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【初心者必見】AWSへのマイグレーションで
担当者が最初に棚卸したい5つのこと

【初心者必見】AWSへのマイグレーションで担当者が最初に棚卸したい5つのこと

はじめに

クラウド(AWS)の利用を検討するとき、色々な背景があるかと存じます。

例えば、
データセンターが閉鎖され移設せざるを得なくなった
現行機器がEOLを迎えてリプレイスをすることになった
外部アクセスが増加し現行機器のスペックがボトルネックになった
中長期的にコストを最適化する必要がでてきた
などが考えられます。もちろん他にもたくさんのケースがあるかと思います。
ただ、実際にクラウドを利用しようと思ったとき、多くの場合はオンプレ環境にあるものをクラウド環境に移行させることになるかと思います。

本記事では最初に棚卸したい5つのことをご紹介致します。

  • 棚卸ししたいこと

  • 1.対象機器の一覧化

  • 2.AWSでの動作要件確認

  • 3.移行方式の分類

  • 4.ライセンス要件の確認

  • 5.停止要件、データ移行要件を定義

棚卸ししたいこと

1.対象機器の一覧化

既存システムのインフラ構成について、情報がまとまっていない場合はまとめる必要があります。 まとめる項目は、対象となるサーバの基本情報(OS、スペック等)、MW/ライセンス情報、アプリケーションといったところが主になります。 ある程度机上でクラウド化における仕分けができるため、 この情報をまとめておくのが最初のステップとなります。

2.AWSでの動作要件確認

オンプレにあるものすべてがAWS上でそのまま利用できるわけではありません。 そのため、対象機器の一覧化で作成した対象サーバ構成の一覧資料からAWSでの動作要件を確認していく必要があります。 例えば、AWSはX86上で稼働するUnix系のサーバやArmアーキテクチャ等が対象になり、サポートしていないアーキテクチャがあります。 OSもサポートしていないバージョンもあるため、安全な利用にあたりバージョンアップも必要なケースがあります。 プライベートIPの割り振りにも注意が必要になります。

3.移行方式の分類

オンプレにあるものすべてがAWS上でそのまま利用できるわけではありません。ここはAWS社が現在提唱している「7つのR」を参考にします。AWSでの動作要件確認で動作要件がある程度見えてきたら、移行方式について分類していきます。の仕方から見て取り扱いを仕分けしていきます。

  • Retain(保持):オンプレに残す

  • Retire(リタイア):廃止、削除

  • Rehost(ホスト変更):上物の変更を加えることなく移行

  • Repurchase(買い替え):SaaS製品に変える

  • Replatform(プラットフォーム変更):バージョンアップ等部分的に最適にして移行

  • Refactor(リファクタリング):クラウドに最適化させる形で再構築

  • Relocate(リロケート):上記に該当しないもの。オンプレのVMをVMC on AWSに移行、等

4.ライセンス要件の確認

AWSのEC2インスタンスには外部からのライセンス持ち込みが難しいものがあります。AWS側および各メーカーのポリシーにもよりますが、オンプレと課金体系が違ったり、そもそもクラウドでの動作が想定されていないものもあります。

紳士協定に近いライセンスの使用が認識せずにあって後から監査が入った際に高額な請求が発生、という事態も想定されます。移行対象に分類したシステムで利用しているライセンスがあればクラウド上での利用規約を棚卸しておくことをお勧めします。

5.停止要件、データ移行要件を定義

移行に際しては、それぞれのシステムごとで停止時間を考える必要があります。例えば以下のような形です。

  • いつでも停止ができる
  • 夜間しか停止ができない
  • 休日しか停止できない
  • 休日夜間しか停止ができない
  • 基本停止ができない

また、データ自体についてもシステムごとに移行要件を決める必要があります。

  • 公開されている本番環境であれば移行時に常に同期をとる必要がある
  • 検証環境なのである程度のデータの差があっても問題ない 等

実際移行するにあたって大きく問題となりえるのはこの2点かと思うので、早い段階である程度要件定義をしておくのをお勧めします。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
各作業を着手していると1~5でオーバーラップする部分も出てくるかと思いますが、移行の際の視点として特に重要と思われる5点を記載致しました。

ただし、移行に際しての準備がこれで完了というわけではありません。ハード面回りの要件定義だけでなく、運用面やコスト面も重要な検討材料かと思います。また、これらを棚卸していく上で新たな課題もたくさん出てくるかと思います。

状況や対象システムにもよりますが、現状の整理がある程度できてくると、次のステップとしては大まかに以下の2点を実施することが多いかと思います

  • 移行方法の選定(インターネット経由か物理的にか)
  • クラウドでの実動作検証

こちらの内容についてはまた別途ご紹介できればと思います。
クラウド化のお役に立てる情報をご紹介できておりましたら幸いです。

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【著者プロフィール】

原 慶悟 (はら けいご)

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 ソリューション営業

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