メッセージエリアのフォントサイズの指定

リクエスト番号 コマンド リリース 区分 メニュー 更新日 担当
E18106 N/A 18.15 ~ 19.01 (本文参照) 機能追加 なし 2009/07/10 ANS

要望

 解像度の大きい比較的小さなモニタ(12インチ程度)でAdvance CAD を使用する
 とメッセージエリアとコマンド入力エリアに表示される英数字が小さくて読み
 難い。フォントサイズを指定できるようにして欲しい。

対応

  このエンハンスは、当初、Windows 版でのみサポートしました。その後、Solaris 版
  と Linux 版でのサポートを追加しました。サポートするバージョンは以下の通りです。

  バージョン      Windows 版  Solaris 版   Linux 版
  --------------- ----------  ----------  ----------
  Advance CAD V18   V18.15      V18.16      V18.16
  Advance CAD V19   V19.00      V19.01      V19.01

  
  ● Windows 版

  フォントサイズとして ACADDEF.MEN で指定する BTNFONT の値を採用するように変更
  しました。
  この値が指定されないと内部で自動計算します。ディスプレイの縦横比によって異な
  りますが、概ね、横方向の解像度の 1/100 となります。
  8 以下の値が指定されると 8 になります。上限のチェックは行っていません。
  ウィンドウがリサイズされた場合、ここで規定されたフォントサイズとリサイズの比
  率によって、表示で使用するフォントサイズを決定します。

  標準の ACADDEF.MEN には次のように記述されています。

    GDIENV !BTNFONT! [12]

  変更する場合は、MENUフォルダの USERDEF.MEN の BTNFONT 行を修正します。
  USERDEF.MEN が存在しない時は ACADDEF.MEN を USERDEF.MEN としてコピーします。

  例えば 14 ドットにしたい場合は次のように記述します。

    GDIENV !BTNFONT! [14]


  ● Solaris 版、 Linux 版

  メニューやメッセージで使用するフォントは、Advance CAD バージョン 18 から X の
  リソースで指定するようになっています。
  具体的には、ホームディレクトリのファイル Acad 内の記述を .cshrc で X のリソー
  スとして設定するようになっています。

  バージョン 19 では、ホームディレクトリにファイル AcadUser があれば、AcadUser
  での記述を優先するように変更しました。
  ユーザがフォントやフォントサイズを変更するために追加した機能です。

  Acad には以下のように記述されています。

    ※ フォント名が長いので以下の記述ではフォント名を省略しています。正しいフォ
        ント名は実際の Acad をご覧ください。

  Solaris 版

    !
    ! Filename : Acad
    !
    ! Solaris 10
    AdvanceCAD.Alphafont.Large:  -ricoh-hg .. --12-0-0-0-m-0-jisx0201.1976-0
    AdvanceCAD.Kanjifont.Large:  -ricoh-hg .. --12-0-0-0-m-0-jisx0208.1983-0
    !
    ! Exceed V9 for Windows
    !AdvanceCAD.Alphafont.Large:  -ricoh-hg .. --12-0-0-0-m-0-jisx0201.1976-0
    !AdvanceCAD.Kanjifont.Large:  -ricoh-hg .. --12-0-0-0-m-0-jisx0208.1983-0
    !
    ! End of file

  Linux 版

    !
    ! Filename : Acad
    !
    ! RHEL ES V4
    AdvanceCAD.Alphafont.Large:  -mplus .. --12-120-75-75-c-60-jisx0201.1976-0
    AdvanceCAD.Kanjifont.Large:  -mplus .. --12-120-75-75-c-120-jisx0208.1990-0
    AdvanceCAD.Alphafont.Medium: -mplus .. --10-100-75-75-c-50-jisx0201.1976-0
    AdvanceCAD.Kanjifont.Medium: -mplus .. --10-100-75-75-c-100-jisx0208.1990-0
    AdvanceCAD.Alphafont.Small:  -mplus .. --8-0-75-75-c-0-jisx0201.1976-0
    AdvanceCAD.Kanjifont.Small:  -mplus .. --8-0-75-75-c-0-jisx0208.1990-0
    !
    ! Exceed V9 for Windows
    !AdvanceCAD.Alphafont.Large:  -ricoh-hg .. --12-0-0-0-m-0-jisx0201.1976-0
    !AdvanceCAD.Kanjifont.Large:  -ricoh-hg .. --12-0-0-0-m-0-jisx0208.1983-0
    !
    ! End of file

  書式は以下の通りです。

    ・1カラム目から アプリケーション名、書体、サイズ分類、フォント名を記述しま
      す。

      アプリケーション名
        "Advance CAD" で固定。

      書体
        Alphafont : 英数字書体。jisx0201 を指定します。
        Kanjifont : 漢字書体。jisx0208 を指定します。

      サイズ分類
        Large  : Advance CAD 起動時のウィンドウサイズの時に使用するフォント。
        Medium : 起動時のウィンドウサイズより小さくリサイズされた時に使用する
                 フォント。
        Small  : 更に小さなウィンドウの時に使用するフォント。

        ビットマップフォントの場合は Large、Medium、Small それぞれの指定が必要
        です。

        スケーラブルフォントの場合は Large で指定されたフォントサイズをデフォ
        ルトサイズとします。Medium および Small の指定は不要です。記述されてい
        ても無視します。

      フォント名
        使用できるフォント名の探し方は後述します。
        フォント名には4つの数字が "-" で区切られて並んでいます。4つの数字のう
        ちの最初の数字を「ピクセルポイント」といいます。

    ・アプリケーション名と書体、書体とサイズ分類の間は "." を記述します。

    ・サイズ分類とフォント名の間は1つ以上の空白を記述します。

    ・1カラム目に "!" が記述されている行は注釈行になります。

  Solaris 版ではスケーラブルフォントをデフォルトサイズ 12 ドットとするように記
  述しています。

  Linux 版では jisx0201 および jisx0208 のスケーラブルフォントが存在しないので
  ビットマップフォントを記述しています。

  スケーラブルフォントの場合はデフォルトサイズを変更できます。


  Solaris 版でデフォルトサイズを 14 ドットに変更する場合は以下のようにします。

    (1) ホームディレクトリのファイル Acad を AcadUser という名前でコピーします。

    (2) AcadUser の5行目と6行目のピクセルポイントフィールドの 12 を 14 に変更
        します。

        変更後の5行目と6行目は以下の通り。

          AdvanceCAD.Alphafont.Large:  -ricoh .. --14-0-0-0-m-0-jisx0201.1976-0
          AdvanceCAD.Kanjifont.Large:  -ricoh .. --14-0-0-0-m-0-jisx0208.1983-0


  Solaris 版の Advance CAD を Windows の Exceed 経由で使用する場合は以下のよう
  にします。

    (1) ホームディレクトリのファイル Acad を AcadUser という名前でコピーします。

    (2) AcadUser の Solaris 用の記述を注釈にし、Exceed 用の記述を有効にします。


  メニューやメッセージ領域のフォントサイズは以下のように決定します。

    (1) スケーラブルフォント

        AdvanceCAD.Alphafont.Large と AdvanceCAD.Kanjifont.Large で指定された
        フォントが両方ともスケーラブルフォントの場合は、ピクセルポイントフィー
        ルドで指定されたサイズをデフォルトサイズとします。
        ウィンドウがリサイズされた場合は、ウィンドウの大きさによって 8 ドットか
        ら デフォルトサイズの間でフォントサイズが変化します。

        Medium と Small の指定は無視します。

        Alphafont と Kanjifont でフォントサイズが違っていてもかまいません。

    (2) ビットマップフォント

        AdvanceCAD.Alphafont.Large と AdvanceCAD.Kanjifont.Large で指定された
        フォントのどちらか一方または両方がスケーラブルフォントでない場合は、
        Large で指定されたフォントをデフォルトフォントとします。
        ウィンドウがリサイズされた場合は、ウィンドウの大きさによって Large、
        Medium または Small で指定されたフォントを使用します。


  Advance CAD で使用できるフォントを探す

    以下の手順で Advance CAD で利用可能なフォントを探すことができます。

      prompt% xlsfonts > /tmp/log1                         ---- (1)
      prompt% grep jisx0201 /tmp/log1 > /tmp/log2          ---- (2)
      prompt% grep jisx0208 /tmp/log1 > /tmp/log3          ---- (3)
      prompt% grep "\-0\-0\-0\-0\-" /tmp/log2 > /tmp/log41 ---- (4)
      prompt% grep "\-0\-0\-0\-0\-" /tmp/log3 > /tmp/log42 ---- (4)

    (1) フォントを検索

        全てのフォントを検索します。

    (2) Advance CAD で使用できる英数字フォントの選択

        Advance CADでは英数字フォントとして jisx0201 を使用します。
        ここで抽出されたフォントが Advance CAD で使用できる英数字フォントです。
        ビットマップフォントとスケーラブルフォントが含まれています。

    (3) Advance CAD で使用できる漢字フォントの選択

        Advance CADでは漢字フォントとして jisx0208 を使用します。
        ここで抽出されたフォントが Advance CAD で使用できる漢字フォントです。
        ビットマップフォントとスケーラブルフォントが含まれています。

    (4) スケーラブルフォントのみを抽出

        スケーラブルフォントには、必ず "-0-0-0-0-" が含まれますので、その文字
        列で絞り込みを行います。

    上記で抽出されたフォントから、使用したいフォントを選んで AcadUser で指定し
    ます。

    スケーラブルフォントを指定する場合はフォントサイズを記述する必要があります。
    記述する場所は文字列 "-0-0-0-0-" の先頭の 0 の場所にサイズを埋め込みます。


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