イベント・レポート

CTC Forum 2018 講演

トラック・バスの安定運行支援のため車両稼働情報によるサービスを提供

更新

2017年4月に「予防整備提案」を開始し、2018年4月にはさらに4つの新規サービスを追加。リアルタイム性が求められる領域をCTCの支援で実現

  • クラウド
  • AI
  • IoT
  • セキュリティ
  • 開発
開催日
主催
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
講演
日野自動車株式会社

目指すのは製品ライフサイクル全体でのデータ活用

日野自動車株式会社 情報企画部 推進グループ グループ長 荻原 郁雄氏

日野自動車株式会社 情報企画部 推進グループ グループ長 荻原 郁雄氏

日野自動車は、堤真一さんとリリー・フランキーさんが出演されているCM「トントントントン、ヒノノニトン」でお馴染みの会社です。小型トラックを本格展開し始めたのはでしたが、このCMで一般的に知られるようになりました。スローガンは『もっと、はたらくトラック・バス』です。大型から小型まで幅広いサイズのトラックやバスを製造する他、トヨタ自動車からの受託による商用車・乗用車製造、産業用ディーゼルエンジン等の製造も手がけています。

トラックやバスと一般的な乗用車とは、車両総重量や積載量以外にも、大きく異なる点があります。まず使用年数が乗用車では8~9年であるのに対し、トラック・バスでは12~13年と長いことです。また年間走行距離も、自家用乗用車では10,000km程度ですが、営業用のトラック・バスは約70,000kmとなっており、なかには400,000kmに達するケースもあります。『もっと、はたらくトラック・バス』を実現するには、「安全」かつ「稼働を止めない」ことが必須条件なのです。

そのために日野自動車ではに、データ基盤の一元管理化とM2Mによる車両動態データの取得を柱とした、ICTシステムの構築に着手しました。システムの概要は、車両にGPS等のデータロガーと通信機を搭載し、そのデータを3G/4G通信でデータ統合基盤に収集、それをもとに各種レポートや情報提供を行う、というものです。車載器は自社で新規開発し、システムも社内のIT部門が担当しました。そしてにその本格稼働を開始、これによって「予防整備提案」というサービスを提供しています。

トラックやバスは1年ごとの車検に加え、3ヵ月ごとの定期点検も義務付けられています。しかし点検を行っているにもかかわらず、不調の兆しを検知できずに突発的な故障が発生することも少なくありません。路上故障のSOS入電は、月間約3,800件に上ります。

「予防整備提案」はこの問題を解決するためのサービスです。
M2Mと統合基盤で車両の稼働状況を常時監視し、不調の予兆を検知した場合には、次の定期点検や車検のタイミングで予防整備を提案します。これによって予定外の修理入庫を抑止し、故障修理費用やダウンタイムの削減を可能にしています。

第2ステップではさらにサービスを拡充しています。お客様からの緊急対応依頼への対応を故障車両の位置情報や故障内容を把握することで迅速化する「緊急対応」、車両の異常情報にもとづきお客様に早期修理を提案する「予兆管理」、そしてお客様自身が車両情報を直接確認できる「HINO CONNECT」を、からスタートしています。「HINO CONNECT」では、安全装置作動通知、故障状態通知、エコツリーレポート月報、緊急自車位置把握という4つのサービスを、無償でご提供しています。これらのサービスはリアルタイム性が求められるため、急遽CTCにお手伝いいただきました。

今後はサービス拡大に向け、さらなるデータ活用を検討しています。開発設計や製造・出荷から買換・中古販売、廃棄・リサイクルに至るまで、製品ライフサイクル全体でデータを活用し、ビジネス価値を生むトータルサポート活動へと発展させていきます。データ活用の幅は果てしないものになると思います。このプロジェクトではCTCに多大なるご支援をいただきましたが、今後も車両稼働情報活用プロジェクトを核として、日野自動車の『もっと、はたらくトラック・バス』作りをお手伝いしていただきたいと考えています。

講演の様子

他講演レポート

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