盤がさまざまな課題を抱えるようになったという。技術本部 ネットワーク管理部 チーフエンジニアの津久井慎二氏はこう話す。

「当時の仮想マシンはメモリ2GBのWindows7で、Officeファイルを開くのに数十秒かかるほどでした。Windows Updateが実行されると動作を受け付けなくなることもありました。長く利用するうちにユーザーから不満の声が高まっていて、既存基盤のままWindows 10へ移行することは難しく感じていました」

そこでにハードウェア保守の期限が切れることをきっかけに、新しいVDI基盤に刷新することを決めたという。

VDI基盤の運用管理で直面した3つの課題

に構築したVDI基盤は、サーバとストレージ、ネットワークスイッチからなる3ティア構成。当初はサーバ14台、ストレージ2台で構成されていたが、その拡張とともに基盤全体で7ラックを占有する規模になった。また、VDI導入と端末のシンクライアント化により、消費電力を抑えるなどの目的は達成できていたものの、長年の運用のなかで運用管理コストも膨らんでいた。

VDI基盤の刷新にあたってNTTぷららが抱えてきた課題は、大きく3つある。

1つめは、コストパフォーマンスの確保だ。トータルの運用管理コストが上昇するなか、基盤や仮想マシンのスペックアップや集約率の向上は限界を迎えつつあった。新たに基盤を導入する場合も、既存設備や管理ノウハウを活かしながら、運用管理コストを下げ、パフォーマンスを向上させる必要があったのだ。

2つめは、事業拡大への対応だ。業務によって必要なアプリケーションなどが異なるため、そうした個別環境への対応を考慮して、VDI基盤ではフルクローン方式を採用していた。このフルクローン方式はリンククローン方式と違って、仮想マシンの実容量がそのまま基盤上に確保される。事業拡大に伴って従業員が増加すれば、それに比例してストレージ容量も必要になる。当初は仮想マシン700台(本社300台、有明オフィス400台)で運用を開始したが、7年間で800台を超える規模に拡大。今後もさらなる拡大が見込まれており、既存基盤ではリソースが不足することが懸念されていた。

3つめは、バックアップへの対応だ。VDI基盤では仮想マシンをイメージバックアップツールによってバックアップを行っていたが、800台規模の仮想マシンをすべてバックアップしようとすると土日48時間使っても終了しないことがあった。また、リストアを行う際も、バックアップツールから操作する必要があるため手間がかかり、リストア自体も正常に行われないケースがあったという。

フルクローン方式でH/Wアクセラレータの重複排除・圧縮のメリットを享受

こうした3つの課題を解消するために採用したのが、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)の「HPE SimpliVity 380」だ。津久井氏はHPESimpliVity 380を採用した理由について、次のように説明する。

「まずHCIというサーバ内蔵ディスクをストレージとして扱う新しいアーキテクチャを採用していることに興味を持ちました。集約率の向上や基盤の拡張はコスト的にも難しくなっていました。そんななかHCIならストレージやサーバの大幅な台数削減が可能で、今後の拡張にも柔軟に対応できると考えました」

HPE SimpliVity 380についてはごろから調査を始め、にCTCが実施したプライベートセミナーで理解を深めたという。CTCは、NTTぷららの長年のパートナーであり、既存基盤の構築にも携わるなどNTTぷららのシステムを熟知していた。そんななかHPESimpliVity 380の提案を受け、本格的な検討を開始。その後、HCI製品や仮想デスクトップサービス(DaaS)などのクラウドサービスなど、さまざまなVDI基盤を比較検討し、最終的にHPESimpliVity 380を採用することに決定した。

決め手となったのは、3つの課題をスマートに解決できることにあったという。技術本部 ネットワーク管理部の阿部宗一郎氏はこう説明する。

「従来のストレージ基盤はHDD構成でしたが、HPE SimpliVity 380はオールフラッシュ構成で高いパフォーマンスを維持することができます。また、ハードウェアアクセラレータによる重複排除と圧縮を用いることで、ストレージ消費量を抑えることができます。フルクローン方式で重複排除と圧縮を利用すると、ユーザーには十分なストレージリソースが与えられているように見せつつ、実際のストレージ容量はリンククローンと同程度に抑えることが可能です。さらにバックアップを標準で備えているため、専用ソフトを使ったバックアップ運用が不要になるというメリットもありました。管理にはVMware vCenter®を利用できるので、これまでのノウハウを活かすことができます」

導入を開始したのはから。4台のHPE SimpliVity 380に加え、7台のx86サーバをコンピュートノードに追加してパフォーマンスとスケーラビリティを確保する構成とした。このように柔軟なシステム構成をとることができる点もHPE SimpliVity 380の大きな特徴だと評価する。

既存構成と新規構成の概要

既存構成と新規構成の概要

組み込みバックアップでバックアップ時間が数時間に短縮

HPE SimpliVity 380の導入は大きな効果をもたらした。まずサーバ台数は、4ノード構成のHPE SimpliVity 380に、7台のx86サーバで、計11台とコンパクトになり、ラック台数も7台から2台へと大幅に削減された。

パフォーマンス面でもメモリ8GBと、Windows10をストレスなく利用できる環境が整備され、これまで起動に数十秒かかっていたOfficeアプリケーションは数秒で立ち上がるようになった。また、Windows Updateによって動作が重くなり、業務に支障が出るということもなくなった。

重複排除・圧縮の効果も高い。NTTぷららでは全仮想デスクトップに対し同容量のディスクを割り当てていて、10ユーザー分を合計しても必要となるストレージ容量は2ユーザー分にも満たない。ストレージ全体の利用容量も従来と比較して数分の1にまで削減できたという。

土日48時間かかっていたバックアップ時間は、数時間に短縮され、ファイルリストアなども簡単にできるようになった。

NTTぷららの環境ではセキュリティの観点から、仮想マシンのOSの設定として、ユーザーに紐付いたIPアドレスの設定、該当ユーザーのみが仮想マシンにログインできるような個別のOSアカウント設定、OS構築後のウィルス対策ソフトのインストールが必要となる。環境構築の初期状態で、設定済みの仮想マシンを750台ほど作成する必要があったため、デプロイ時にはその作成作業を半自動化できるよう、CTCが作成した展開用スクリプトを用い、設定漏れやミスがないような課題解決と構築を行った。

津久井氏は「運用中にトラブルが発生することもありますが、その場合はCTCのサポートを受けながら対処しています。CTCとの信頼関係のなかで基盤を刷新できました。これにより、働き方改革や事業拡大といった社内からの要望にスムーズに応えていけます」と話す。新しいVDI基盤がNTTぷららのさらなる成長を支えていく。

導入製品・ソリューション

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