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【大阪リージョン正式オープン】
東京-大阪リージョン間のネットワーク速度を調べてみた

こんにちは、高橋です。
2021 年 3 月 1 日(日本時間3月2日)に大阪リージョンが正式オープンしました。これまでAWSには国内に東京リージョンしかなかったためDRを考えた場合、国外のリージョンにバックアップサイトを作るしかありませんでしたが、大阪リージョンがオープンしたことによって、国内にバックアップサイトを作ることができる様になりました。

そこで気になるのが東京―大阪リージョン間のネットワーク速度ということで、今回は東京―大阪リージョン間のネットワーク速度をEC2インスタンス間とS3間で調べてみました。

Amazon EC2インスタンス間のネットワーク速度

EC2インスタンス間のネットワーク速度で気になるのが、帯域幅と応答時間(レイテンシー)となります。今回は東京、大阪リージョンのそれぞれで i3en.xlargeインスタンスをAmazon Linux2で構築し、インターネット経由とVPCピアリングで接続した経路で計測を行いました。

ネットワーク帯域幅

ネットワーク帯域幅を計測する方法は色々ありますが、今回はiperfを使用しました。
なおAmazon Linux2でiperfをインストールする場合、EPELレポジトリを有効にする必要があります。iperfのインストールは下記の様に実施します。

EPELレポジトリの有効化

 [ec2-user@ip-192-168-0-173 ~]$ sudo amazon-linux-extras install -y epel
 Installing epel-release
 Loaded plugins: extras_suggestions, langpacks, priorities, update-motd
 Cleaning repos: amzn2-core amzn2extra-docker amzn2extra-epel
 ・
 ・
 ・
 Running transaction
 Installing : epel-release-7-11.noarch                                     1/1
 Verifying  : epel-release-7-11.noarch                                     1/1
                            
 Installed:
 epel-release.noarch 0:7-11
                                
 Complete!
 ・
 ・
 ・
 50  selinux-ng               available    [ =stable ]
 51  php8.0                   available    [ =stable ]

iperfのインストール

 [ec2-user@ip-192-168-0-173 ~]$ sudo yum install iperf --enablerepo=epel -y
 Loaded plugins: extras_suggestions, langpacks, priorities, update-motd
 205 packages excluded due to repository priority protections
 Resolving Dependencies
 ・
 ・
 ・
 Installing : iperf-2.0.13-1.el7.x86_64                                    1/1
 Verifying  : iperf-2.0.13-1.el7.x86_64                                    1/1
 
 Installed:
 iperf.x86_64 0:2.0.13-1.el7
 
 Complete!

今回は大阪側をサーバに、東京側をクライアントにして、3回測定を実施しました。
以下はその結果です。

- 1回目 2回目 5回目 平均
①インターネット経由 1.47 [Gbps] 1.30 [Gbps] 1.21 [Gbps] 1.33 [Gbps]
②VPC ピアリング 1.32 [Gbps] 1.46 [Gbps] 1.39 [Gbps] 1.39 [Gbps]

インターネット経由、VPC ピアリング経由でほぼ同等の速度で1.36Gbps程度という結果となりました。

ネットワーク応答時間

ネットワーク応答時間は最もシンプルに東京側から大阪側にpingを10回実行し、その平均応答時間を測定しました。

- 応答時間
①インターネット経由 7.726 [ms]
②VPC ピアリング 9.151 [ms]

ネットワーク応答速度に関しては共に10ms以下ではあったものの、インターネット経由の方が1ms程度早いという結果となりました。

Amazon S3間のネットワーク速度

S3の場合利用用途から応答時間は問題になることはありませんので、データの転送速度を計測してみました。

測定は東京リージョンのS3バケット内に10GBのファイルを配置し、これをAWS CLIで大阪リージョンにcopyを実行し、コマンドの開始から終了までの時間を測定し、ネットワーク転送速度を測定するというテストは5回実施しました。また参考として、同じ方法で東京リージョンからシンガポールリージョンのS3バケットに対しても同じテストを実行しました。

回数 東京ー大阪 東京ーシンガポール
時間[sec] 速度[MB/s] 時間[sec] 速度[MB/s]
1回目 228.0 44.9 397.6 25.8
2回目 228.1 44.9 422.6 24.2
3回目 226.4 45.2 393.0 26.1
4回目 226.8 45.1 386.6 26.5
5回目 227.1 45.1 378.4 27.1
平均 227.3 45.1 395.6 25.9

5回のテストで45MB/sとほぼ同じ速度となり、シンガポールリージョンへのコピーと比べると約1.75倍と、やはりかなり高速な転送速度になるという結果となりました。

おわりに

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【著者プロフィール】

高橋 繁義(たかはし しげよし)

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 クラウドアーキテクト

インフラ全般のエンジニアとして20年以上活動し、現在AWS専任の技術担当兼サービス企画担当として活動中

高橋 繁義(たかはし しげよし)

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