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<受賞特別企画>
AWS&CTC
トップエンジニア対談2023

<受賞特別企画>
AWS&CTCトップエンジニア対談2023

2023年4月、AWS Japanが審査・選出する「2023 Japan AWS Top Engineers」に、CTCから5名が選出されました。
今回は受賞記念企画として、AWS Japanでシニアパートナーソリューションアーキテクトを担当する田中創一郎氏をファシリテーターにお迎えして、CTCトップエンジニアとの対談をお送りします。
CTCのAWSトップエンジニア5名の日常の業務、目指したきっかけから、受賞に向けた取り組み、そしてこれから目指すことを語り尽くします。ぜひご一読ください。

(2023年7月6日、CTC神谷町オフィスにて収録)

ファシリテーター

田中 創一郎 氏
田中 創一郎 氏
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
パートナー アライアンス統括本部 ストラテジックSI技術本部
シニア パートナー ソリューション アーキテクト

CTCの2023 AWS Top Engineers受賞者

園田 一史
園田 一史
Japan AWS Top Engineers (Services)/2023 AWS Ambassadors
高橋 繁義
高橋 繁義
Japan AWS Top Engineers (Services)/2023 AWS Ambassadors
畑山 直樹
畑山 直樹
Japan AWS Top Engineers (Services)
山下 大貴
山下 大貴
Japan AWS Top Engineers(Security)
山近 和樹
山近 和樹
Japan AWS Top Engineers(Machine Learning)

*園田、高橋の両名は「2023 Japan AWS Top Engineers」から選出される、さらに上位のグローバルプログラム「2023 AWS Ambassadors」にも選出されています。

Japan AWS Top Engineer Partner Programとは
AWS Partner Network (APN) の参加企業に所属する AWS エンジニアを対象とした、日本独自の表彰プログラムです。特定の AWS 認定資格を持ち、会社を超えてパブリックに技術力を発揮した活動を行っている方、または技術力を発揮したその他の重要な活動や成果がある方を「Japan AWS Top Engineers」として、AWS Japan が審査し選出しています。

AWSトップエンジニアとは?CTCが注力する理由

AWS田中氏まずは受賞者の皆さん、おめでとうございます。「Japan AWS Top Engineer Partner Program(以下、「トップエンジニア」と表記)」は、卓越したエンジニアにスポットを当てたいとの思いで実施されている、日本独自のプログラムです。エンジニアというキャリアは、たとえどんなに優れた能力を持っていても、周囲にいるごくわずかなしか人にしか、なかなかそのすごさが伝わりません。ですので、AWSとしてクローズアップして、エンジニアの皆さんを盛り上げていきたいと考えています。そして、トップエンジニアの方々に“ロールモデル”になっていただき、周囲のエンジニアの人たちの底上げを担っていただくことも、期待しています。

そのため、選考基準は「特定の AWS 認定資格を持ち、会社を超えてパブリックに技術力を発揮した活動を行っている方、または技術力を発揮したその他の重要な活動や成果がある方」となっています。

田中 創一郎 氏 田中 創一郎 氏

具体的な評価項目としては、ブログ/ホワイトペーパー/書籍/外部登壇などの「外部発信」、案件対応/ソリューション公開/Well-Architected レビューなどの「案件対応力」、加えて、AWS に関する社内登壇、社内 AWS エンジニア育成活動、AWS プログラム コンピテンシー取得などの「技術リードとしての活動」。これら3つを軸として総合評価し、多角的、かつ高い水準での活動であったかどうかが審査されます。

受賞者は本プログラムがスタートした2019年当時は14名でしたが、本年度は132名。専門性の高まりを受けて、「Service」「Software」「Networking」「Security」「Analytics」「Database」「Machine Learning」などの専門分野も開設しています。

年々応募数自体も増加し、応募内容の高度化が進んで“狭き門“となっている中で、CTCからは5名が選出され、他社と比べても高水準を維持しておられます。特に今年は、AWSの主管部門ではない方が3名、新たに選出されました。また、カテゴリも「Service」に加えて「Security」「Machine Learning」からも選出されました。会社全体としてのポテンシャルを感じる、素晴らしい結果だと思います。

高橋田中さん、本日はありがとうございます。このプログラムにはCTCとしても非常に力を入れており、AWS主管部門だけの取り組みではなく、AWSサービス自体の拡張も伴って社内の他部門、各専門分野のエンジニアにも広げていこうとしているところです。社内連携をさらに強化し、CTCの各専門分野における技術力の高さを、このAWSトップエンジニア制度を通じて対外的にもっとアピールしていきたいと考えています。

これまでのキャリアと、トップエンジニアを目指したきっかけ

AWS田中氏それではお一方ずつ、ご自身のこれまでのキャリアと現在の業務内容、そしてトップエンジニアを目指された経緯についてお聞きします。最初は、CTCでクラウドサービスを推進するITサービス事業グループ所属の園田さんと高橋さん。お2人は、2年連続でトップエンジニアに加えて、最上位であるAWS Ambassadorsにも認定されました。園田さんからお話しいただけますか。

園田はい。私のキャリアはデータセンターネットワークのインフラエンジニア、その後自社クラウドの構築、運用をきっかけにAWS担当になり、2019年からこの取り組みに参画しています。その頃から社内でできる人が少ない分野を次々と任されて、インフラ周りのニーズを拾って何でもやってきた結果、オールラウンダー的なポジショニングを確立した気がしています。でも自分としては、受け身の人間だなと。コスト最適化などとにかくいろんな相談が来るので、ひたすらそれに応えていたらこうなっていた、と言いますか・・・。最近は何でも自分だけで完結せず、私は全体像を把握する役割となり、専門分野は社内のスペシャリストと協働するよう、意識しています。

園田 一史 園田 一史

AWS田中氏園田さんはまさに、CTCの中でのAWSのトップランナーという印象です。トップエンジニアになると周囲からいろいろな相談を受ける立場になり、それで自身がさらに成長するという好循環が生まれますよね。そして周囲と協働することで、組織全体の底上げにもつながる。園田さんはまさにロールモデルの見本のような存在だと思います。続いて、高橋さんはいかがですか。

高橋私も、もともとはインフラエンジニアです。仮想化のスキルを身に付けていたことで、比較的スムーズにクラウドへ移行できました。現在は園田と同じくAWSの主管部門に所属し、パートナーリレーションの立場としてAWSと共にソリューションを立ち上げ、ビジネスを創出する活動を行っています。さらに、そのための人材育成にも取り組んでいます。CTCはAWSのプレミアティアサービスパートナーであり、それを維持、さらなるビジネスを拡大する活動にも注力してきました。そのための資格認定者を増やす取り組みも続けて、実際にこの1年間で1.5倍に増えるといった成果が出始めています。

高橋 繁義 高橋 繁義

AWS田中氏まさにAWSでは技術リードとしての人材育成も期待してまして、そこもトップエンジニアの大きな評価軸の一つです。その意味で高橋さんも、トップエンジニア、そしてアンバサダーになるべくしてなられた感じがします。

それでは次に、AWS主管部門以外のお三方にお話を伺います。畑山さんはどのような経緯で、AWSトップエンジアを目指されたのでしょう。

畑山私はエンタープライズビジネス、中でも主に航空業界のお客様を担当するインフラエンジニアです。その中でお客様側としてもAWSの利活用が進み、ご相談事も増えました。かなり突っ込んだ技術的なお話をする機会も増えて、自身のキャリア的にもAWSを真剣に学ぶ必要性を感じていました。お客様から「AWSからこんなサービスが出ましたね」と言われることも増え、立場上、知らないでは済まされません。これからエンジニアとして生き抜くためには単純にAWS上にシステムを構築するだけではなく、運用後のシステムの成長や、それに伴う変更を見据えたクラウドの活用法を知っておく必要があるし、そうでなければお客様にCTCとしての価値を提供できないと考えています。そんな折に実際にAWS関連のプロジェクトに携わり、社内のAWS主管部門の皆さんとお仕事する中で、トップエンジニアのことを知りました。いまなら案件的にもアピールできることも多いので、取得するには絶好のタイミングだと感じました。

畑山 直樹 畑山 直樹

AWS田中氏なるほど、お客様側でもAWSに関する要求が高まっていたのですね。畑山さんの応募内容を見ると、クラウドネイティブサービスを活用したプロジェクトでした。確かに案件対応はタイミング、運の部分もあります。そこをしっかり掴まれたのは素晴らしいと思います。続いて、今年新しくできたSecurityカテゴリで受賞された山下さん、お願いします。

山下私は通信キャリアのお客様担当として、インフラエンジニアとしてオンプレの設計をずっとやって来ました。数年前までクラウドはほとんど触ったことなかったのですが、お客様側でサービス立ち上げを急ぎたい、すぐに検証を開始したいといった要件からAWSを活用する機会が増えて、ここ数年で一気に進化が進みました。すでにお客様側では複数のアカウントを持ち、ガイドラインも整備されてかなりのレベルで使いこなされています。言ってみればクラウドジャーニーの最終局面で、どうしても人的なリソースが不足しているので手伝って欲しい、といった相談事です。それに加えて、通信業界はセキュリティガイドラインやポリシーが非常に厳しく、制約がある中でどのようにAWSを使いこなすべきか、ガイドラインに遵守した最適な運用とはなどを、お客様の一員となってずっと考えてきました。それら案件対応の中でさまざまな知見を得てきたことが、今回の受賞につながったと思います。

山下 大貴 山下 大貴

AWS田中氏なるほど、山下さんも畑山さん同様、お客様側のリテラシーレベルも、CTCに対する期待値もすごく高いのですね。山下さんはAWS Well-Architectedのブログを書かれていて、その取り組みは当社内でも話題でした。続いてMachine Learningカテゴリで受賞された山近さん、お願いします。

山近 私は2002年に新卒入社して、DB開発エンジニアなどを経て、7年ほど前に発足したAIビジネス部に立ち上げ時から所属しています。AIは注目度も高く、実際に相談される案件も多いのですが、概念が先行していて、実際に動かすためのシステム化があまり考慮されていないことが多い。周囲もクラウドに詳しい人が少ない。そんな中で高橋さんと一緒に仕事する機会があり、この制度を知りました。その分野に詳しくなれば自身のポジショニングも得られて、部署にも貢献できる。さらに資格認定されれば会社にも貢献できると思って、チャレンジしようと思いました。案件としてはAmazon SageMakerを使う機会が多いです。それともう一つ感じていたことがあって。それは、まだまだお客様は古(いにしえ)のCTCを求めている方が多いなと。海外から先進のIT機器を発掘して日本市場に引っ張ってくる、情報商社的な役割ですね。でも物販メインではエンジニアとしては物足りないと言いますか…。もっと上位レイヤの、コンサル的な価値提供がやりたいと思っていました。個人的にもですが、それがCTCの価値をアピールすることにもつながるだろうと。CTCがこれまで機器を導入してきたお客様のオンプレからクラウドへのリプレイス案件はたくさんありますので、AIとAWSの分野は市場として伸びしろしかないと思っています。

AWS田中氏伸びしろしかない!頼もしいお言葉です。ほんとうにAI分野は山近さんと出会って発展できたと思います。AI領域でAWSに着目いただき、パイオニアとして切り開いてもらいました。AI、Machine Learning分野はAWSとしても力を入れていますので、山近さんの活躍には期待しています。

山近 和樹 山近 和樹

取得に向けての取り組みについて

AWS田中氏続いて、取得に向けての取り組み方法、特に大変だったことなどをお聞かせください。AWS主管部のお2人はいかがですか?もっとも業務に結びついておられると思いますが、いかがでしょう?

高橋案件対応や技術リードとしての活動は日々行っていましたので、情報発信、Blogを結構頑張って書きました。最初はノルマと感じていましたが、Webサイトのアクセス解析を見ると毎月数千のアクセスがあって。自分が発信した情報が世の中に役立っている実感が湧き、モチベーションにつながりました。

園田私も同じく活動内容には不安はなかったですが、もっとBlogを書いたり、登壇したりといった活動を増やしたかったです。管理業務もあり、なかなか思うようにできなかった思いがあります。

AWS田中氏ありがとうございます。主管部以外のお3方はいかがですか?

畑山案件対応ではアピールポイントもあったので、準備は特に必要なかったです。ただ、タイミング的に前提条件となる資格の更新時期と重なって、そこは苦労しました。私も情報発信、Blogをこまめに書きました。インプットした情報をアウトプットすることで、自分の中で知識を定着させられた実感がありました。一番大変だったのはエントリーシートの記述ですね。各項目について漏れなく、ダブりなくアピールできるよう心がけました。

山下私も情報発信のBlogに関して、個性を出して差別化しつつ、ほかの人に役立つコンテンツをどう書けばよいかに苦心しました。細かくなり過ぎないように、かつ抽象度が高くなり過ぎると差別化できないので、バランスに気を付けました。AWS Well-Architectedのベストプラクティスをまとめる際に改めていろいろと調べ直して、その結果改めてAWSの基礎を学び直すことにつながり、よかったと思いました。

山近私も活動内容には心配はなかったです。苦労したのはやっぱりBlogですね。AIについては自分の知識で書けるものの、AWS準拠という点で正確な情報発信ができているか、AWS主管部のお2人にレビューしていただきました。

AWS田中氏ありがとうございます。皆さん情報発信、Blogを書くことに苦労したというお声が多いですね。トップエンジニアとしての評価は自身のスキルセットを周囲に発信することも含まれますので、取得後もぜひ継続して欲しいと思います。

取得してよかったこと。今後の活用法

AWS田中氏それでは最後に、トップエンジニアになって変わったこと、そしてこれからやりたいことをお話しください。

畑山社内では今のところあまり変わった感じはないんですが、社外的にはいろいろなオファーが届くようになったり、反響がありました。

山近私も、昔仕事した人から突然連絡をいただいたりしてびっくりしました。そういうきっかけ作りにもなるのかと。

山下私もトップエンジニアになってから、パートナーベンダーのCTOと話す機会が得られるなど、支援が得られやすくなりました。

AWS田中氏なるほど、パートナーからの支援が得られやすくなったというのはCTCさんらしい効果ですね。ご自身で、トップエンジニアであることをどう発信していますか?

山下なかなかアピールできてないですね。自分のことなので逆に難しいと言いますか・・・。

園田確かに自分からは言いにくい部分もあるので、案件に参加する際に営業がお客様に紹介するとか、そんな後押しがあるとよいですよね。

AWS田中氏いいですね。私も以前のCTCさんとの協働プロジェクトで、お客様が「今回のプロジェクト、CTCさんがすごい人をアサインしてくれました」と喜ばれているシーンを目撃しました。トップエンジニアが参画する、というとそのくらいインパクトがあるものなので、ぜひうまく活用していただきたいです。主管部のお二方はいかがですか?

園田先ほども述べましたが、もっとBlogとか講演活動もやりたい。アンバサダーの集いで「アンバサダーたるもの、アウトプットは基本」と言われ、さらにその思いが強くなりました。これからもっと、周囲のエンジニアやお客様の役に立つことを、発信していきたいですね。

高橋私はどうしても立場上、自分のことより組織全体の底上げを考えてしまうのですが。CTCとしてはまだまだトップエンジニアを増やしたい。CTCにはAWS統括である我々の部署だけでなく、他部署にさまざまな専門分野のエキスパートやスペシャリストがたくさんいます。その方々に積極的にチャレンジしてもらいたいですし、そのための支援活動も積極的に推進していきたいです。

園田そのためにもCTC社内での地位向上とか、評価につながる働きかけもしていきたいですね。

AWS田中氏ありがとうございます。繰り返しになりますがこのプログラムは社内、社外にご自身のスキルをアピールすることでさらに多くの相談ごと、さらには案件に関わる機会につながり、それが自身のさらなるスキルアップにつながると共に、情報発信によって周囲のエンジニアや組織全体の底上げにもつながるという効果を期待しています。AWSとしてもパートナーの皆様向けテクニカルセッションの優先参加権など、さまざまな機会提供をしていますので、ぜひ積極的に活用してください。エンジニアの皆さんがさらに活躍することで、お客様のビジネス課題解決にも貢献できると思います。これからも一緒に、盛り上げていきましょう!本日は、ありがとうございました。

一同ありがとうございました。


今回選出されたAWS Top Engineersを筆頭に、CTCにはインフラ、開発、専門領域のエンジニア陣が多数在籍し、AWSの利活用をご支援しています。
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